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《連続投稿469日目》お客の求めている接客を外すと来店を阻むハードルにしかならない~『接客の6条件』とは~

 日経電子版の記事【ワコール、悩みもスキャン 店員の「神の手」頼らず】では、ワコールが、ビューティーアドバイザー(BA)の『神の手』とまで言われた、採寸から詳細な商品提案までを一手に担う接客の手法を、デジタル化著しいコスメの売場を参考に変革していこうとしている取り組みがリポートされています。



 記事によれば、このような接客の変革を迫られた背景には、次のような事実があったとされています――

(記事より)
「商品の説明が多すぎる」――。良かれと思っていた接客スタイルが若い女性に全く受けていない。同年11月にモニター会員へウェブ調査をしたところ、来店したことのある顧客ですら3割が「接客が来店をためらうハードル」だと回答した。



 ショッキングな内容ですが、一般論として、そもそも、お客は接客に何を求めているのか、冷静、客観的に考えれば(自分がお客だとして考えれば)、6つほどの条件が浮かび上がってきそうです。これらを仮に『接客の6条件』と呼ぶなら――

▶ 『接客の6条件』~お客が接客に求めるもの~

(1)『エビデンス』・・・客観的なデータに基づいた提案。
           (デジタル機器の導入)

(2)『パーソナライゼーション』・・・自分に合った提案。
                 (AIによるレコメンドなども)

(3)『時短』・・・必要にして十分な提案。

(4)『カウンセリング』・・・悩み・相談に応える提案。

(5)『ストレスレス』・・・必要な時だけ接客して欲しい、など。
            (デジタル機器での採寸なども)

(6)『セレンディピティ』・・・思いもかけない気付き。



 他にもあるかも知れませんが、これらの条件を外してしまっては、どんなに積極的な接客も空回りしてしまう事は間違いなさそうです。

 ――例えば、どんなに詳細なエビデンスを提示されても、その説明が長々と続いてはストレスになってしまいますし、まして、それが自分の求めているもの(=悩み)と違っていたら無意味です。

 ――また、一見自分に合ったモノが提案されている(=パーソナライゼーション)ようでも、明確な根拠(=エビデンス)が説明・提示されなければ今一つ納得できません。

 ――その一方で、あのお店に行けば、あの店員さんに聞けば思いもかけない発見があって楽しい、ワクワクする(=セレンディピティ)というのもあります……



 お客の立場になって、お客に寄り添い、『接客の6条件』のようなものをバランスよく体現した接客を志す事で、「あのお店にはちょっと行きにくいな……」という来店ハードルを払拭することは、きわめて重要な施策であると考えられます。




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