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絶景の宝庫、初夏の立山黒部アルペンルートでリフレッシュ旅

3カ月前、友人と「今年行きたいところはどこ?」という話題になったときに、「黒部ダム!!」と一致したところから始まった初夏の旅。

予想を超えて大幅に遅れている梅雨にハラハラしながらも、
この日はちょうど運よく晴れました!


富山から長野へ抜けるルートで黒部ダムを目指します。
東京から富山駅まで北陸新幹線で2時間強。
黒部ダムまでは富山駅から7つの乗り物を乗り継いでいく、まさに大冒険。
まずは電鉄富山駅から1時間かけ立山駅へ。

電鉄富山⇒立山(1時間)

青々とした美しい田んぼを横目に立山へ向かう電車。目の前には大きな立山連峰が広がり、そこに向かっていくんだ!!と思うとわくわくしました。
わずか2両で、この日は平日だったからかほぼ貸し切り。
窓の外から見えるアジサイも色鮮やかで美しく、ところどころ昭和レトロな看板も味わい深いです。

もう関東では見かけることのないカール!

山へ向かう途中、常願寺川の上を通りました。ゆっくり見下ろせるようにと車内アナウンスが流れ、徐行運転。透き通った美しい水がものすごい速さで流れていて驚き。約3000mの立山連峰から河口である富山湾の源流までの56kmを、一気に流れ下るため、日本屈指の急流河川です。また、数々の洪水を繰り返してきたため、”日本一の暴れ川”の異名もあります。

常願寺川 

自然を横目に楽しみながらあっという間に立山駅に到着。この時点で標高475m。早くも地元千葉で最も標高が高い山『愛宕山』(408m)を抜き去っていることに驚き。(笑)
ケーブルカーに7分乗り、次の乗換駅『美女平』へ。

美女平(標高977m)

美女平駅を出てすぐ、ロータリーには美女平の名前の由来にもなりシンボルでもある「美女杉」が出迎えてくれます。諸説ありますが立山が女人禁制の頃、掟を破り入山した女性が神罰に触れ、一本の杉となったのが美女杉。今では男女の縁を結ぶ、恋愛パワースポットとなっています。かなり大きくて見応えあります!!

美女杉

時間がなくて省略しましたが、他にも1時間ほどで回れる立山杉の森が茂るトレッキングコースも楽しそう!また、この辺りには様々な野鳥が生息しているため、バードウォッチングスポットとしても有名です。

美女平⇒室堂~立山高原バス(50分)~

次はバスに乗って本日の第一楽しみスポットの室堂へ。
生い茂る立山杉とブナの森を横目に徐々に山を登っていきます。
バスの中でゆっくり一休みしようと思ったのも束の間、普段見ることのない可憐な高山植物に見惚れたり、剣岳や薬師岳をはじめとした標高3000mにも迫る、雄大な立山連峰の山々を眺めているうちにあっという間に時間が過ぎました!
観光ビデオも流れているので飽きがこず、寝る暇がありませんでした!(笑)

道中、樹齢1000年以上の立山杉のそばを通ったり、落差日本一の滝と称される『称名滝』(落差100m)を遠目で見たりと、とにかく楽しい!見どころできっちり徐行運転してくれるので、バスの中から観光してる気分を味わえます!
ただアルペンルートで最も長時間乗ることと、カーブがとても多く、人によっては乗り物酔いするかもです(^^;

弥陀ヶ原や天狗平を通過し、いよいよ室堂へ到着!の直前で、あの雪の大谷が!
4月中旬~6月下旬であればバスを降りて歩くことができるので、惜しかった…
高いときには20mにもなると言われていますが、今は大半溶けています。ただこの時期にこれだけ残っているのもすごいと思いました。

バスの車窓から見た雪の大谷 

室堂(2450m)


地上より-10℃ほどの気温で、この日は15℃。薄い長そで一枚くらいがちょうどよかったです。

石畳の上をてくてく歩く

みくりが池

個人的楽しみスポット1位のみくりが池。
約1万年前にできた火山湖。例年6月までは雪で水面が覆われていますが、
7~10月は雪が解け、藍色の湖が顔を出します。
この日は良く晴れたので水面に立山連峰の山々が美しく映り、
よく見る観光雑誌のような写真が撮れた!とおおはしゃぎ。(笑)
池を囲む雪の白と湖の深い青と山の緑のコントラスト。
想像をはるかに超えた、思わずため息がでるほどの美しさでした!!

