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世界で2番目に好きなキミへ

2021年3月16日、午前8時15分。
私たち夫婦に、待望の娘であるあなたが生まれました。

コロナの影響で夫や家族の立ち会いができなかった出産。私しか見られなかったこの日、この瞬間は一生忘れない、忘れてはいけないと思いました。

***

夫と私は臨月に入ってから、まだかまだかとそわそわ。夫は毎日のようにあなたが産まれた後のシュミレーションをしていました。

「子宮口どのくらいひらいてるかな〜、今体重どのくらいかな〜」
なんて考えていた39週の検診で、
「ちょっと成長がスローペースになってきたね。そろそろお産に入ったほうが良さそうだよ」
そう言われたのです。

誘発分娩のため、早々に計画入院が決定。39週6日に、私ひとりで入院しました。コロナで付き添いができないのはわかっていましたが、やっぱり心細かったのを覚えています。

でも、
「やっと、お腹の子に会える!!!」
というワクワクももちろんありました。
「産むことは私にしかできないから頑張ろう」
ただそれだけを考えて、久しぶりにひとりの夜を過ごしました。

予定日ぴったりの3月15日の早朝から誘発剤を打ち、陣痛室へ移動。その日は夕方まで薬を投与しましたが産まれてこず。相変わらずマイペースなようです。

3月16日。この日も早朝から誘発剤を投与しました。昨日とはうってかわってあれよあれよと強まる陣痛。2時間もかからないスピード出産!(マイペースなのかせっかちなのか、、、笑)2334gという小さな身体でよく頑張ってくれました。

そんなあなたは、私にとって世界で”2番目”に好きな人です。「順番をつけるなんてナンセンスだ」と思うかもしれません。でもあえて2番目ということにちゃんと意味があります。

1番好きな人はあなたのパパ。

パパがいるから、今この世界にあなたがいる。無事に産まれてきてくれたのは、辛かった妊娠期間を支えてくれたパパの協力があったから。パパは妊娠することはできないけど、私と同じようにあなたの存在を心から大事に思っている。
そんな意味を込めて、2番目に好き、と言いました。愛の大きさに差があるわけではありません。

***

「産まれたら娘に手紙を書こう」
パパとそう話していました。

大きくなったらあなたに読んでもらいたいのはもちろん、私たち夫婦のひとつのスタートを残しておくために。

この世界に産まれてまだ数時間。今日はあなたに初めて送る”名前”というプレゼントと共に、手紙を書くことにします。

***

2020年7月12日。
あなたがお腹の中にいるとわかったのは、なんとパパの誕生日でした。そんな偶然と、あなたがいるという奇跡が嬉しくて、泣いて喜んだ日。これが小さないのちの始まりです。

妊娠中は、本当にたくさんの事がありました。
終わりの見えないつわり。
緊急事態宣言後も収まらないコロナ。
妊娠がわかっても実家には帰れず。
ママはフリーランスになる、という怒涛の1年。

一概に穏やかとはいえないトツキトオカだったけれど、とても幸せな期間でした。時に弱音をはきながらも、お腹にあなたがいることが私を強くもしてくれた。

「産まれたら、こんな服を着せよう」
「公園デビューはいつかな」
「実家に帰ったら賑やかになりそうだね」
「この写真だと、唇はパパ似かな」
「ベビー用品はこれで全部かな」

遠いようで近い将来を想像しながら、毎日ワクワク。なんでもない日常が物語になりました。

大好きなパパといれるだけでも幸せなのに、お腹にはパパとの子であるあなたがいる。これほど尊く、幸せなことがあるのかと。

妊娠中、エコーの写真でしかあなたを見たことがないのに、もこもこっと、胎動を感じるたびに

「ただ、愛しい」

そんな思いで溢れていました。

それはもちろんパパも、おじいちゃんもおばあちゃんも同じ。無条件にあなたを愛してます。

生きているだけで素晴らしい。
何かと頑張りすぎるママに、そう教えてくれたのはあなたです。あの日、パパとママのところに来てくれなかったら、きっとこんな当たり前のことに今も気づかないままでした。
本当に、ありがとう。

"木村萌音(きむらもね)"

その小さないのちの始まりのような奇跡が、あなたとあなたの周りにたくさん訪れますように。
あなたの人生に、たくさんの希望の芽が出ますように。
あなたの個性を、目一杯伸ばせますように。

そんな想いを込めて、パパとママからこの名前を送ります。

私たちは、どんな時もあなたの味方です。
萌音のやりたいことは応援したい、背中を押してあげたいと思っています。

あなたは、あなたであればいい。

萌音らしく、個性を伸ばしていってね。
萌音の人生は他の誰でもない、萌音だけのものだから。

***

「萌音」

名前を呼ぶたび、私もその原点に帰れるような気がします。無理をすることがデフォルトで、パパに心配をかけていた私は、ママになってから変わりました。

これからもきっと、萌音には大切なことをたくさん教わるでしょう。

パパとママと萌音のペースで一緒に、成長していこうね。

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