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あわいにインタビュー① ドラマトゥルク 眞鍋隼介さん〈前編〉

誰ひとりとして、全てを見渡すことのできないダンス公演『あわいにダンス』。観客は、ここでどんな時間を過ごすのでしょうか。一人一人の見聞記はまったく異なるものになるでしょう。そんな捉えどころのない『あわいにダンス』を、メンバーの言動から紐解くインタビュー・シリーズ

1回目は今公演のドラマトゥルク 眞鍋隼介さんにインタビューしました。
今回、眞鍋さんは、アトリエKOMAからダンスボックスまでをツアー形式で歩くパートを主に担当しています。 <前編>と<後編>にわけてお届けします。
<前編>は、ツアー形式でまちを歩くパートのお話を皮切りに、今公演の内容に迫っています。

────ツアーコンダクター(以降「ツアコン」と表記)の皆さんとのリハーサルは、結構進んできていますか?

眞鍋:そうですね、今のところ、わりと順調に進んでいると思います。

街歩きの様子

────昨日(2023年1月14日)はどんな内容のことをされたのでしょうか?

眞鍋:昨日は 3 名の参加でした。集合場所(アトリエKOMA)から劇場(ダンスボックス)まで、4 つのコースがあります。約1 週間前に、みんなが同時に出発して、各々のツアーの様子を録画してもらいました。昨日は、みんなで各ルートの録画を見ました。自分のルートはわかるけど、他のルートはわからないって人がいたので。みんなで一通り見て、意見を言い合ったりしたって感じですね。

────今回、ツアコンの方が全部で12人いらっしゃいます。自分の担当のルートを案内しながら進んでいくということですね。ルートはどうやって決めたのですか?

眞鍋:「ブラインド・ウォーク」という、目を隠して、街を歩いて、触れたものに対してタイトルをつけていくという小松菜々子さんのワークショップの方法があります。それを駒ヶ林エリアや商店街で、小松さんとツアコンの方々と一緒に行いました。

ブラインド・ウォーク

────視覚情報を遮断して、街を感じていくのですね?

眞鍋:はい。そこで見つけた面白いもの、違和感のある場所とか、「これって何でここにあるんだろう」というような、普段歩いていたらあんまり気づかないようなポイントとかを探し出します。そして、触れたものや触れたときの感覚に、タイトルや名前をつけていきました。それらを集めながら、劇場に着くまでのルートを決めました。大体25分ぐらいを目標にしているので、それを計算して4つのルートに分けています。

────劇場についてからも、ツアコンの人々が案内するような内容になるのでしょうか。

眞鍋:いま、小松さんと話している中では、劇場に着くのがゴールではなくて、ツアーの延長線上に劇場がある、つまりその道中に劇場があるっていう感覚です。なので、小松さんは、ダンスボックスで流れている日常のようなものを見せたいと考えているのではないかと思っていて、ダンスボックスの歴史とまでは言わないですけど、そこに集まってきた人々や置いてある物を、みんなでツアーしながら見ていく。でも、いわゆるツアーではなく、例えば、劇場に着いたら、誰かが歴史の話をして、劇場の中を見せて……というようなことではない、ちょっと違う視点でダンスボックスを見られたらいいなと思っています。

<後半>に続く→

眞鍋隼介
主に舞台芸術に関わる仕事をしている関西在住のフリーランサー

イラスト:小松菜々子


公演情報はこちら

『あわいにダンス』
日時:2023年2月4日(土)・5日(日)
集合場所:アトリエKOMA(〒653-0043 兵庫県神戸市長田区駒ケ林町2丁目2−3)
詳細は下記の記事をご覧ください。


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