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Rapha Prestige Onomichi

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2018年冬、広島県尾道市。とあるサイクリングイベントに向かって様々な意図や感情が交錯する全10話のルポルタージュ。
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記事一覧

Rapha Prestige Onomichi #1

Rapha Prestigeにね、出たいと思ってるんですよ。 いつもの立ち飲み屋で栗林は突然そう言った…

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Rapha Prestige Onomichi #2

明確な返事をしていないにも関わらず、立ち飲み屋で話をしてからというもの雑談をやりとりして…

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Rapha Prestige Onomichi #3

桜川駅の埃っぽい階段を登ると小雨が振っていた。僕は小さく舌打ちをするとバックパックから折…

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Rapha Prestige Onomichi #4

路傍の花を横目にペダルを回す。その鮮やかな黄色は夏の緑にまぶしいが外来種で忌み嫌われる存…

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Rapha Prestige Onomichi #5

ソケイヘルニアになっちゃったんですよ。いつもの立ち飲み屋で栗林は照れを隠すように言った。…

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Rapha Prestige Onomichi #6

ほどなくして5人のチャットルームが立ち上がった。しかし本番はまだ先ということで話の腰は入…

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Rapha Prestige Onomichi #7

尾道参加の方向で、俺の代わりに彼が走ります。 そのメッセージを境にチャットルームは6人になり、そこには福間の名前があった。栗林が走らないという話になってからのひと月、つまり僕がシクロクロスに没頭し立ち呑み屋に顔を出してない間に東京で何かが起こったようだ。森本と辻とは関西シクロクロスのレース会場でも話をして、栗林が走らないなら参加する意味はないということで同意していたが、彼らもこのチャットルームで起きている状況を把握しきれず様子をみているようで既読はついているがレスポンスはない

Rapha Prestige Onomichi #8

会議は踊る、されど進まず。あいかわらず何も決めない栗林の立ち回りで未だチームキットすら決…

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Rapha Prestige Onomichi #9

チーム名に関しても存在感を示したのはやはり森本だった。栗林がインスブルックで辻とライドを…

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Rapha Prestige Onomichi #10

12月15日午前5時。僕はダサいジャージを着て森本、辻、日比谷、福間との5人でOnomichi U2にい…

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