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外国語を磨くよりも大切なコト:自分軸

海外で暮らして、現地校の教育と文化を目の当たりにすると、英語力以上に私たち日本人が身につけると良いのは「自分軸と自己主張(スキル・性格)」だと実感します。

「あなたはどう思う?」と聞かれることが、海外では日本よりも多いと感じる人は多いと思います。それが大切な社会なんだと。

自分はどう思うか。どう感じるか。好き?そうでもない?

でも、「あなたは?」と聞かれて、「あれ、私はどうなんだろう?」って思っちゃう人も、多いんじゃないかな。

時事問題についての意見だとか、そういうおカタい話だけじゃなくてね。

「自分軸」を持つとか、自分を基準に考えることがあまり得意じゃないというか、そういう習慣があまり私らジャパニーズにはないんですよね。少なくとも、海外の方と比べると。

なんでかなぁ、と考えてみると、
まず、日本は島国。歴史的に見ても、他国と比べて外の世界や国に対して自分のことをアピールしたり、守ったりする必要性が相対的に低かったという背景が要因にあるかもしれません。

自分よりも、周りを見る。考えるよりも、覚えてマネをする。それが大切だし、それで上手くいく、そういう私たちだったのではないでしょうか。

あとは、「出る杭は打たれる」なんて言葉もありますね。目立つ(自己主張する)と、立場が不利になるような空気感もあったり。

そんな国から英語を学びに来ている日本人の留学生はほとんど最初、カナダで戸惑います。

伝えるための語学力の前に、伝える中身がない・何を言っていいのか分からない…自分の意見が(わから)ない。
これは、日本の教育法と、文化、育て方から来るのだと思います。

でも、そうは言ってられない時に来ているように感じます。鎖国の江戸時代は大昔に過ぎ去り、明治、大正、昭和、平成、そして令和の今。
自国の利益を守るために日本に迫りくる海外諸国。
日本に押し寄せる外国人とその文化。ご近所さんやクラスメイト、同僚の中に外国人が当たり前にいる、そんな状況がこれからますます顕著になるでしょう。

そういった、入ってくる異文化に対して備える一方で、
日本人ももっと海外に出ていく必要性が高まっているのではないでしょうか?
人口が減り市場規模が縮小されていく将来を考えると、日本だけで完結せず、
海外にもっとアピールして利益を掴みとりに行く時代がくる。ビジネスでも政治でも、海外でもっと上手くやっていけたら、ものすごくメリット。むしろそれができないと、きっと損をする。

そんな国際的な処世術が不可欠になっていくなか、日本の教育やシステムはその近い将来を念頭に行われているでしょうか?

日本以外の多くの国は、「周り」ではなく「自分」が中心の文化で成り立っている。むしろ、自分のことが伝えられないと、コミュニケーションが成り立たない。まずビックリされ、それで済めばいいけれど、それだけでなく、ナメられたり、一人前としてみなされないことも。(こっちは子どももしっかり自己主張するし…😅)

外国語が操れても、それは伝える中身=自分軸があるからこそのツール。
私は何を伝えたい?どう感じてる?どう思う?
「自分」を消して周りに合わせるのではなく、自分の意見を発信し、周りに聞き入れてもらうために言葉がある。私は海外暮らしでこの「自分軸」の大切さに気づきました。

特にこれからは切実に、必要です。

「己」がない人や国は埋没し、流され、従うだけの立場でいるしかなくなりそう。それでハッピーならいいけど、私たち日本人にも、自分の感情や意見を土台として守りたいもの、手に入れたいものがあるはずと思います。

それから、伝えたいことを伝えるための力。力というより、勇気というか、、英語で言うとassertiveness (自己主張)という性質。

その逆な私たちは、混み合ったカフェで飲み物を注文したくても、声が小さくて店員さんに気づいてもらえない、みたいな。(実際、スペインでありました。。周りの人の声がマジでデカくて)

一方、こちら北米の学校や文化では、自分の中身を充実させ、周りに伝える方法を磨くスキルや機会が小さな頃から与えられます。

外から一方的に与えず、自分で調べ、考え、人に伝える技術を身につけられような教育が行われています。

日本人は、そういう教育を受けてきた人たちと過ごしたり、時には議論したり、はたまた、「やり合う」ことになります。

日本人の教育は、まだ暗記型ですよね…入試も。
暗記じゃなく、その知識や情報をどう活かし、何を考え、どう人に影響を与えるかを身につける方が、生きるのに役立つと思いませんか?特にこれからは。

英語は自分を伝えるツールにすぎない。ただ、大切なツールの一つ。
英語がわかれば、まず自分で世界中の情報にアクセスできるようになる。
色んな情報は、考える際に判断材料にもなります。

言葉を学びながら「視野を広げ、自分なりの意見を持ち、異文化の人たちとの交流で堂々と伝えられる」人が増えてほしい!
というアツイ思いを胸に、私もレッスンでは意見を言い合う機会をなるべく作るようにしています。

TOEICのスコアアップは、短期的には受験や就職や昇進に必要とされるとしても、英語を学ぶ真のゴールではありませんよね。

日本人って、まだまだ海外の人から一目置かれた存在だと感じるんですよー。
良いイメージなんです。
だから口を開けば、「ほぉほぉ!」って聞いてくれると思います。
(ほぉほぉ、とは言わないか。。たぶんじーっと聞いてます。笑)

普段の生活から、自分も相手も
Speak your mind!I think / feel ●●.  What about you?
を言い合う空気を作りませんか?

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