「裏庭」(梨木香歩)を、もう一度。
この本に出会ったのは小学生のとき。
まだ幼かった私は、この本を単なるファンタジーとして楽しんだ。
「面白かった」とだけ感じたように記憶しているが、その記憶も頭の片隅で長年埃をかぶっていた。
さて、わたしは成長し、大人になった。仕事を始め、心を病んだ。
休みながら、ふと、この本のことを思い出し、もう一度読んでみることにした。
すると、なんということだろう。幼い頃とは物語の様相が全然違って見える。
これは、心に傷を負った娘が「裏庭」という無意識を旅する物語だった。
鏡を通じて