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モデル、就活中。

大学3年生、モデル。
私が最近よく聞かれる質問。

就職活動してる?

自然な質問だと思う。でも、同時に自分が分かれ道の前に立たされていると実感する質問でもある。

右にあるのは、モデルとして仕事を続け、生計を立てていく道。

 左にあるのは、就職活動をして企業に入り働いていく道。

大学に通って、3年生になれば周りに流されるまま促されるままに就職活動を始めて、自分の将来について真剣に考え始める。どの業界にするか、どの会社を選ぶか。どんな道であろうと、自分でお金を稼いで生きていかなくてはいけない。お金=生活に直結するから死活問題だ。

◇◇◇◇◇

私は国内外でモデルとしてお金を稼ぎ生きて行くために、半年間にわたりモデルのワークショップで学んできた。

そこで思ったのは、モデルという仕事について、

なぜ自分がモデルとして生きていきたいのか、
自分のモデルとしての武器はなにか、
どんな仕事に向いているのか、
これまでの経験で生かせるものは何か、
プラスで必要な知識・技術は何か、などなど…
ということ。

つまり、
ワークショップで教わったことも、
就職活動の時にやるであろうことも基本的には同じだということだ。

そんなの当たり前じゃないか

と思う人もいるだろう。しかし、私の中でモデルという仕事は未知の世界だった。あの華々しい世界で活躍する人は、どんな道を辿ってそこに行き着いたのか想像できなかった。美しい容姿や個性的なビジュアルをかわれてトントン拍子で仕事が入ってくるんだとか、体型維持やSNSでの情報発信など苦労があることは容易に想像できるが、多くの人が直面するであろう就活とは全く別の道を歩んだのだろうと勝手に思っていた。

そして、モデルでまだまだ十分に生計が立てられていない状況で、それでも実家暮しをしながら挑戦し続けることを後ろめたく思うようになっていた。

まるでモデル活動を続けることは就活から逃げていることのように思えてきた。あるいは、努力が実らない可能性が高い世界で活動を続けるよりも、企業に入って「安定」を得た方がいいんじゃないかという考えが頭をよぎった。

モデルの仕事は誰もに開かれている戸口の広い世界ではない。

どんなに体型や身長、人種が多様化したとしても、仕事によっては素材力が優先されるのは明らかだ。つまりビジュアル勝負の部分が大きい。

持っている自分の武器を磨き、
プラスアルファの知識・技術で付加価値を付けるしかない。

就活生が資格をとり、ESを書くように、
モデルは宣材写真を取り、写真で表現する。

モデルにとっての事務所は、サラリーマンにとっての会社のようなもの。
就活生が業界を絞り、会社を選ぶように、モデルもやりたい仕事の分野に合わせて事務所を絞り込む。どんな仕事をしていて、待遇がどうで、どんな人が働いているのか。所属するために、事務所の傾向に合わせて対策を練る。

◇◇◇◇◇

結局のところ、私は人生の分岐点に立たされていたようで、どの道に進んだとしてもやることは本質的に変わらなかった。

確かにモデルが個人事業主という性質を帯びる以上、サラリーマンほどの安定はのぞめないだろう。

しかし、個人事業主が増えているこの社会で、そんなことはほんの些細な問題に思えてくる。

だから、私の答えはこうなった。

「ただいま、モデル、就活中。」


MYU
@myu_0428_myu

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