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海岸線の先に

言葉の切れ端を集めながら、海岸線を歩く
貝殻の裏に
テトラポッドの先端に
波打ち際の湿った土の上に
見つけては つまみ取る

手のひらに一つ一つ重ねながら
そして
次第に両手で抱えるほどのそれは
可笑しいくらいに不揃いだった

アスファルトの上に広げてみると
なんだ、阿保らしい
それらは全て私の口癖だった

けれど西陽のせいだろうか
色がやわらかに、形がかろやかに見えるのは

なんだ、阿呆らしい
西陽で伸びるあなたの影が被っているからではないか

私はそれらを尖らせてやろうと
そっとデコピンで
弾き飛ばした

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