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山形名物 花膳


2023年10月1日に行われたJ2リーグ第37節 モンテディオ山形戦に立ち会うため、再びやって参りました。昨シーズンの最終節(2023/10/23)、PO進出を賭けて、我ら徳島は山形に乗り込んだんよね。結果は0-3の完敗。涙を飲んだ苦い思い出が記憶に新しい。その時、前泊した際に、飛び込みで訪れたのが花膳さん。どの料理も美味しかったことを覚えていて、今回はちゃんと予約を入れてからお邪魔した次第。では行ってみよう!

純米吟醸 出羽燦々

出羽燦々

今回は日本酒一本勝負。まずはこれ。原料が「出羽燦々」というお米。辛口ではあるけど、旨みとキレがほどよくバランスされて、すっきりした味でした。お皿にまけまけいっぱい注いでくれるところもポイントです。とてもいいスタートを切れたと自画自讃。さらに、お伴に選んだアテが最高だった。

鯉のうま煮:
「鯉こく」や「鯉のあらい」は知ってるけど、これは鯉の輪切りを、酒・醤油・砂糖で甘く炊いたもの。いやあ、これは美味い。癖とか臭みは一切なし。古来、貴重なタンパク源として、米沢地方で養殖されていたみたいですね。晴れの日に出される高級品だったみたい。これは是非、辛めのお酒と一緒に食べて貰いたい。由緒正しい山形の郷土料理よね。

赤かぶ漬:
お漬物は保存食という側面が強いけど、これはまあみずみずしい。噛む程に、旨みが湧き出てくる感じ。そしてシャキシャキ。これも辛口のお酒と合わせると、お口のなかに幸福が広がりますよ。ここに来たら、これも是非スターターに加えてやって欲しいです。

純米酒 魔斬

魔斬

辛口の続きで「魔斬」を頂く。美山錦という山形産のお米が原料みたい。辛いんだけど、深い旨みとスッキリした喉越しで、ごくごくイケる。研ぎ澄まされたお米の味もさることながら、水の旨さも感じることができる。奥羽山系の冷水を最上川が運ぶ。里山の酒蔵で仕込まれたお酒は、米どころ山形の自然そのもの。日本酒は奥が深い…

芋煮:
お店では「いも煮」と書かれています。これも有名な山形の郷土料理。里芋、牛肉、ネギ、エリンギ。あっさりとした出汁に肉の旨みが染み出して、絶品です。雪国だから塩味たっぷりと思うなかれ。実にあっさりとしていて、お出汁を飲み干してしまうくらい。普段、根菜類は控えているんやけど、山形の大地の恵みをたっぷり吸った里芋を頂くべし!

芋煮

いちじくの白ワイン煮:
まさにコンポートなんだけど、大ぶりの「いちじく」えっとぶりに食べました。飾らず、まるごと口に放り込んで、ぎゅっと滲み出てくる甘みに震えるべし。甘さを堪能したら、そこに辛口の魔斬を流し込む。甘さと辛さ。両極のうま味。写真では明暗差のことをダイナミックレンジ(カメラ業界ではS/N比とも)と謂うけど、フルサイズ級の幅の広さ。これ大人の酒の肴ですよ。遊び心たっぷり。ウチで言うと、児玉駿斗のキラーパスみたい。そこにスルーパス出すんかい!みたいな意外性が最高!

いちじくの白ワイン煮

純米吟醸 あら玉 愛山

あら玉 愛山

ここで少し甘めにスイッチ。ギアを変える。「愛山」というお米から仕込まれた「あら玉」。華やかな感じ。フルーティーで、滑らかな喉越しの味わい。とてもいい。家に一升瓶を備えておきたいくらい。これには、メインディッシュの肉類を合わせて、一気にフィニッシュに持ち込む。西谷和希のキレのあるドリブルからの華麗なシュートの如く。切り裂け 西谷 アレ!

山形牛のタタキ:
この霜降りを見て欲しい。きれいに入ったサシ。赤身とのバランスもよし。炙り具合とレアな感じもまたいい。これ、まったくむつこくないんですよ。ペロッといける。わさび or しょうがに、付け合せのネギを添えて、最後は醤油をひと垂らし。これにはね、辛口よりも甘口のお酒が合うと思うの。白飯の代わりに米汁を口に流し込みガツガツいく感じ。「あら玉」の豊穣な酒精とよく合いますわ!

山形牛のタタキ

山形さくらんぼ鶏:
さくらんぼの果汁、飼料米で飼育された地鶏。プリプリで、ジューシーです。阿波尾鶏と比べると、脂質がちょっとだけ少なく、その分、身が締まった感じ。これも遠慮せず、まるごと口にほうばるべし。徳島県民なんで、レモンじゃなくて、すだちが欲しかったけどね~。口に広がる華やかさが、「あら玉」と融合して、その相乗効果たるや。ニコニコして、思わず隣席の女性二人と会話してもうたわ。幸せって伝播していくもんね。ちなみに、美女二人連れは演奏会で山形に来ていたそう。山形って常設のオーケストラがあるんですね。ルネッサンス!

山形さくらんぼ鶏 からあげ

モンテディオ山形

酒も肴も豊かな味わい。いつの間にか、大将と話し込んでいた。モンテディオとは、「Monte」(山)と「Dio」(神)を掛け合わせた造語。山々の神という意味らしい。郷土の霊峰・出羽三山へのオマージュ。雪深いけど、その分、米も水も酒も美味い。会計が終わった後も話しが弾み、「もう一杯飲んでけ~」とさらにお酒を呑ませてくれた。

大将、女将さん曰く、「辛口の酒を造るのはさほど難しくない」「本当に難しいのは甘口の酒」「米や水の旨さを如何に引き出し、舌の上で表現するか」「キレを出しながら、酒本来の甘さを楽しむ」のが酒造りの真髄だそう。ただ米を研ぎ磨くだけでなく、水や麹を配合しながら、豊かな味わいを設計する。そう解釈しました。何やら地方創生を唄うJリーグクラブの強化・育成方針にも繋がる「深~い」話しを聞けました。そうなんよね。地元らしさを体現してこその徳島ヴォルティスよ!

モンテディオはプレーオフへ。ヴォルティスは必ず残留し、同リーグならば、また必ずくるけんな。そして、僕と同郷の小西雄大をどうかよろしくと言い残し。互いの健闘を約束して、ホテルへ戻った。最後まで笑顔で手を振ってくれるお二人が素敵すぎた…

因みに、これだけ飲み食いして、お会計は9,845円でした(消費税込み)

翌日の試合は、幸いなことに我ら徳島がウノゼロで勝利。天童南駅から山形駅へ奥羽本線で帰る途中、車中で会話した地元サポさん曰く、花膳さんは昔からある居酒屋さんだそう。美味しい郷土料理を出す老舗よと太鼓判を押してくれた。見ず知らずの土地で、素敵なお店に出会えた喜びよ。胃袋が幸せで満たされ、楽しい会話に心が癒され、ありがとうございました。来年また来るけんな。そして、モンテディオ山形の健闘を祈ります!

山形郷土料理 花膳

今回の写真は、
Shot with OM-D E-M1X + M.ZUIKO ED 20mm F1.4 PRO

注意

掲載した写真は、特に断りのない限り、すべて私が撮影したものです。目的の如何を問わず、無断使用、二次利用を禁じます。よろしくお願い致します。

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