ave_maris_stella

真夜中の秒針の音を消して、静かに誰かにこの言の葉が届きますように

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マガジン

  • よみ人しらず:雑感

    本当は送信先があるひとりごと

  • 壱岐を訪ねる二泊三日:小さな島に150を超える神社を持つ島

    そこかしこに在る神社に守られている島、壱岐。

  • 映画Ⅱ 映画館上映を中心に

  • 一週間かけて鳥取を訪ねる 2023

    いつもの旅行とは異なり、鳥取県の観光資源を調査目的で約一週間かけて主だった地域を訪ねた記録。

  • 本からこぼれた言葉

    基本的には記録

最近の記事

目で音を聴いていた:雑踏の溢れる音の中で

 パートナーの予定変更に伴って散策の帰路が一人になった。  万が一に備えてバッグにイヤホンを入れていたならよかった、と反省しながらいつもの見慣れた街を、いつもどおりに歩き出したのだが。  帰省した時には教会や路面電車が走る長崎の音は東京で過ごす日常とは明らかに違い懐かしくて音を拾うように聴いてるのに、私は自分が住んでいるこの街の音を採集するように聴いたことはなかったかもしれないという考えに、ふと落ちる。  「些細な音も聴き取るわ」と自身に小さな宣言をして自宅への道を歩き始め

    • 壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑭海の中に鎮座する小島神社・その満潮時

       壱岐旅行記の⑨で既にふれた小島神社。  最初の訪問は午後の干潮に合わせ潮が最も引いていく頃に合わせた。  最も潮が最も引く時間よりも幾分早く到着したが潮位をあれ程心配していたにも拘わらず呆気ない程対岸から渡ることに何も問題なく、靴を濡らす場所さえ無く小島神社へ渡った。  最初の訪問 15:39 、この時はまだ潮は引いていく途中で完全な干潮ではなかった。約2時間後の 17:77 2回目の訪問時は僅かな時間ながら干潮から満潮へと既に移行したことが視覚で分かるほど参道はその姿

      • 壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑬男嶽神社(おんだけじんじゃ)

         今回の壱岐旅行訪問地では一番北にある場所となった。  男嶽神社は壱岐島では2番目に高い標高168mの男岳山に在る。又、此処は北の鬼門にあたり災いが入ってこないように強い神様を祀られているとか。  明治時代までは磐座(いわくら)を御神体とし山全体が禁足地の神体山であった為、麓のしおい掛石が遥拝所だった。  明治時代に祭神の猿田彦命が祀られてからは猿田彦命に因み家運の長久を願って石猿を奉納する習慣が生まれているが、当初は、農耕に使い家族同様だった牛の健康や繁殖を祈願して石牛が

        • 「劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』」

          監督:山本健 制作国:日本 製作年・上映時間:2024年 10min  キャスト:(声)藤本侑里、上坂すみれ、小倉唯  ウマ娘関係に一切コンタクトどころか情報もないままに、只、時間調整の為に映画館利用で観る展開になる。  スマートフォンアプリのダウンロード数が飛躍的だった等は知っていても肝心のその中身は知らないまま競走馬の擬人化ってどのような作品になるのかしら、程度でパートナーと鑑賞。一人であれば絶対に択ぶことはなかった作品は、ある意味貴重な時間になったのかもしれない。

        目で音を聴いていた:雑踏の溢れる音の中で

        • 壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑭海の中に鎮座する小島神社・その満潮時

        • 壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑬男嶽神社(おんだけじんじゃ)

        • 「劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』」

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        • よみ人しらず:雑感
          250本
        • 壱岐を訪ねる二泊三日:小さな島に150を超える神社を持つ島
          14本
        • 映画Ⅱ 映画館上映を中心に
          186本
        • 一週間かけて鳥取を訪ねる 2023
          17本
        • 本からこぼれた言葉
          16本
        • 日本の東西南北制覇を目指して:波照間島へ
          11本

