発達障害と性同一性障害

予想はしてましたけど、先日の記事のコメントに、ちょっとびっくりしました。

コメントした女性の方の言葉を要約すれば
『あなたは障害ではなく、ただの個性』
『安易に発達障害が量産されている』
『社会に適応してるから障害じゃない』
…というところでしょうか。

わたしは"障害"、あなたは"個性"
わたしは"特別"、あなたは"安易"
わたしは"本物"、あなたは"偽物"

でも、その根底にあるものは…
わたしは"不幸"、あなたは"幸福"?

そのコメントを読んだ時、わたしは…
(歴史って…本当に繰り返すんだね…)
…って思ったのでした。

そう、今は発達障害の黎明期、混迷の時代。



今から遡ること…20年以上前の20世紀末。

その頃は、性同一性障害という言葉が出始めた頃で、Twitterもblogもない、ホームページ全盛期。

漫研出身のヲタなわたしは、コミケやらコスプレやら二丁目界隈やら、ディープな場所で遊びまくっていました。クラスのみんなには内緒な時代。

とあるコミケで出会ったのが、女装コスプレをしていたリンちゃんでした。出会った最初は男の子ってわからなくて、声も可愛くて、男の子って聞いた時は驚きました。それに繊細で優しい子。

NHK「おかえりモネ」の妹役の蒔田彩珠さん似。
そのリンちゃんとお茶してた時、

「リンちゃん、どうしたの?暗い顔して」

「わたし、ある人から『あなたの女装はただの"趣味"で、"私達"の様な"障害"ではない。一緒にしないで。』って言われたんです…」

「はい?!何それ?」

詳しく聞けば、相手のホムペを見てリンちゃんがメール送ったら、相手がリンちゃんの女装コスサイトを見て怒ってメールを送ってきたのだとか。

"私達"は、障害で悩んで苦しんで女性になろうとしているのに、貴方はお気楽に女装コスを楽しんでる。だから貴方のは障害ではなくて、ただの趣味。貴方のホームページを見て、"私達"とは違うと感じました。本当に迷惑です。もうメール送らないで下さい。不愉快です。

正規に「性同一性障害」の診断を受けたのに、
わたしは"本物"で、あなたは"偽物"だとか…
わたしは"障害"で、あなたは"趣味"だとか…

「リンちゃん、気にすることないよ、コイツ[お察し下さい]だしさ、お医者様の診断を覆(くつがえ)してる時点で、コイツ[お察し下さい]だから。無視無視。気にしない気にしない。」

「あやのちゃんなら…そう言うと思った(笑」

その頃、ネットでよく見かけたのが、
(私達は心が女性なの。でも男性の身体で産まれてしまったの。とても苦しくて悲しいの。真剣なの。だから、社会は私達を助けるべきなの。)
…っていう記述。

そして、自分を肯定する為に、相手を否定する。
そんなことする必要なんてないのに…

その後、リンちゃんは、性転換、性別変更、男性とお付き合いをはじめ…

リンちゃんを怒った性同さんは、性転換、性別変更、女性として冷遇されフェミニズムにめざめ、フェミニストそしてレズビアンを公言…さらに安易に性同一性障害が量産されていると発言…



その当時、性同一性障害について、当事者の方の意見は大きく3つくらいに分かれていました。

①私達は"病気"
②慌てず騒がず静かに"治療"
③私は病気じゃない、これは"生き方"

20年以上経った今は…

②が王道。とっても普通。ネットで調べて、親に相談して、お医者様の診断を受けて、手術して、性別変更して、ちゃんと就職して、社会に適応していくんです。とってもクレバー。

性同一性障害は、国際疾患分類ICD-11で、精神疾患から外れ、性別違和の区分に変わる様です。

"メンタルヘルス"から"セクシャルヘルス"へ。

③な方が、厚労省に「病気じゃない!」ってクレームが入れたみたいですけど。大人なんだから…名よりも実を取ればいいのにね…。でも、嫌いじゃないです。生き方と言い切る強さが好きです。

それで、発達障害の20年後の未来ですけど…

わたしは、発達障害も同様に"普通"の事として扱われる様になるんじゃないかなって思います。

来年の事を言うと鬼に笑われるくらいだから、誰にも信じてもらえないと思いますけど。

発達障害は増えている、安易でも幻想でもなく、現実問題として。それは統計からもわかります。

仮に、身体障害、知的障害、学習障害、精神障害、発達障害が全体の50%を超えた時、健常者は少数派になります。多数決が正義とするのなら、正義の旗を持つ者が交代する事を意味します。

特に、発達障害傾向のある子供達が主流になった場合、コミュニケーションの意味合いが今と変わり、それに併せ社会構造も変化するのでしょう。

その頃には、発達障害だから不幸だ、発達障害は苦しくて可哀想なんだ…って言う主張は鳴りを潜め、当たり前のことの様になっているのかも。

もしかしたら、将来的に発達障害の国際疾患分類の区分や内容も変更される様な気がしています。

発達障害も三世代以上も経過すると、徐々に修正されて別モノになっていく様な気がします。

息子の成長を観察していると、クラスの子供達と比べて、発達スピード激遅ですし、幼いですし、反応が変ですし、集中力が鬼ですし、やることがぶっ飛んでますし、暇さえあれば寝てますし。

でも、お勉強は手が掛からなかったです。お陰様で優秀なお友達に恵まれ、ウチの子が霞みます。

息子は発達遅延や発達障害特性はあったものの、わたしの様に生活する上で困っている感じはないので、それはそれでいいのかもしれません。

問題は問題にしなければ問題とはならない。
障害は障害にしなければ障害とはならない。

そんな子供達が増えていく様な気がしてます。

先日、ネットに潜っていたら、LGBTはADHDが30%くらいいるんじゃないかっていう記述を見掛けました。パレード好きはそうなのかも。

わたしは逆に思ってて、騒ぐのが嫌いで、身バレせず静かに動く人はASDが多い様な気がします。

いずれにせよ、どちらも"ゆらぎ"でしょうか。

『性同一性障害は不出来で醜いのだ。だから悩みの無いお前が性同一性障害である訳がない。性同一性障害と言うのならお前は醜く不幸であるべきだ。』

今、そんなことを言う人は極々稀です。でも…

『発達障害は不出来で醜いのだ。だから悩みの無いお前が発達障害である訳がない。発達障害と言うのならお前は醜く不幸であるべきだ。』

たぶん…これは"呪い"の類です。さらに…

『発達障害は不出来で醜いのだ。だから発達障害であるお前は醜く不幸なのだ。』

もしかしたら…これも"呪い"の類なのかも。
 
 

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