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絵描きの花は「風と共に転がりぬ」

青く儚き「サルモネラ」?

「サルモネラの株、買ってきた」
「……なに?」
「ほら、サルモネラ……じゃなかった、ん〜、なんだっけ?」
「……ネモフィラ、じゃないの?」
「そうそう、ネモフィラ!」

少し前に、あの可憐なネモフィラの株を、最寄りの駅構内で、気まぐれに購入しました。
よく庭のフェンスやベランダのフェンスなどに、鉢植えで下がっているのを見かけ、月並みですが、綺麗な色だなぁと愛でながら、他人の家の前を通ります。
澄んだ水槽にたゆとう熱帯魚を思い起こす、あのブルー。あのような色は、美しいと形容して良いだろう……などと、大げさなことを考えつつも、花の名前すら間違えて(しかも菌!)友人に呆れられた私ですが、恥ずかしながら花は人並みに大好きです。以前の記事で書いた通り「花言葉」は知らんけど。

で、さっそく素焼きの鉢に植え替えました。
その時から一抹の不安はあったのです……。一つの根からこんなにたくさんの茎がいきなり生えていて、なんだか心許ないなぁ。こんなにぐらついていて、折れたりしないかしら……。
そんな心配をよそに、次々と可憐な青い花は咲き、毎朝水をあげながら「良き良き」と愛でていたものです。

ところが、ところがです!何と夜中の突風で、彼女は……
私がいけなかったのです。夜中の突風に気付きながらも、布団から起き上がる事もせずに迎えた朝、ベランダの鉢にネモフィラの姿が無い!え?ウソでしょ!
無残にもブツリと根元から折れて、50cmほど離れたところにゴロリとそれは転がっていました。しかも同じ方向になびいた茎たちからは、突風に頑張ってあらがった形跡が露骨に見てとれました。すぐに室内に入れてあげなかった自分の非道をののしりました。

なんて私は残酷なことをしてしまったのだろう。しばらくは、花を買ってくるのはやめよう、と誓いました。自然に生えている花を愛でているくらいが分相応なのだと、改めて反省した、というしょうもない話です。


ネモフィラの画像さえ残せなかったと、悔やんでも詮ないことなので、かわりに足元にいつも居る青いオオイヌノフグリに登場していただきます。

「代役ですけど、オオイヌのフグリと申します」

この子たちは、どんなに強い風にも負けません。小さいけれど、強くたくましく青い花を咲かせます。見習いたいものです。


「たまにはこんな気分も」

普段ほとんど描くことのない風景のスケッチです。田舎道を歩いていて、あまりにも花畑がきれいだったので、珍しくチョイチョイ描いてみました。ボールペンとパステルの名刺サイズの小さな絵です。



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