        記事

          「悪は存在しない」

          監督:濱口竜介 制作国:日本 製作年・上映時間:2023年 106min  キャスト:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁  冒頭から前半は長野の自然が都会とは違う時間の流れを表現するかのような音楽を纏い、或いは時にその音を纏い捨てながら十分に描かれていく。  監督のインタビューでは、監督前作品である「ドライブ・マイ・カー」(2021年)において音楽を担当していた石橋英子氏からライブパフォーマンスのため(監督に)映像制作を依頼がこの作品の始まりだそう。  その映像を撮影絡み

          「悪は存在しない」

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑫新城神社(樋詰城跡)

           新城古戦場訪問後、次の目的地へ移動し始めて本当に車走らせすぐの所に新城神社が在った。  壱岐訪問リストにはあがってはなかったが、その神社に呼び寄せられるように私たちは車を近くに駐車し立ち寄った。 路番号:壱岐島四十二社巡り 里の路(32) 鎮座置:壱岐市勝本町新城東触441 御祭神:平の景隆朝臣 外4柱 例祭日:新10月15日 例祭 小神楽  壱岐守護代の平景隆本陣だった樋詰城(ひのつめじょう)跡に1886(明治19)年造営された歴史がさほど古くはない神社。  上記の写

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑫新城神社(樋詰城跡)

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑪文永の役 新城古戦場跡

           旅行から戻って訪問地の復習をもう一度旅するように行う中で、今回の文永の役については、つい、深く探ってしまった。  正直、歴史の舞台を訪れるまでは単に年表にある受験用の数行でしかなかった文永の役だったのである。 「天の慈しみを受ける  大蒙古国皇帝は書を日本国王に奉ず。  朕(クビライ・カアン)が思うに、いにしえより小国の君主は国境が相接していれば、通信し親睦を修めるよう努めるものである。  まして我が祖宗(チンギス・カン)は明らかな天命を受け、区夏(天下)を悉く領有し遠方

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑪文永の役 新城古戦場跡

          「くれなずめ」

          監督:松居大悟 制作国:日本 製作年・上映時間:2021年 96min *HULU視聴 キャスト:成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹  「優柔不断だが心優しい吉尾(成田凌)、劇団を主宰する欽一(高良健吾)と役者の明石(若葉竜也)、既婚者となったソース(浜野謙太)、会社員で後輩気質の大成(藤原季節)、唯一地元に残ってネジ工場で働くネジ(目次立樹)、高校時代の帰宅部仲間がアラサーを迎えた今、久しぶりに友人の結婚式で再会した! 満を辞して用意した余興はかつて

          「くれなずめ」

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑩壱岐七社の一つ白沙八幡神社

           夕刻の干潮に合わせて向かった小島神社の訪問後も関東から来た私には夕暮れが明るく長く感じられた。芦辺からは西に在る湯本宿泊のチェックインにもまだ芦辺を発つには早い時刻だった。  贅沢にも時間を置いてもう一度潮に満ちていく小島神社を見ない?という展開の流れで時間調整の為に全く失礼な表現だが保留リストに在った白沙八幡神社へ急遽行くことにした。  建築物と見紛うような巨大な鳥居は、壱岐では人気の筒城浜という観光地にもある為一見その姿は俗物にも見え易い。  調べても巨大鳥居について

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑩壱岐七社の一つ白沙八幡神社

          樹齢という言葉はあるのに花には

           庭の木々を見渡す時、まだ幼い木は植えてから何年とかなり明確に記憶している。既に大木となった木々らも枝ぶりの調整時期には年齢を気にする。  今年も梅雨を前にした頃から蕾が膨らみ白百合の花が開いた。  ふと、2022年に天国へ引っ越した我が家の二代目Moon(ミニレックス*うさぎ)が初めて我が家に連れて来られたことを思い出した。  あの子を家族に迎え入れた同じ年に白百合を新たに植えた。  Moonは、もう触れられない向こう側へ行ってしまったけれども、同じ年齢の白百合について

