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『メール』コミュニケーションの難しさ
日経電子版の記事【人間関係壊す「ため口」メール、部下宛てでも避ける
ダメなメールと改善法】は、具体例も交えて分かり易く、改めて「(仕事上の)メールとは何ぞや?」と考えさせてくれます。
メールと言えば、最も難しいものの一つがお客様からのクレームのメールではないでしょうか。『クレーム』メールには主に「何があったか(商品が傷んでいた、など)」、「その件に関するお客様の考え(乱暴に扱ったから傷んだに違いない、など)」、そして「どうして欲しいか(返金して欲しい、など)」の3点が記されていると考えられますが、そこに「電話不可、メールのみ」などという条件が加わると、その対応は非常に困難なものになりそうです……。
逆に言うと、『クレーム』メールの事例をもとに考えれば、『メール』コミュニケーションの難しさがあぶり出されるかも知れません――
▶『メール』コミュニケーションの難しさ
(1)メールで伝達できるのは、基本的に『言語情報』のみ
メールは、『音声情報』(声の調子など)もある電話コミュニケー
ション、さらに『視覚情報』(顔の表情など)も加わる対面コミュニ
ケーションなどと違って、『言語情報』だけで全てを伝えなくては
ならない。
⇨ 例えば、お詫びの気持ちを言語だけで伝えるのは、そもそも無理が
ある。
(2)メールでの遣り取りは時間がかかる
メールでの遣り取りは、同時対話ではないので、いつ返事が来るか
も分からず、非常に時間がかかるものである。
⇨ 例えば、お客様のおっしゃっている内容を正確に把握しようと
して聞き返すにも、時間もかかるし、聞き返すこと自体が失礼と
受け取られかねない。
(3)メールは履歴が残る
メールでの発言、発信は履歴が残るので十二分に注意しなくては
ならない。
⇨ 例えば、メールの一部分だけを前後の文脈と関係なく切り取られて
使われてしまう。
⇨ 不適切な発言、伝えてはならない情報など、取り返しがつかない。
(4)感情表現の増幅現象
メールでの言葉遣い、表現は十分に配慮しないと、そこに含まれる
感情的なものが増幅される傾向がある。
⇨ 例えば、軽い親しみを込めたつもりの表現が、横柄で高飛車なもの
に映ってしまう。
まだまだあるかも知れませんが、このような『メール』コミュニケーションの難しさをクリアするための注意点を列挙してみると――
▶『メール』コミュニケーションのチェックポイント
(1)記述された内容は正しいか?
(2)記述された内容に抜けはないか?
(3)その内容は、メールというコミュニケーションに適しているか?
① 緊急性はないか?
② 電話などの同時会話の方が良くはないか?
③ 個人情報・機密情報などセンシティブな情報を含んでいないか?
④ 利害が対立している場合など、直接会った方が良くはないか?
(4)誤解を招きかねない表現が含まれていないか?
(5)一方的に相手を断じるような内容になっていないか?
(6)表現に感情的な部分はないか?
(7)表現は丁寧か?
今のところ思い付くのはこの位ですが、改めて、特に仕事では、何でもかんでも『メール』でコミュニケーションしようとするのは考え物だな、と思いました。『メール』コミュニケーションは、紙の文書よりは効率的だ、位の意識で丁度いいのかも知れません。
電話や対面での直接対話の持つ人間的なもの、音声や表情に言語を載せることでより正確かつ効率的に意思表示できる点は、きわめて重要だと考えられます。
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