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推敲・校正・校閲の違いって?

近ごろ、自分の周り(いわゆる同人誌を作るオタクたちの間)でも「校正」についての情報が行き交うことが増えました。
しかしこの「校正」というやつについて、言葉の意味を取り違えてないかな…?と、気になることも多い印象だったため、この記事をしたためることにします。
なお、この記事は基本的に印刷会社で印刷物を校正していた経験にもとづき書かれています。

推敲・校正・校閲の違いって?

まずはこれ。記事タイトルにもしていますが、これらの違いを明確に説明できる人はそう多くないのではないでしょうか。
よく似たものとして類語のように扱われがちな3つの言葉ではありますが、似ていても違った意味合いを持ちます。

まず、推敲について。これについては理解できている人も多い気がします。
基本は『小説などを執筆した本人』が作品や文章の『語句や表現を再考し加筆修正していく』ことです。

次に、校正について。主に印刷業界で使われることの多い言葉ですね。
これは『執筆した本人以外』が作品や文章の『明らかな誤用や誤字脱字を指摘していく』ことです。

最後に、校閲について。印刷よりも出版業界に多い言葉かなと思います。
これは『執筆した本人以外』が作品や文章の『内容の矛盾や間違いがないか事実確認などをする』ことです。一見すると校正ともかなり近いのですが、以下に具体例を出しましょう。

具体例

たとえば、以下のような元文章があったとします。

背中の青いイチゴヤドクガエルが一体、飛び跳ねるよう去って行った。

仮にこれを推敲したとすると、以下になります。

背中の青いイチゴヤドクガエルが一体、飛び跳ねながら去っていた。

「飛び跳ねるよう」を「飛び跳ねながら」にしたり、「去って行った」を「去っていった」に開いたり(※漢字で表現できる部分をひらがなで表記すること)していますね。

この文章に更に校正を入れると、以下になります。

背中の青いイチゴヤドクガエルが一匹、飛び跳ねながら去っていった。

「一体」を「一匹」と、誤字ともとれる部分を正しく修正しています。また、「去っていた」というのも脱字だと判断できるため「去っていった」になっていますね。

更に更に、ここへ校閲を入れると。

背中の赤いイチゴヤドクガエルが一匹、飛び跳ねながら去っていった。

背中が「青い」から「赤い」に変更となりました。
ご存知の方はすぐに分かった部分かとは思いますが、イチゴヤドクガエルの背中は赤いです。そのように事実とは明らかに異なる間違った部分を修正するのが校閲といえます。

まとめると?

執筆者本人がする加筆修正→推敲
第三者がする誤字脱字修正→校正
第三者がする事実確認修正→校閲

とまあ、ざっくりこのように認識して差し支えないかと思います。
印刷会社に限定しての「校正」だとまた意味合いが違ってきますので、あくまでもこれは小説作品などにおいてのざっくりした意味合いだとご認識ください。

みなさまの作品づくりの参考になりましたら幸いです。


参考:
「校正」と「校閲」の違いって?~『校正基本講座』に行ってみた
https://www.synergy-marketing.co.jp/blog/calibration-basic-course

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