「やめて、嫌だ」の伝え方

はじめに

人間関係において、わたしたちは、
「相手はわたしを不快にさせようと思ってやっている訳ではないが、わたしは不快でやめてほしいと思っている」
という状況を、様々な形で経験します。

それは「教育」という大義の下に行われる価値観の押し付けだったり、対話の形をなしていないコミュニケーションもどきだったり、無意識にわたしの人格を蔑ろにしている関わりです。

でも、相手にわたしを傷つける/傷つけているつもりがないことは見て取れるので、どう伝えたものだろうかと、いつも頭を悩ませます。

そんなときにどう対応すればよいか、自分なりに考えていることを書きます。

①その状況から降りたいことを、オブラートに包んで伝える

その人との関わりを消極的なものにしたり、冗談を交えて「嫌だ」と思っていることを伝えます。
このやり方にはこちらの心の負担がさほどない反面、相手の心に伝わる可能性も低いです。
なぜなら、これで伝わる人間ならあまりそのような事態にならないからです。
しかしながら、これは②以降の布石になります。
もしも相手に「いきなり拒絶された」と言われたら、これまで何度もやんわり伝えていたよ、と言うことができます。

②「わたしは〇〇されることがつらいです」と伝える

自分が苦痛を感じていることを、相手の人格を否定しない形でシンプルに伝えます。
「まるで△△という状況におかれているような気持ちになります」と追加で伝えると、より伝わりやすいことがあります。

なお、このとき、「代わりに、××という形を望みます」と同時に伝えるのは悪手です。

この時点で、あなたは相手と居ること自体がストレスになっているはずです。
基本的に人間は本質から変わることが難しいので、代替案を伝えたところでおそらく似た問題に直面することになるでしょう。
相手が良識を持ってフェードアウトしてくれるなら、それが一番です。

これを伝えていいのは、相手が「申し訳なかった。これからあなたを嫌な気持ちにさせずにやっていくには、どうすればよいだろうか」と誠意を持って質問してくれ、かつ自分も相手との関係継続を望んでいる場合に限ります。

③周囲に助けを求め、距離をとる

それでも同じ状態が繰り返されるのであれば、個人間の対話で解決できる域を超えています。
共通の知人に、現状と何がつらいのかを相談し、なるべくその人を介さずに日常生活を送れるように手を打ちます。
完全に距離を取ることが難しくても、苦手意識を持っていることが共有されていれば、その人との接触の機会を最小限に留めることができると思います。


この文章は、自分の「上手に距離を取れたな」「もっとこうすればよかったかな」という経験から書いています。
合わない人との関わりかたに頭を抱えて、消耗している方のみちしるべになればと願います。

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