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avenir'e座談会〜江藤みなみ×谷川大吾×平井寛人〜

avenir'e活動一周年を記念して始動した座談会。
四組目は江藤みなみ、谷川大吾、平井寛人。
俳優部として1st、2nd createに参加し、avenir'e内外を問わず積極的に活動の幅を広げる江藤、昨年は大学に通いながら俳優部として1st、2nd、3rdcreateに出演し、学内での演劇活動にも活発に参加している谷川、そして4th createでメインディレクターを担当し、外部では演出に限らず、俳優や様々なスタッフワークで多方面の作品に参加し続けている平井。
三人が一年を振り返ることで捉える、avenir'eの現在地とこれからとは。

集団は難しい、というか他人が難しい(平井)


江藤みなみ(以下、江藤)
:うちら多分一番へんてこりんな3人が集まったって言われてますよね。

谷川大吾(以下、谷川):はい(笑)

江藤:自覚あります?(笑)

三人:(笑い)

タイミングよく小雨が上がり、爽やかな空気が漂う公園で行われた座談会

江藤:平井さんとか個性的って言われるタイプですよね。常に。

平井寛人(以下、平井):常に…!?あんまり面と向かっては…。言われますか?逆に。

江藤:言われます。

谷川:僕も言われます。

三人:(笑い)

平井:じゃあ、今日は個性的なお二人と。

江藤・谷川:いやいやいやいや(笑)

江藤:今日、なんかみんなのルーツとか聞いてみたくて。

谷川:ルーツ!?

江藤:え、変かな(笑)aveni’eってなんかルーツが違う人が集まってるよなって思ってて。なんかポコポコしてるなーって。

平井:はいはい、ポコポコしてますね。

江藤:面白いのはもちろんなんですけど、難しさも感じるんですよね。団体の在り方が新しくって、劇団でもないから一人のカリスマが先導するって訳でもないし。
うまく個性を調和?させていくには2年目どうやっていけばいいんだろうな~みたいな。

谷川:なるほど、それを個性派三人が語ろうみたいな。

江藤:そうそう(笑)集団って難しくないですか?やっぱり。

平井:集団は難しいですよ、というか他人が難しい。

江藤:あー、でもそういうこと感じているのかなって4th見て思いました!リズム7とか観て。

平井:ずっと思ってます。他人は難しい。察せても乗りたいかどうかというか。

江藤:察せても乗りたいか?

平井:人と合わせたいかどうかとか。無理に合わせると辛くなるし。リズムとか無理やり合わせるとね。いろんな人がいますしね。
例えば殺人鬼とかいろいろ資料が出てて調べれば、人となりとか背景とかわかるけど、わかったからどうこうという話でなかったりとか。どう共存するかということに興味はあるけど。

江藤:そうですよね。あくまでもみんな他人ですしね。なんというか世の中、個人主義が進んでるじゃないですか。
良いことでもあるんだけど、個人主義と利己主義は違うし、みたいなこと考えてて。良い個人主義が続けばいいなというか。

谷川:僕はそれで言ったら、自己プロデュースの仕方が難しいなというか。avenir’eの俳優としての広報の仕方と、僕の周辺がうけてる僕の印象というか表現はまた違うんだろうなというか。そこに難しさを感じているかもしれない。

江藤:集団の中での谷川大吾の発信の仕方と個人としての谷川大吾の発信の仕方ってことかな?

谷川:集団としてのスタンスと個人としてのスタンスみたいな。

江藤:そこの折り合いは私もちょっと難しいなって感じることはあるかも。もちろん現段階の江藤みなみのスタンスなんだけど、これからまた変わるかもしれないけど、最近はよろしければ精神でいるかもしれない。
個人の主義主張がある時代で好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、見たいものは見たい、見たくないみたいなのって絶対あると思うし、そこで、もしよろしければ精神。

平井:全然あると思います。いろんな団体が問題起こした時に、観に行くことも加害性があるんじゃないかみたいなことになって、表に出てないだけで(演劇が)良くないことをやっているかもしれないってなってお客さんがサーっと少なくなった時に、安全性を担保した形で公演をしますという信頼性を確保して、加害的な団体じゃないところの演劇を観たいという人は観に来てくれると思うから、そういう意味ではavenir’eの存在はでかいと思うんですよね。

江藤:確かに。もちろんね、安全性が担保された中で質がいい面白い作品を作っていきたい。そして、よろしければみたいな。

平井:面白いというのはやりがいがあるという感じ?自分たちがこれは届けたいぞって思えることということ?

江藤:そうですね。

平井:それを作ってバスりたいというより…。

江藤:そうですね、もしかしたら私はバズりたい感覚があまりないのかもしれない。ん?脱線してきた?

平井・谷川:いやいやいや(笑)

透明になったからこそ箱がカラフルになっていけばいい(江藤)


江藤
:なんかaveni’eは箱?みたいな感じかなって思ってて。

谷川:おお!箱!

