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毎日の選択の質を上げる プロコーチが教えるセルフコーチング5つのモデルと100の質問 vol.2 欲求フォーカス型セルフコーチング

こんにちは。ホリスティックコーチの佐藤草(さとうそう)です。
昨日からセルフコーチングの5つのモデルについてご紹介しています。

<セルフコーチングの5つのモデル>
A. 目標フォーカス型セルフコーチング
B. 欲求フォーカス型セルフコーチング
C. 感覚フォーカス型セルフコーチング
D. プロセスフォーカス型セルフコーチング
E. 俯瞰型セルフコーチング

昨日はセルフコーチングで手に入るものと、1つ目のモデルである目標フォーカス型セルフコーチングについてご紹介しました。

今日は他者との建設的な関わりを後押しする、欲求フォーカス型セルフコーチングについてご紹介します。

*各モデルに20ずつ、合計100個の質問もご紹介します。
5日目まで読んでくださった方には各モデルと100の質問をまとめたPDFプレゼントのご案内もいたします。

こんな人が書いています。

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1. 欲求フォーカス型セルフコーチングの概要

欲求フォーカス型セルフコーチングとは、自分自身の感情(Feeling)と欲求(Needs)に焦点を当てるコーチングです。

<欲求フォーカス型セルフコーチングの特徴>
・感情とそのおおもとにある欲求に注目する
・感情と欲求の理解を通じて自己理解を深めることができる
・他者への具体的なリクエストとしてアプトプットすることができる
<欲求フォーカス型セルフコーチングが有効な場面>
・他者とのコミュニケーションが上手くいかないとき
・「分かってもらえない」と感じるとき
・感情の処理がされずエネルギーの無駄遣いが起きていると感じるとき
・攻撃的にならずに相手にリクエストをしたいとき
・押し付けでもなく譲歩でもなく第三の案をつくりたいとき

2. 欲求フォーカス型セルフコーチングの構造

欲求フォーカス型セルフコーチングでは自分の持っている感情と欲求に注意を向け、他者との建設的な関わりをするための選択を後押しします

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<欲求フォーカス型セルフコーチングの流れ>
①観察をする
②感情を見つける
③欲求を明確にする
④要望を明確にする

①観察をする
評価や判断をせず、実際に起こっていることを観察する。

②感情を見つける
予測ではなく、まずは感覚をしっかりと感じる。
その上で、その元になっている感情を見つける。

③欲求を見つける
相手に対する文句や期待ではなく、「自分は何を必要としているのか」を見つける。

④要望を明確にする
相手に強要するのではなく、自分の要望として相手が選択・行動可能なことを明確にし、相手に伝える。

3. 欲求フォーカス型セルフコーチングの質問

①観察をする
・実際に起こっていることは何?
・どんなことが見えている?
・どんなことが聞こえている?
・自分の思い込みがあるとすると?
・まだ気づいていないことがあるとすると?

②感情を見つける
・今、私はどんなことを感じている?
・身体のどのあたりにどんな感覚がある?
・この感覚は何を伝えているんだろう?
・この感情の名前は何だろう?
・今の本当の気持ちは?

③欲求を見つける
・今私が必要としていることは何?
・今満たしたいと思っていることは?
・今足りないものは何?
・手に入れたいものは何?
・本当はどうなりたい?

④要望を明確にする
・誰にリクエストをしたらいい?
・具体的に何をして欲しい?
・自分では満たせないことは何?
・私は何を受け取りたい?
・要望をシンプルに言うと?

<欲求フォーカス型セルフコーチングのポイント>
・事実と評価を分ける
・感情のボキャブラリーを増やす
・ニーズのボキャブラリーを増やす
・要望は相手が明確に行動として行えることにする
・他者の感情と欲求に焦点を当てることで、意見や認識の違いを乗り越えることにも活用することができる

4. 欲求フォーカス型セルフコーチングの限界

<欲求フォーカス型セルフコーチングの限界>
①事実と評価や自分の欲求と相手への不満がごちゃまぜになるなど、自分の癖に気づけない場合がある
②「感じない」習慣がついていると自分の感情が捉えづらい
③本当の欲求を認めたくないなどさらなる内面的な課題に対処できない
④欲求のおおもとにある価値観や経験まで掘り下げないため、他者と合意や共感に至れない場合もある

①事実と評価や自分の欲求と相手への不満がごちゃまぜになるなど、自分の癖に気づけない場合がある
私たちは普段、無意識のうちに事実と評価がごちゃまぜになったり自分の欲求ではなく相手に対するの文句や期待を言葉にしたりしています。自分がそうなっていることに気づかないと適切な要望をすることも難しくなります。

②「感じない」習慣がついていると自分の感情が捉えづらい
私たちは、たくさんの情報や刺激に囲まれる中で感覚を鈍感にすることが身についています。「今この瞬間感じていること」を言葉にできない人も少なくありません。感じることができないと感情を捉えることも難しいです。

③本当の欲求を認めたくないなどさらなる内面的な課題に対処できない
欲求に対して「こんな欲求を持つのは良くない」と言った価値づけがあると、自分の欲求を認めることが難しくなります。その根本にはこれまでの経験等が関係していることが多く、ひとりでは対処が難しい場合があります。

④欲求のおおもとにある価値観や経験まで掘り下げないため、他者と合意や共感に至れない場合もある
同じ欲求でもその根底には固有の経験があります。しかし人は自分ではそれが自分固有のものであるとなかなか気づくことができません。自己に対する掘り下げが十分でないと、他者の価値観との擦り合わせが難しくなります。

参考:『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版』
マーシャル・B・ローゼンバーグ著

他者とより良い関係を築く土台となる欲求フォーカス型セルフコーチングについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

もっと知りたいことやご質問などありましたらコメント欄もしくはこちらのフォームからお知らせください。

*ご質問に関する回答を直接受け取りたい場合は、お名前とメールアドレスもご記入ください。(ご希望がなければ不要です)

次は、より本質的な変容を後押しするために無意識の領域にアクセスする感覚フォーカス型セルフコーチンングをご紹介します。

Integral Human Science Lab では、持っている力を発揮するための取り組みなどをご紹介しています。よろしければこちらのサイトもご活用ください。

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Illustrated by HISAKO ONO

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