26年目の人生は、屋号“Lapio”とともに歩みます
先月、開業届を出し、フリーランスになったわけですが、その時に悩んだのは「屋号」でした。別に決めなければいけないものではなく、白紙で出してもOK。なんなら途中でも変えられます。
屋号とかなんかちょっと難しいし、別に今決めなくてもいいかな・・なんて最初は思っていました。でも、ふと頭をかすめたのは、最近どこに行っても聞かれるこの質問。「で、君はこれからなに屋さんになるの?」
今までは、
なんて笑ってごまかしてましたが、やっぱりちゃんと考えなきゃなと。正直、そんなに「何をするか」にこだわりはないのですが、その分「自分がこうありたい」「こういう役割を担いたい」という想いは強いので、それを表すために屋号を決めました。
Lapio(ラピオ)は、フィンランド語で「シャベル」を意味します。
"まだ良さが広まっていないものの魅力を掘り起こし、誰かに届けるまでの役割を担いたい"
"遠く離れた何かを派手に広めるのではなく、その温度が感じられるものを一緒に広めていきたい"
そんな想いから、Lapioと名付けました。
フィンランド語を選んだのは、自分の人生に大きな影響を与えてくれた国だからです。
社会人一年目の頃の私は、今よりもっとストイックで、できない自分が許せない性格でした。
会社で設定された目標を達成しても、運よく表彰されても全く喜べず、ベテランの先輩と自分を比較しては落ち込み、上司からは「修行僧なの?」と言われるレベル・・。別に要領もよくないので人より働く時間もかかり、心身ともに限界を迎えた時期がありました。
そんなとき、逃げるように飛び立ったのがフィンランド。飛び立ったといっても、過ごしたのはたった一週間のホームステイでした。でもそこで出会ったご夫婦が、本当に素敵な方だったんです。
食事をしながら、なぜここに来たのか、何の仕事をしているのか、今何に悩んでいるのかを洗いざらい話しました。一通り話した後、ホストマザーから放たれたのは ”Don’t sell your soul to the company.” という一言。
「私にとって大事なものは、1に健康、2に家族、3に仕事なの。仕事のために、自分の大切なものを犠牲にするような働き方は絶対にしないし、あなたもしちゃだめよ」。
そうは言われても、自分にとって何が大事かなんて当時はわからず。でも目の前のご夫婦を見ていると、とても幸せそうで「いつか私も、これが大事だと胸を張れるようにになりたい」そう思わせてくれました。
あれから2年半。フィンランドでの出会いがなければ、会社を辞めて、東京・富山の二拠点生活をするなんて決断はできなかった。自分の人生において大切なことを教えてもらった国だから、どうしてもその国の言葉を借りたかった。
期待と不安が入り混じる26年目の人生は、屋号”Lapio”とともに歩みます。