みくりが池

地獄谷

みくりが池を後にして向かったのは、地獄谷。空に近い分、雲の流れがとても速いのと風が強い!!風に流れて硫黄臭がプンプン!火山ガス活動が活発なため、立ち入り禁止エリアとなっていますが、遠目から見える岩肌は迫力があります。

もくもく白煙をあげている、まさに地獄谷

室堂では運がよければ動物にも出会えます。
みくりが池でうろうろしていると野生のオコジョに遭遇!
まさか見れるとは、すばしっこすぎる!!
冬は白、夏は茶色い毛に生え変わるオコジョ。
茶色かったので一瞬リスかと見間違えました。

電光石火の素早さのオコジョ

また、今回会えませんでしたがライチョウもオコジョ同様、冬は白から夏は白と茶色の羽に生え変わります。ただ天敵がいない朝と夕方の出現率が高いということで、お昼間は難しそうです。

とにかく山が美しい

空気がとにかく澄んでいて気持ちよかった!!気温も寒すぎず丁度良かったです。
雪の解け具合も色鮮やかな緑も、目に映る景色全て最高でした!!
雄大な山々を間近でこんなに眺められるなんて、贅沢な時間でした。
ただたくさん階段を上り下りしたので、かなーり足腰が鍛えられました…!

お昼ご飯は富山駅で購入した鱒寿司!
『絶景を見ながら美味しいご飯を食べる』を長年やってみたかったので、叶って嬉しい!
多分上下逆?きれいなオレンジ色の鱒は下にちゃんといます(笑)

白と黒のとろろ昆布が乗っかっています。味はほぼ鮭。昆布の香りがいいアクセントになって上品でとても美味しかったです!!
新鮮な空気と美しい景色とともに富山の食を味わえて、格別でした!!

室堂⇒大観峰~トロリーバス(10分)~

次なる目的地、大観峰へは日本で唯一残るトロリーバスで。

トロリーバスは「バス」と呼ばれますが、実は「電車」の仲間。
普通のバスのようにタイヤで走行し、運転操作もハンドルを使用しますが電車線から電力の供給を受けて走ります。正式名称は「無軌条電車」で、法律上も「鉄道」に分類されているユニークな乗り物です。

『立山トンネルトロリーバス』HPより

ですが、今年の11月30日でラストランを迎え、来年からは電気バスに切り替わるそうなので、今年中にぜひ!!

見た目もいたって普通のバス

大観峰(標高2316m)

四方八方、山に囲まれた絶景スポット!!
このあたりの標高になると雪も積もっておらず、ひたすら緑が広がってます。ほんと目が良くなりそう(笑)
眼下にはエメラルドグリーンの黒部湖がちらりと見えます。

大観峰⇒黒部平~ロープウェイ(7分)~

700mほどの距離をひたすら下っていきます。
秋きれいだろうな…と思うくらい、うっそうと茂る森の上をロープウェイで駆け抜けます。

黒部平(標高1828m)

先程下ってきた大観峰を下から見上げることができます。熊注意の看板にびびりながら散策。
小さな庭園もあり、高山植物を楽しめます。
また、こちらは特に売店の品ぞろえが充実しており、長野と富山両方のお土産を買うことができます!

黒部平⇒黒部ダム~ケーブルカー(5分)~

ちょうど団体さんと鉢合わせし、ぎゅうぎゅう詰めになりながら乗車。
満員電車か…と思うくらいの人口密度でした。(笑)

黒部ダム(標高1470m)

ケーブルカーを降り、黒部湖駅に着くと、もう黒部ダムはすぐそこ。
自然を全身で感じながら遊歩道を歩いていくと毎秒10t以上の水量を放出する観光放水(写真手前)にかかる虹を発見!
こんなきれいで大きな虹、久しぶりに見た!と大興奮。

大きな虹がかかってきれい!

