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好きな言葉は「 ただいま、おかえり。」Instagram : https://www.instagram.com/o_a_y_a

最近の記事

頑張った心に毛布をかけて

朝、喉の痛みで目が覚めた。 昨夜、クーラーを付けっぱなしにしていたからだ。何かを喋ろうとするとちくりちくりと喉に痛みが走る。口を半開きにしながらキッチンへ向かい、蛇口をひねると少し生ぬるい水が出た。冷やす時間もないので、有無を言わずに体内へ一気に流し込む。 クーラーの微々たる風が部屋の観葉植物に当たって、気持ちよさそうに揺れている。 植物とは良いものだ。初夏になるとベランダに毎年、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、バジル、ローズマリーを育てる。キュウリは特にある程度の高

    • 窓際

      「湯上がり、スッキリ爽快!」 お風呂上がりがサッパリするよ!いうキャッチコピーの入浴剤がまだいくつか残っていたため、ラベルに書かれていたその文字を読みながらそのまま使うことにした。もう季節は秋。ザラっとした固形入浴剤を湯船に入れた途端、南国の海を彷彿させるようなエメラルドグリーンの色がゆっくりと底に触れ、静かに広がっていく。まだ使いかけのシャンプーが残っていたけど、気分を一層するために新しいシャンプーを購入した。いつもシャンプーを1プッシュして使うところを3プッシュしてみた

      • 手を差し伸べたい君は、遥か遠くに

        空が泣いていた。大声をあげるようにわんわんと。 今年も梅雨がやってきて、空から冷たい涙を流しながら私たちを深い水底に連れてゆく。 まるで地団駄を踏む子供のようにバタバタと雨を地面に叩きつけてこちらに主張してくるが、その想いも虚しく傘をさしている人には雨音さえ人混みに掻き消されてしまう。雨は決して嫌いではないが、意表を突かれたようにワッと降りだされると「なんて人想いのない雨なんだ!」という気持ちよりも先に、何かをずっと我慢してて一気にわんわん泣き出す人の心情に見えてしまい、

        • 過去の距離はどのくらいだろうか

          都内を歩いていた時に、不意にどこからか流れてきた曲。私の耳を通り過ぎたか思えば、目頭が熱くなり気づいた時には頬に熱い液体が流れていた。 母が車の中で流していた曲だった。あれはなんだったんだろう。車の後部座席の左側がいつも私が座る場所。窓を開けて車を走らせる。真空状態だったのかと思うくらいに外からの新鮮な空気が一気に車内へと吸い込まれる。走馬灯のように次々と流れていく景色をボーッと見るのが好きで、幼い頃から家族の話も聞く耳を持たないくらい景色を眺めるのが好きだった。 「音楽

        頑張った心に毛布をかけて

          「余白」と「空間作り」

          私は「余白」という言葉が大好きです。 座右の銘にしてもいいかもしれません。 西洋画では背景を綿密に描くことで化学的な目で空間を表現することが多かったのに対し、日本画では何も描かない余白で空間の遠さや広がりを表現された。という文献もあったりします。 不完全なものこそ美しいと思いますし、侘び寂びや余白があるものにとてつもなく惹かれるのです。 限られた部屋のスペースを使って空間をうまく使っている人たちは、引き算がとても上手いという共通点に気づきました。 人だってそう。

          「余白」と「空間作り」

          あったら便利は、なくても便利。

          こんにちは、あやです。 東京に上京してきて早3年。 ミニマリストまではいかないけど、物を減らす意識を心掛けています。本当に欲しいものがあったら一度立ち止まる癖をつけることです。 そして、買う際に悩んだとき、必ず心に唱えかけている言葉があります。 「あったら便利は、なくても便利」と。 物が少なくなると、心の余裕も増えるというのはよく耳にするけど、本当にそうだと思う。実際、仕事で疲れ切って家事もままならないこともよくあるし、だいたいそんな時は、部屋が散らかっていることが

          あったら便利は、なくても便利。

          「拝啓、私へ。」 過去の自分から手紙が送られてきた。

          少し肌寒くなってきた秋。仕事終わりに帰宅してポストを覗いた。ピザ屋のチラシや公共料金の支払い用紙と重なり混じって、1枚のハガキが私宛に届いた。 差出人は、自分。 ...ん? 拙い文章。癖のある幼い字。 紛れもなく、自分の字だった。 7年前の自分からハガキが届いたのだ。 当時、小学校を卒業するときに、学校の校庭にタイムカプセルを埋めたりするのが流行っていたが、私の小学校は特段何もしなかった。 卒業証書を片手に持ちながらクラスの友人に「中学生になっても同じ学校だね。

