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「2日目 辛味噌ラーメン」~おいしい山形旅行日記~

2021年11月。友人と一緒に4泊5日の山形旅行に行ってきた。山形は、評判にたがわず「おいしい」県だった。今回は、そんな山形旅行のお話だ。

※こちらの記事の続編になります。


二日目、ビジネスホテルの朝

おはよう。朝7時に目がパチリ。

1Fに降りパンが主役のバイキングを食べる。これぞ正しいビジネスホテル。好み的には和食がいいけど、旅してる感があるからこれも良し。



ワッフルをつまみながら一日のプランを考える。

本日のコンセプトは「やりたいことをやりたいままやってみよう」。今日は友人と別行動。だからせっかくだから本能のままに動いてみようかなと。山形市の街をやりたいままに歩いたらどうなるのか。結果は神のミソ汁。

さあ、パンフレットの市街地図を片手に出発だ!


街を歩こう

さあ、のんびり歩いていこう。山形駅周辺は明治時代に発展した街だ。そのため、しっかり古い建物が残っている。記念碑もある。

散歩していてわかった。歩くだけで心が躍る場所が多い魅力的な街だってことを。さらにうれしいのは、古い建物が「現役でしっかり活躍している」ってところ。


古くて立派な不動産、たよりになりそうなオーラが見えるぞ。


蔵が布団屋に!


今度はお城だ! と思いきや、中身は現役の皮膚科医院なのだ。


 歩いていると、気になる名前が目に入った。


新築西通りって名前の道らしい。


青空が広い心地よい道。ピンク色に塗られたおしゃれな変圧器にタイルの歩道。新しいマンションに小綺麗なお店。ふむふむ。たしかに新築っぽい。

5分ほど歩いただろうか。交差点にぶつかった。次はどこ行こうか。地図を広げるとピキーンと目に入る場所が。


新築西通りの右に新築東通りがあるではないか!


今、間違いなく道に誘われてる。道を右に曲がり、もう一度右に曲がる。さあ、新築東通りはどんな新築の家を見せてくれるかな。未知の土地でこんなに楽しめるとは。思わずスキップしたくなる。

角を曲がる。えっ。思わず足が止まる。


ふわっと香る昭和の空気。


「ジュース・タバコ・電話」と書かれた売店。錆びたトタンのガレージ。カエデのツルに覆われた味のある住宅。

そこにあったのは、昔ながらの街並みだった。どこ行った新築。


わたし、気になります

新築通りの東は新しいのに、西は古い。じゃあ新築ってなんだ? 気になる。時計を見る。11時半。まだ余裕はある。よし、決めた。次行く場所は――


図書館だ。


思うがままに旅行した結果、図書館に落ち着くとは。発見だ。自分でも新たな一面が見られたというか。

1時間調べた結果、新築の理由が見えてきた。分かったことをまとめよう。

  • 「新築東通り」「新築西通り」ができたのは明治時代。

  • 当時は高級住宅や官舎、公園があった。

なるほど。「新築」は明治時代の姿だった。ちなみにこれらの情報、ネットに書いてありました。せっかくだから街の郷土資料を当たってみたけど、あまり詳しい話を見つけられなかった。でも、うまくいかないところを楽しめるのも旅の醍醐味だよね。


昼食を食べよう

時間は13時すぎ。気づけば胃袋は空っぽ。さあ、街を堪能したし、そろそろおいしい山形を探しに行きますか。

山形駅に戻る。裏通りを歩くと香ばしい店が見つかった。


「みちのくの味」とな!


ラーメン屋か。昨日食べたのがさっぱりそばだったから、今ちょうど脂っぽいものが食べたい気分。よし、行こう。

扉を開ける。店内は古いけどきちんと手が行き届いている。目の前にはJの字のカウンター。右手には食券機。お客さんは2人ほど。オススメのネギ味噌ラーメンをぽちり。さあ、あとは待つだけ。わくわく。

「ラーメンと半チャーハンです」

5分ぐらいたっただろうか。ラーメンが来た。



あれ?チャーハン?どうやら平日は半チャーハンがサービスについてくるらしい。ということは営業日の半分以外はサービスがつく……ってこと⁉ これだけで心が温まる。

さあ、お味はと。ネギがピリリといい辛さ。これは癖になりそう。スープはこってりしすぎずあっさりしすぎずまさにちょうどいい。ラーメンにしては珍しく入ってるザーサイのコリコリ感がたまらない。ようは、普段食べるラーメンと微妙に違ってて食べてて楽しくおいしいラーメンだった。異文化感が味わえて満足だ。

さて、お次のチャーハンはと。気になるものが入ってる。紅ショウガか。紅ショウガって、焼きそばに入ってるけどチャーハンとの組み合わせは初めて見た。紅ショウガ少しとチャーハンをレンゲに乗せる。口に運ぶ。

思わず目を閉じた。紅ショウガとチャーハンが今、口の中でがっちり握手してる。脂のこってり感を打ち消す絶妙なショウガの風味。こんなに合うとは知らなかったよ。どうして誰も教えてくれなかったのよ。

山形、やっぱりおいしいよ。


地元民にも愛されるお店

「もつ煮とラーメンください。あ、ラーメン作ってもらうタイミングはこちらで言うんで」

恍惚としながら食べているとお客さんが近くの席に座った。常連さんっぽい。

もつ煮とサービスの半チャーハンを食べる常連さん。音が聞こえてくる。

「はふっはふっうまっうめえ……」

こんなおいしそうに食べる人っているのか。ちょっと離れていても漏れ出てくるおいしい幸せオーラ。これを見るだけでここに入店して良かった。そうだよね、チャーハン良かったよ。心の中で話しかける。

ごちそうさまでした。

「ここのもつ煮は絶品だね! ラーメンお願いします!」

常連さんの会話を背中に店を出る。次は、もつ煮をたのんでみます。


さらば山形市!

さて、時間は13時半。そろそろ時間だ。今日の宿泊地は蔵王温泉。そろそろ行かなきゃ。バスに乗り込んで席に座る。

目を閉じれば浮かぶのは古くて味のある街並み。地域の本であふれた図書館。昔ながらのラーメン屋。もっと調べたかったな。でも楽しかったしおいしかった。歩く回って心地よく疲れた身体に路面の揺れがしみ込んでいく。いつしか意識が薄れていった。

(「3日目 焼き納豆」へ続く)

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