          樹齢という言葉はあるのに花には

          「南瓜とマヨネーズ」

          監督:冨永昌敬 制作国:日本 製作年・上映時間:2017年 93min *HULU視聴 キャスト:臼田あさ美、太賀、オダギリジョー、若葉竜也、光石研  「市子」を調べていた時に戸田彬弘監督が「南瓜とマヨネーズ」に出演の頃から若葉竜也氏を知っていた、という発言があった。どのような演技が監督の記憶に残ったのかが気になり、失礼ながら軽い気持ちで「南瓜とマヨネーズ」を観始めてしまう。  実際は若葉竜也氏の演技を確認次第視聴を止める筈が最後まで観てしまった。2017年作であっても仲野

          「南瓜とマヨネーズ」

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑨海の中に鎮座する小島神社

           この旅を喚起してくれ、且つ、私にとっては旅行計画で壱岐を調べていく中でも尚も此処が壱岐の中で最も訪れたい場所だった小島神社。  一番のボトルネックは小島神社が海の中に在ることだった。  壱岐在住であれば訪問時間の制約がないが、私たちには二泊三日と限られた滞在時間の上に旅行日が大潮にあたるようまでには日程調整することは不可能だった。  先ずは、早朝の干潮ではなく二回目午後の干潮時間を調べることから日程組み立ては始まった。  15:39、一番潮が引く時間よりも早く到着してしま

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑨海の中に鎮座する小島神社

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑧龍蛇神社

           二泊三日の短い旅行では駐車場から離れ徒歩10分という記載があった龍蛇神社は保留に近い位置付けだった。参考写真も海岸から離れているだろう一枚のみ、加えて詳しいアクセス情報もなかった。  それでも壱岐がコンパクトな島だったお陰で日程に余裕が生まれ保留から昇格し訪問することになる。  只、それでも車のナビは案内拒否。スマートフォン頼りでどうにか結果としては訪ねることは出来たが終始到着するまで不安な道だった、というよりもキャンプ場を抜けた先の海岸であるためにマップに道路が全く出ない

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑧龍蛇神社

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑦月讀神社

           古事記によると、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の次に産んだのが月讀命(つくよみのみこと)だとされている。  京都の月読神社は、487年壱岐の県主「忍見宿弥(おしみのすくね)」が壱岐から分霊したもので、これをきっかけに中央に神道が根づいたことから、壱岐の月読神社が日本神道発祥の地と言われ、全国に各地に存在する月讀神社の総本社とされている。 【延喜式神名帳】   壹岐嶋壹岐郡(いきのしまいきのこほり)  

          壱岐を訪ねる二泊三日・小さな島に150を超える神社を持つ島:⑦月讀神社

          OPPENHEIMER : 研究者ら責任の所在・映画レビューとは別に

           映画「オッペンハイマー」は被爆国上映ということも注目を浴びる要因になったようで単にアカデミー賞受賞作品に寄せるいつもの映画評論家とは違う顔が書籍やネット記事で多く見えた。  映画作品とは若干離れたことを書き残したくて映画レビューとは別に雑感とした。  オッペンハイマーは原爆の父と呼ばれることをどう考えていたのだろう。  予想をはるかに超えた核開発実験時点でこれが使用される先に平和は見えなかった筈が、既に1942年に着手されたマンハッタン計画は動きを止めるどころか戦争が更に

          OPPENHEIMER : 研究者ら責任の所在・映画レビューとは別に

          「オッペンハイマー」

          原題:OPPENHEIMER 監督:クリストファー・ノーラン 制作国:アメリカ 製作年・上映時間:2023年 180min キャスト:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー  日本では公開されるのだろうかと声が上がっていた頃から気になっていた作品だった、上映期間や上映館が限定されてもきっと行くのだろうと。  仮定形の話は意味を為さないのだが、彼ら原子爆弾開発科学者と当時の

          「オッペンハイマー」