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毎日の選択の質を上げる プロコーチが教えるセルフコーチングの5つのモデルと100の質問 vol.4 プロセスフォーカス型セルフコーチング

こんにちは。ホリスティックコーチの佐藤草(さとうそう)です。
先日からセルフコーチングの5つのモデルについてご紹介しています。

<セルフコーチングの5つのモデル>
A. 目標フォーカス型セルフコーチング
B. 欲求フォーカス型セルフコーチング
C. 感覚フォーカス型セルフコーチング
D. プロセスフォーカス型セルフコーチング
E. 俯瞰型セルフコーチング

各モデルに20ずつ、合計100個の質問もご紹介します。

昨日は3つ目のモデルである感覚フォーカス型セルフコーチングについてご紹介しました。

今日は思考や感情のプロセスに注目し、無意識に起こる反応を変化させる、プロセスフォーカス型セルフコーチンングをご紹介します。

こんな人が書いています。

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1.  プロセスフォーカス型セルフコーチングの概要

プロセスフォーカス型セルフコーチングは、自分の思考や行動・感情のプロセスに焦点を当てるセルフコーチングです。

上手くいかないときのパターンなどを見つけ、無意識に反応が起こることや習慣となっていることを新たなパターンに置き換えていきます。

<プロセスフォーカス型セルフコーチングの特徴>
・自分自身の感情や感覚、反応が起こるメカニズム自体に着目する
・自動的に起こっている反応を変えることができる
・そのときの状況に応じて「どの部分を変えるか」を選択することができる

<プロセスフォーカス型セルフコーチングが有効な場面>
・やるべきことややり方は分かっているのになぜかできないとき
・「○○のときはいつも●●になる」など、自分の反応パターンがあるとき
・自分自身のメカニズムについてもっと知りたいとき

2. プロセスフォーカス型セルフコーチングの構造

プロセスフォーカス型セルフコーチング では、トリガーとなることの捉え方(A)とその結果起こること(B)、さらにそれらに対する意味付け(C)に注目し、A・B・Bのどこかを変化させます。

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<プロセスフォーカス型セルフコーチングの流れ>
①起こるものごとのプロセスを明確にする
②トリガーの捉え方を変える
②反応を選択に変える
④プロセス全体の意味付けを変える
*①のあとに②③④のいずれかを行う

①起こるものごとのプロセスを明確にする
「AのときにBが起こるとCのように感じる」など変えたいことが起こる状況やその流れを明確にする。例:上司に険しい顔で指示をされると(A)、思わず何も言えなくなって(B)、そんな自分がダメだなと思う(C)

②トリガーの捉え方を変える
「A」という状況を冷静に見つめ、これまでとは違う枠組み(A')で捉えてみる。例:上司に険しい顔で指示される(A)→眉間にシワが寄っている・語気が強い→真剣に伝えようとしている(A’)

③反応を選択に変える
「A→B」と自動的に起こっていた反応を「A→B’」と意図的に切り替えるようにする。例:上司に険しい顔で指示される(A)→「伝えたいことは何だろう」と考える→「こういうことでしょうか」と確認してみる(B')

④プロセス全体の意味付けを変える
「AのときにBになる自分」に対して、今とは違う意味付けを考えてみる。例:何も言えなくなる自分→相手の言うことを素直に受け止めようとしている・言われた通りではあるがその中で工夫をしようとしている(C')

3. プロセスフォーカス型セルフコーチングの質問

○○のとき●●になるのが■■だ(変えたい)という場合
例:部下が仕事ができない様子を見るとつい口を出してしまうのが嫌だ

①プロセスを明確にする
・具体的にどんな状況でそうなる?
・どうやって○○は●●の原因になる?
・○○と●●の間をコマ送りにするとどうなる?
・●●になる直前には何が起きている?
・○○が起こらないのはどんな状況?

②トリガーの捉え方を変える
・強調されているのはどんなところ?
・今とは別の場所にピントを合わせるとどうなる?
・改めてその様子を遠くから見るとどんな風に見える?
・相手から見るとあなたはどんな風に見えている?
・新しいイメージに名前をつけるとすると?

③反応を選択に変える
・●●の代わりにどうしたい?
・そのときは何が目に入る?
・そのときは身体はどんな感覚?
・●●の代わりに複数の選択肢があるとするとどんな選択肢がある?
・●●が起こる直前に新しいコマを入れるとするとどんなコマを入れる?

④起こることへの意味付けを変える
・○○のときに●●になることで手に入っているものがあるとすると?
・○○のときに●●になることを相手はどう思っている?
・「■■だ」と感じるということは何を大切にしたいということ?
・この経験は後で振り返るとどんな意味や価値がある?
・この経験が教えてくれていることがあるとすると?

<プロセスフォーカス型セルフコーチング のポイント>
・プロセスを明確にするときは5W1Hを活用
・プロセスは細かくコマ送りにするようにイメージする
・事実と解釈を切り分ける

4. プロセスフォーカス型セルフコーチングの限界

<プロセスフォーカス型セルフコーチング の限界>
①トリガーとなるものに解釈を加えずに見ることは難易度が高い
②プロセスを明確にした後、何を変えるかによって手にするものも違う
③反応を変えるには言語だけでは難しい場合もある(身体的なアプローチや視覚化などが有効)
④捉え方や意味付けは自分が今持っているものにとらわれる場合がある

①トリガーとなるものに解釈を加えずに見ることは難易度が高い
私たちが「見えている」と思っているものの80%は記憶や思い込みの処理が混ざっていると言われています。自分がこれまで事実だと思ってきたものを新鮮な目で見ることは意外と難易度が高いです。

②プロセスを明確にした後、何を変えるかによって手にするものも違う
例えば反応を選択に変えた場合、これまで起こっていた課題は解決されます。一方でトリガーの捉え方やプロセス全体の意味付けを変えると問題は解消されます。解決と解消、どちらがいいかは状況によって判断が必要です。

③反応を選択に変えるには言語だけでは難しい場合もある(身体的なアプローチや視覚化などが有効)
反応は普段、無意識のうちに起こっています。それが強く体に染み付いたものである場合、視覚的なイメージを活用したり、身体的なアプローチを用いるなど専門家の助けが必要になる場合があります。

④捉え方や意味付けは自分が今持っているものにとらわれる場合がある
反応と同じく、捉え方や意味付けも無意識に私たちが身につけているものです。自分にとって当たり前なことはそれを客観的に捉えるのが難しく、それが自分固有のものであることにさえ気づかない場合があります。

参考:『心が思い通りになる技術 NLP:神経言語プログラミング
原田幸治著

思考や感情のプロセスに注目し、無意識に起こる反応を変化させるプロセスフォーカス型セルフコーチンングをご紹介介しましたが、いかがでしたか?

もっと知りたいことやご質問などありましたらコメント欄もしくはこちらのフォームからお知らせください。

*ご質問に関する回答を直接受け取りたい場合は、お名前とメールアドレスもご記入ください。(ご希望がなければ不要です)

次は、多様な視点を持つことを促す俯瞰型セルフコーチングをご紹介します。

Integral Human Science Lab では、持っている力を発揮するための取り組みなどをご紹介しています。よろしければこちらのサイトもご活用ください。

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Illustrated by HISAKO ONO


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