「拝啓、私へ。」 過去の自分から手紙が送られてきた。
少し肌寒くなってきた秋。仕事終わりに帰宅してポストを覗いた。ピザ屋のチラシや公共料金の支払い用紙と重なり混じって、1枚のハガキが私宛に届いた。
差出人は、自分。
...ん?
拙い文章。癖のある幼い字。
紛れもなく、自分の字だった。
7年前の自分からハガキが届いたのだ。
当時、小学校を卒業するときに、学校の校庭にタイムカプセルを埋めたりするのが流行っていたが、私の小学校は特段何もしなかった。
卒業証書を片手に持ちながらクラスの友人に「中学生になっても同じ学校だね。」と穏やかに告げ、猛烈な寂しさが押し寄せてくるわけでもなく、ぬるっと卒業した。
時は流れ、高校時代。
郵便局のHPをたまたま見ていたら、「未来の自分に手紙を書いてみませんか?」というキャンペーンをやっていた。(半分記憶が曖昧)タイムカプセルとか学生らしいことをしてないのもあって、当時、すごく惹かれたのを今でも覚えている。確か、春の朝のことだった。
今、ちゃんと調べてみると、郵便局が公式にやっている「タイムカプセル郵便」というものがあった。期間限定のキャンペーンではなく、ずっと昔からあるらしいのだが、そのサービスを知っている人は少ないのではないだろうか。
自分が設定した年数が来たら、自分宛に郵送してくれるらしい。
別に魔法を使っているわけでもないし、なのに、なんて夢のあることなのだろうか。
内容にサラッと目を通した後、すぐさまカバンも持たずに、母から買ってもらった小さなピンクの財布と家の鍵をポケットにねじ込んで、自転車を飛ばして近くの郵便局へ向かった。
郵便局に到着して、窓口の優そうなお姉さんから専用のハガキを購入し、受け取った。
よく、ドラえもんのアニメやドラマで未来から手紙が来たり、そんなシーンはよく使われるけど、よくそんなシーンは幾度も見てきたのに自分の元へ届いたとき、血液が一気に循環して手の先まで一気に熱くなるのを感じた。
16歳の私が24歳になっていることは想像できないし、短いようで長い8年間だったかもしれない。
8年間かけて、伏線回収するのをわかっているかのような書き出し。
未来なんて想像もできないし、不透明だらけだけど、分からないなりに振り絞って書いたのを想像すると可愛く思えてしまう。
もちろん、学生の頃から見る20代ってもっと大人!っていう感じだと思っていた。バリバリ働いて、早ければ結婚して、、、みたいな将来をぼんやり当時は考えていた。
まあ、年齢と中身が比例しないというか、中身はそんなに変わらないのに「歳」の肩書きだけが増えていく不思議な感覚、、、。
伝えたいこと
純粋に「タイムカプセル郵便」というサービスをもっと知ってもらいたい。
本当に、本当に、これは大声で伝えたい。
わざわざ地元の学校の校庭に行って校庭の土をみんなで掘る必要もないし、1人でその日から気軽に始めれるのがとても魅力的だ。当たり前だけど、ちゃんと日本郵便が保管してくれるからハガキが何年経っても風化せずに綺麗!(当たり前だけど)笑
大人になると悩みは増えるし、学生だったら学生ならではの悩みもあるだろうし、いくつになっても悩みは尽きない。あまり考えすぎずに「未来の自分は元気にしてるかなー?」くらいの軽い感覚でハガキを書いてみるのがよい。どんなに適当な言葉でも、意外とこれが、背中を押してくれるから。
私はまた、郵便局に行って未来の自分にハガキに書こうと思う。
未来なんて誰もわからないけど、未来が少しでも明るくなるのなら。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また、適当に書きますー!
aya.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?