          「拝啓、私へ。」 過去の自分から手紙が送られてきた。

          物語の中にある、感動要素。

          気づけば9月。 現在進行中で書き留めている短編小説が、ここ数日、ペンが思うように走らなくなった。 心の乱れだろうか。はたまた、焼けつくような夏の猛暑で脳がドロリと溶けてしまったのだろうか。考えても考えても、思考が回らない。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ これは...停滞期...。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ いつも思い悩むときは、場所を変える。 少し散歩に出かけたり、窓を空けて部屋の空気を入れ替えたり、音楽をかけたり。 しかし、それでは飽き足らずにもっと遠くへ行きたい

          物語の中にある、感動要素。

          自分に優しくする時間。

          こんにちは。 半袖のシャツが、クローゼットからまだかまだかと外に出たがってるような季節。結局毛布が手放せなくて、まだまだ肌寒い。もう5月だというのに、へんてこで曖昧な温度に身を包まれながら「夏、まだかなぁ…」なんて考えてたら、めまぐるしいスピードであっという間に夏なんて来そう。 いつものごとく週5でお気に入りの本屋さんに立ち寄る。わたしは無類の本屋さん好き。圧倒的に好きなものは小説だけど、ふらりと立ち寄ると、割とジャンル問わず店内をぐるぐると回っては、気づいたら3時間経っ

          自分に優しくする時間。

          休日、君とおでかけ。

          新緑の季節、もう気分はまるで5月。 桜の花びらが、あんなに地面に落ちていたのにいつの間にか綺麗さっぱりなくなっている。どこか風に飛ばされたのかなぁ。毎年、散った後の花びらはどこへ行くのか新緑の木に生まれ変わるたびに気になる。 小さな小人さんが、来年の春に向けて大きな瓶に桜を詰めてどこかへ運んでいるのかなぁ…なんて考えたりもする。 桜がまだ少し残ってる状態 “残花”と言われる季節に、大切な友人とお散歩へ出かけました。 ヒラコンシェさんでランチ もりもりなお野菜プレートに

          休日、君とおでかけ。

          最近のこと。

          家族で引っ越してきて、もう半年が経つ。 初めての場所で過ごす、初めての春。 以前より、周りが少し騒がしくなり目的の場所までは近くはなったものの、のどかな自然溢れる場所からはちょっぴり離れて暮らしています。地元が大好きな分、これからも同じ場所にとどまって生活するんだろうなぁという、ぼんやりとした考えは、気づけば無意識の内に環境も周りも変わっていました。 決して大きな街とは言えないけれど、その分コミュニティーが極端に狭くて、何かあったらすぐに駆けつけてくれる友人が、有難

          最近のこと。

          名もなき、序章の春。

          街中はもう、ちらほらと春を迎えている。 春に合わせてきたかのように、淡いピンクのカーディガンを羽織ったお昼のニュースキャスターが、麗らかな声でさらさらとサラサラと原稿を読む。遠くの山からウグイスのさえずりが聴こえる。冬の寒さに耐え忍んだ木々や花たちは、この日を待ち望んでいたと言わんばかりに景色に彩りを与え、春と一緒に私たちを歓迎してくれている。 君から一通のメッセージが届いた。満開の桜の写真を添えて。 「東京は1週間早く、桜が満開だよ。」 見たことのある景色。去年、私

          名もなき、序章の春。

          日々のこと、言葉のこと。

          ”小さな幸せを、手から零れ落とさないように” 幸せは、どんな時いつだって不意に突然やってくる。写真も、映像も、歌も、ダンスのようにきっと表現の方法はひとつじゃない。いくらだってある。 私はそんな中でも日本人である限り、柔らかい日本語にしかない言葉や表現が大好きだ。 いつも小さなノートとペンをカバンの中にそっと忍ばせて、感じたことや想ったこと感情の鮮度が落ちる前にペンでサラサラと書いてはパタンとそのノートを閉じる。それをもう何年も続けている。 幸せだった

          日々のこと、言葉のこと。