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甥っ子が産まれて感じること

 私は学校の先生なのだが、正直、子供はそんなに好きじゃないと思う。周りからの客観的意見を聞いていないのでわからないが、個人的にはそう思って生きてきた。その1つの要因として、教育大にいたら周りにたくさん子供が好きという人がいて、教員採用試験の面接練習なんかでも、志望理由として、「子供が好きだから」と、キラキラした笑顔で、自信を持って言い切れる人がたくさんいて、私はそこまで言い切れないなと思ってきたというのもあると思う。街中で赤ちゃんや小さい子供を見かけたら可愛いなと思うし、高校生ですら関わってみると可愛いなと思うことはあるのだから、人並みに「母性」とやらはあると思う。でも、自分の子供が欲しいかと考えたときに、即答できない自分がいるし、どちらかといえば欲しくないかも、という感じだったから、自分の妹に赤ちゃんが生まれるとなった時、こんなに可愛いと思うなんて想像してなかった。

とにかく可愛い。何をしていてもかわいい。存在が尊い。

 自分に対して笑ってくれたり、話しかけてくれたり、手を握ってくれたり、何か反応があるとさらに心が満たされる感じがする。心が温かくなる感じがする。自然と顔がほころぶ。自分に対してだけではなく、母である妹に対して嬉しそうに笑いかけていたり、家族に囲まれて幸せそうにしている甥っ子を見るだけで満たされる。周りも笑顔で幸せで、なんか出てると思う。オーラみたいなのが。なんというか、赤ちゃんはパワースポットみたいだ。

 夜、眠れない時、甥っ子の小さくて温かい手を自分の掌に乗せてみる。すべすべ。握り返してくれる訳じゃないのに、安心する。自分よりもはるかに小さい手に包まれている感覚に陥る。

 こんなに可愛いけど、彼を自分のものにしてしまいたい、家に連れて帰ってしまいたい、とまでは思わない。やっぱり甥っ子は妹の子で、母である妹と一緒にいるから幸せそうだと思うし、そうやって一緒にいて幸せそうな甥っ子を見ているのが、私自身も幸せだからだと思う。可愛くて尊いけど、自分のものでないことは分かっていて、もちろん妹の所有物というわけでもないし、そもそも彼は誰のものでもなくて、1人の人間なのだけど、、、

 なんて難しいことも考えてみるけど、とにかく可愛い、それに尽きる。
幸せでいてほしいし、その幸せを守りたい。そう思う。

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