見出し画像

幽霊も暴力も出てこない怖い実話 人肉編


怖いというよりは忌避感のある話。なぜなら人肉にまつわる話なので。しかも自分で経験したわけでもない、人から聞いた話。さしずめ、手抜きということ。
人肉にまつわる話を読みたくない方は、ここでやめておいた方がいいかと。

古いヘアサロンの前を通ると、「美容室に行くのが嫌で嫌でしょうがない」と言っていたお年寄りの話を思い出す。ちなみに彼女は美容室のことを「パーマ屋」と呼んでいた。
昭和期、パーマをあてるマシーンは今と違って雑と言うか、さほど精緻にはできていなかったようで、とにかく髪の毛の燃える臭いがしたのだとか。
確かに、いまもヘアサロンに行くと、微妙に髪の毛の焼ける臭いがしないでもない気がする。

みなさんも、髪の毛の燃えるあの嫌な臭いを知っていると思う。

その髪の毛の燃える臭いが、空襲の臭いと同じなんだとか。
B29の大編隊が飛来し、東京を絨毯爆撃して、そこらじゅうで人が焼かれる。老若男女焼かれる。人が焼かれると必然、髪の毛も燃える。
パーマ屋に行くと、彼女は「人が燃える臭い=髪の毛が燃える臭い」を思い出す。だから嫌で嫌でしょうがないのだ。
爪が燃える臭いもまた、人が燃える臭いと同じだと聞いた。しかし私は爪の燃える嗅いを知らない。興味のある方がいたら切った爪をフライパンにでも放り込んで、火にかけてみて頂きたい。私は絶対にやらないけど。だって、キッチンに人の燃える臭いが漂ったら嫌だもの。
もし髪の毛や爪の燃える臭いを感じたら、それはご近所に危ない人がいるサインかも知れない。

ところが。
インドを流れるガンジス川の岸辺で、火葬している場面に出くわした友人は、彼女とは正反対のことを言っていた。曰く、いい匂いだと。人間もしょせんは肉。焼いてみれば、あれまあ、焼肉屋さんのようないい匂いがするのだとか。それも、屋外で火葬しているので焼肉屋さんよりもワイルドな、BBQ感が出ているらしい。

さてさて、どっちの話を信じればいいんだろう?
人が焼けるときは髪の毛を焼くような臭いがするのか、それとも肉を焼くようなBBQ的な匂いがするのか。
あるいは、生きたまま焼く場合と死んでから焼く場合とでは、違うのかも知れない。

おっと、アナタがさっき食べていたその肉は、何の肉かな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?