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通学路で出会ったコンコンおばさん

駅まで歩く毎日の通勤時。
私と同じように駅に向かう人、はたまたすれ違う人。毎日たくさんの人を見かける。


いつも同じ時間に家を出るから、すれ違う人も、前後を歩いているのも、だいたい毎日同じ人。そんな見ず知らずの人たちをみたら、なぜか「今日もみんな頑張ってる!私も頑張ろう!」と思えるから不思議。



そんないつもと変わらぬ毎日、歩きながらふと思った。


コンコンおばさん、元気かな?




コンコンおばさんとは、私が小学生の頃、通学路で毎日すれ違ってた女性。
ヒールをコンコンと鳴らして歩いていたので、友人と私は"コンコンおばさん"と呼んでいた。
「カツカツ」ではない、「コンコン」というところが重要。



コンコンおばさんは、なかなかインパクトのある女性やった。真っ赤な口紅に、黒髪パーマ。毎日派手めなジャケットを着て、ヒールをコンコン鳴らして颯爽と歩く。


学校に向かう私たちと、恐らく駅に向かうコンコンおばさん。毎日すれ違うのは、橋の真ん中少し手前側。


遠目からコンコンおばさんを見つけて、「あ、コンコンおばさんや!」と友人と言い合う毎日。いつしか、どっちが先に見つけられるか勝負になっていた。
コンコンおばさんに会わない日があれば、「コンコンおばさん、風邪引いたんかな?」と友人と勝手に心配していた。


コンコンおばさんとすれ違うことは私たちの日課になっていた。


小学校を卒業して通学時間が変わったら、コンコンおばさんと会うこともなくなった。

あの頃、コンコンおばさんも今の私と同じように、毎日同じ時間に家を出てお仕事に向かってたんかな。気合を入れるために赤い口紅やったんかな。


今もまだ地元の街に住んでるんかな。
どこの誰かも知らないコンコンおばさん、どこかで元気に過ごしてたらいいな。


そんなコンコンおばさんを思い出した、週明け月曜日の朝。


ちょっぴり夏が恋しい、秋のはじまり。

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