ちょっと長い夏

​冷たい物が好き

冷蔵庫で冷えた水や、堅いチョコレート
冷房の効いた部屋、氷を入れためんつゆ、扇風機の風
夕方に少し開けた窓から入ってくる風、最近はかき氷も

だから、わたし、夏が好きだと思っていました。
夏になりたいなって

でも最近
夏の服が好きじゃない、暑く湿気た朝が憂鬱、湯舟の温度がなんかイヤ
冷蔵庫から出したお茶がぬるくなる、髪が鬱陶しい
っていっぱい思うんです

前にもnoteで夏の脚本を描きました。自分の好きな子が出ていた舞台から影響を受けて
とってもキラキラで涼しくて、何もかもなくなっちゃいそうな夏に生きている学生たちが妙にうらやましく感じて


でも今年、皆さんに届けたいものがあるから、友達とカメラと被写体の練習をしているのですが、写真を見てても夏服が似合わないんですよ

自分自身、冬服が好きなのもあるけど、客観的に見て夏の表情ができないんです。

インスタを見ていて、透明感のあるキラキラした写真やモデルさんの表情
空に溶けてしまいそうな儚い存在感。夏の日差しをも味方につけちゃう力強さ
軽くてフワフワしていて生を感じる写真

自分の表現力不足。それだけでは片づけられない、何か引っかかったんです。

よく考えたら、単純なことで

わたしはきっと

夏にあこがれているだけで、
夏にはなりたくないんだな

見ているだけでいい
水槽で泳いでるお祭りですくった金魚にはなりたくない
半袖半ズボンで汗を流しながら外には居たくない
恋人と手を繋いで「暑いね」なんてわかりきったこと言いたくない
水着を着てプールや海に入りたくない
虫も動物も多い中山に行ってバーベキューなんてしたくない
夏だからって言って、氷菓を食べたくない
キラキラしたことなんてしなくていい


ただ、柄にもなく風鈴なんか買って窓に飾って何もしない一日があればいい

引き籠り思想かもしれない
けどそれは夏に限った事じゃない

わたしは夏にはなりたくないし、夏に生きたくもない
他の季節と一緒、そこにいたい執着がない

なんの思いれもなく時間を過ごしていくだけ、それだけでいい

夏を、いろんな夏を見ていたい

お祭りの金魚を眺めていたい
冷房の効いた部屋からセミの声を聴いていたい
夏だからってバカみたいに友達とはっちゃけてる人のストーリーをみたい
日焼けしたって言う子の愚痴を聞いていたい
熱中症にならないように部活をする学生を眺めていたい
化粧崩れを気にして頑張る人を見ていたい

だから夏の被害者にはなりたくなくて
傍観者でいたい


そういう人が私の近くにいないかなって、
自己処理として書いてみた

私の今後描く夏の脚本は絵空事になっちゃうかもしれないけど
今日書いたこの内容も脚本も、誰かの好きになったらいいなって
思う


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