『天使の翼』第12章(39)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
わたしは、荒い息を肩でつきながら、目を見開いて、洞窟を凝視した。……さすがに、入っていいものやら……
…………こくり、こくり。これはまずい。立ったまま寝てしまうなんて……何かを持続的に考える余力はもう残っていない……
「もう、どうなってもいいわ!寝させてもらいます」
わたしは、猪突猛進、洞窟へと足を踏み入れた。
洞窟は、今来た道と同じように、くねりながら、上へ上へと続いている。いくらも行かないうちに、ホールのようなところに出た。振り返ってみると、かろうじて、入口の方から外の明かりが見える。
ミロルダの洞窟隊商路と違って人工の明かりなどないから、これ以上奥へ行くのは怖かった……
わたしは、どさっと腰を下ろし、荷物……を……肩から……外して、背中を壁にあ……ず……け…………て………………
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