江藤:え、違うかな。

平井:いや、イメージとしては箱として捉えられるかもしれない。

江藤:で、開けてみたらこんな面白い人たちが入ってるよみたいな、イメージ。んで、その箱がもうちょっと透明になればいいなというか。
届き方として、今は開けてみないと中身がわからない箱なのかなって思ってて。
例えば今は白塗りの安全ですって書かれた箱がポンっと渡されてるのかなって。その外枠の箱をもっと透明にしていきたい。
そしたらもっと中にいる人達が見えてきて、透明になったからこそ箱がカラフルになっていけばいい。

谷川:なるほど~。

江藤:って今は話ながら思いました。おお!なんか思考がクリアになった!!(笑)
2年目は箱を透明にして中の私たちの色が、もっとくっきりはっきり届いていったらいいのかな、みないな。

平井:うんうん、いい話。なんかすごいわかる。

江藤:今の話分かりやすかったくないですか!?

三人:(笑い)

谷川:僕が言いたかったのもそれなのかもしれない。1年目はまず箱ありますよを出していかないと、まずは箱があることすら分からなかったから。
僕もその箱を透明にしていきたいのかもしれない。自分らの個性もぽんぽこぽんぽこ見えてくる。

江藤:今はまだその箱が集団一色になって届いているのかもしれない。それを透明化するにあたってこういう対談の企画っていいのかもしれない。

谷川:そう考えると話が脱線して色んなところに飛んでいくのもいいのかもしれない。

平井:なんか良いまとめになってきましたね。

みんなが流動的に引っ張っていけるようにしたら、もっと話も広がっていく気がしてて(谷川)


江藤
:なんか集団の中に関わる時の自分のスタンスとかってあります?

平井:その時々の役割によりますけど、欠けているところに入るような感じでいます。

江藤:補うような?

平井:基本的にはそうかもしれない。天邪鬼なところもあるからかもしれないけど。

江藤:あまのじゃくなんですか(笑)

平井:例えばスタッフで関わるときとか、締まりがない雰囲気だとあえてどっしり構えたりとか。

江藤・谷川:ほえ~!!

平井:絶対こう居なきゃって感じではなく、その場その場で感じながらなんですけど、関わっているものが丸く収まればいいなみたいな。なんにしても。

谷川:僕は最近の悩みなんですけど、受けと受けの逆?集団になると引っ張る人と引っ張られる人というか、一人やってくれる人がいたら任せちゃうというか流しちゃうけど…居なかったら僕が回すんですけど。
一個の役割に偏るのでなくて、それぞれのスタンスがありながら、みんなが流動的に引っ張っていけるようにしたら、もっと話も広がっていくような気がしてて。
例えば、最近は変わってきたけどavenir’eのzoom会議とかで誰か一人が進行していくのではなく、更にzoomだとより難しいんですけど、変えていきたいなと思ってます。
例えば、今のこの三人の対談でも、あ、そうですよねってなるだけじゃなくて、自分も話す!みたいな(笑)江藤さんはどうですか?

江藤:わたしも大ちゃんと一緒かも。ほかに居なかったら率先してやるんだろうけど、私より進行がうまそうな人がいたらお願いします!みたいな感じで任せちゃう。
あとはこの間自分のPodcastでも話したりしたんですけど、ちょっと野党の心、与党の心じゃなくて野党の心も大切にしようというか。

平井:ほうほう。おもしろい(笑)

江藤:もちろん方針とか団体の価値観みたいなのがマッチしてたら全然いいんですけど、ちょっとそれ違うんじゃない?みたいなのがあった時に、ちゃんと野党として発言できるみたいなことなんですけど、そういうのって大事だと思うんですよね。与党一色みたいなことにならないように。

平井:大事ですよね。組織として。

江藤:そんな感じでもっとみんなの個性が際立っていけばいいなっていう、まとめ?

谷川:おおー!まとまった?(笑)

平井:そんな感じでちょうどお時間ですね(笑)

左:平井寛人(ひらい ひろと)
FUKAIPRODUCE羽衣/尾鳥ひあり
1996年7月12日生まれ 千葉県柏市出身
特技:走ること
普段は、事態が膿んで膿ませてぐっじゅぐじゅになったところから思うままにやってみる、というテーマで表現活動をしている。

真ん中:谷川大吾(たにかわ だいご)
早稲田大学演劇研究会 所属
2002年3月26日生まれ 神奈川県出身
英検1級 取得
特技:怪我の治癒
2021年早稲田大学演劇研究会に入会し、現在に至る。

右:江藤みなみ(えとう みなみ)
特技:ソフトボール、歌
大学在学中に演劇を始める。
文学座附属演劇研究所57期卒。
現在は舞台を中心に活動している。

編集/江藤みなみ
録音/斉藤沙紀
構成/柴田美波
撮影/家入健都、斉藤沙紀

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