【掌編】夕暮れ日記【散文詩】
赤青鉛筆で日記を書く。赤で下書きし、青でなぞれば、少し黒っぽい紫色の一日が仕上がる。
「今日は楽しかった」、そういうことにしておきたい、あかいことば。「今日は楽しかった」、辿りながら少しはみ出してしまう、あおいことば。
赤いわたしは青い私に塗り込められて、陽炎になる。不器用さのせいで重なり合えないはらいの先は、二つの色に分たれたまま、互いの影を見つめて震えている。
赤青鉛筆を擱けば、少し黒っぽい紫色の文字の端から、夜が来る。
・ ・ ・
小牧幸助さんの以下の企画をお見かけして、書かせていただきました。素敵な企画をありがとうございます。
素敵なお写真をおかりました。ありがとうございました。
よろしければサポートお願いします。これから作る詩集、詩誌などの活動費に充てさせていただきます。