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花言葉に翻弄された絵描き

新築祝いにふさわしく

先日知人から、ご友人の新築祝いに贈る絵を、新たに制作してほしいと依頼がありました。
絵画というのは、その画風への好き嫌いがハッキリとあらわれるものの一つ。念のため「わたくしの画風で良いのですか」と確認すると、「明るく癒される絵でよろしく」との回答。
新築にふさわしく、明るく癒される絵……ん〜。癒す事を目的で描いた事がなかったので、控え目で嫌われないもの……「花」に頼ることにしました。
ご友人が元気の良い男前の女性で、バラが好きとの情報を得たので、明るく元気な黄橙系のバラでイメージを作りはじめました。
我が画風が癒されるかどうかは別として、その方向で制作を進める旨を知人に打診したところ、黄色いバラは「友情」という素敵な意味の花言葉があるのだが、残念なことに「嫉妬」という意味もあるとかで、何気に却下されました。
え? 花言葉? その方面の細やかな神経を持ち合わせていなかった私は、一瞬制作の思考が止まってしまいました。
贈り主は知人ですから、知人の意向は無視できません。生まれて始めて「花言葉」をネットで調べると、私には今まで全く気にとめなかった世界でした。花の種類だけではなく、色や本数まで意味がある。際限ないし混乱して、よもやこんなところでこんな風に悩むとは……。このままでは反故にしてしまうか、私の感情が作品に出てしまうのか。
結局、ご友人がトルコ桔梗も好きだということで、難なくピンクのトルコ桔梗に決定しました。花言葉は「優美」。何のこっちゃ。私の思考一時停止する程の、あの悩みは何だったのか。

「優美だというトルコ桔梗」


絵描き仲間に、この画像を見せたところ、
「お〜、可愛い絵も描くんやね〜。いつもの湧いて出るオドロオドロからは想像できひん」と揶揄られつつ、「でも、ペン先の主張が、オレの絵じゃ〜って、ひっそり叫んどる」と、わかってくれました。
でも、案外自分的には、気に入っている作品になったのですよ。堂々と誰にでも見せられるし、ご友人も気に入ってくれたようで一安心です。トイレに飾ってあるそうです……。


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