ついに、ついに!到着!!
小さい頃プロジェクトXを見ていつか行きたいと思っていた場所。
黒部川第四発電所、通称「くろよん」。
えん堤の高さは186mと日本一を誇り、総貯水量は2億トン。
圧倒的スケールのダムです。
こんなダムをこんな山奥に本当に人の手で作ったのかと疑うほど、とにかくでかいのです。
6月下旬から始まった観光放水もすさまじい水音と水しぶきを上げていて、
すごいの一言に尽きます。

間近で見るとより迫力が増す!!

戦後、高度経済成長期の関西地方の深刻な電力不足解消のために建設開始、様々な困難、自然の脅威、その過酷さゆえに「世紀の大事業」と呼ばれました。513億円もの工費と延べ1000万人7年の歳月をかけ、完成。

当時の様子を記録しているビデオを見て、何としても完成させるんだという熱い想いと底力を感じ、先人たちが繋いでくれたからこそ、今の豊かな暮らしがあるのだと胸に刻みました。

ここから黒部ダムを一望できる展望台まで、階段280段上ることに。
立山の疲労とちょうど気温も暑かったこともあり、登りきる頃にはへろへろになりました…(笑)
ふくらはぎが痛すぎる…
運動不足の自分を呪いつつ、一歩一歩登っていくと、やっとダムの全貌が現れ、アーチ状の美しさに感動!

この日はグリーンカレー色。ひーひー言いながら撮影

そして急いでレストハウスへ。
たくさん歩いたご褒美に。お目当ては木いちごアイス!!
濃厚なミルク感と爽やかな木いちごの甘酸っぱさが身体に染みる~!!
コーンの中までぎっしりアイスが入っていてとっても美味しかったです(^^)

黒部ダム⇒扇沢~電気バス(5分)~


途中黒部ダム工事最大の難所と呼ばれた「破砕帯」を通ります。
トンネルを掘る作業ではじめは順調に進んでいましたが、
ほんの80mですが、なんとここを突破するのに7カ月もかかりました。

摂氏4度という冷たい地下水と土砂が毎秒660リットルも噴き出した破砕帯。くろよん建設最大の難所でした。

『黒部ダム』HPより

冷たい水が大量に噴き出してくるなんて想像しただけで…

扇沢⇒信濃大町~路線バス(40分)~

ちょうど扇沢(長野県)に着いた瞬間、土砂降りに。
全部見終わった後でよかった~
お土産を見ながら40分ほどバスを待ちました。
路線バスと言っても、大きな遠足バスなので快適。
信濃大町駅を目指します。

更に信濃大町から1時間電車に揺られて、
この日の宿松本に到着!
ちゃっかり松本城をぐるりと観光し、終了!!

緑にライトアップされている松本城
なんだか幻想的

7月上旬平日だったこともあってか、立山も黒部ダムも比較的空いていました。
今回立山黒部アルペンルート通り抜け、トータル5時間近くかかりましたが、これでもだいぶ巻いて観光したので、まだまだ行けてないエリアもたくさんあります。
立山の山々も季節ごとに姿が変わり趣がありそうなので何度でも行きたい、そう思った場所でした!
一生に一度は行くべき!!

乗り物もたくさん乗り継ぎましたが、それぞれ特徴があったり、景色も楽しめたりとあっという間に過ごせました。バスなど基本的に定員オーバーでも増便してくれるので希望の便で乗れて、快適。とても回りやすくしっかりとした観光地だなと感じました。(繁忙期や土日は違うかもしれませんが…)

あとは外国人個人客が圧倒的に多かったです。日本人は団体さんでしかほとんど見かけず…。海外に来た気分にもなりました(笑)
外国の方々がみなさんどうやってここまで来てるのか、そこも気になってます(笑)

次の日に続く…

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