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データを掛け算すると見えてくる消費行動

 日経電子版の記事【ネットサービス統合の先は… データ活用に勝機あり】では、様々な企業の持っている様々なデータを掛け合わせる事で⇨今まで気付かなかった知見を得て⇨それをプロダクト(モノ・サービス)に生かそう、という施策がリポートされています。



 確かに、個人情報の保護を前提に、データは一つよりも二つ、二つよりも三つあった方が、より高い精度で対象に迫れるはずです。

 例えば――

▶データの掛け算で消費行動の真実が見えてくる……

(1)『POSデータ』によると、AスーパーB店の食品売場で、月に10個しか
          売れていない商品Cがある。
          (註)POSデータ=何が、いつ、いくらで、いくつ
             売れたか、というデータ。
 ⇩
(1’)全然売れてないと考え、品揃えを止めたら、何故かその後の店全体の
   売上が落ちている!

 ⇩
(2)『ID-POSデータ』を調べたら、何と商品Cを買っている顧客のうち
           2人は、同時に大量の商品を買ってくれている
           ヘビーユーザーだった。
           (註)ID-POSデータ=POSデータ+それを買った人
              のデータ
 ⇩
(2’)ヘビーユーザーである顧客2人は、商品Cが買えないので、他の店に
   流れてしまっていた!
 

(3)『キーワードマップ』で調べてみると、商品Cは、コアなファンの
             いるアイテムで、今流行りの料理に欠かせない
             食材である事が判明。
             (註)キーワードマップ=検索されたキー
                ワードの関連性や検索ボリュームを
                視覚的に表現したもの。
 ⇩
(3’)実際、ヘビーユーザー2人の購入履歴を調べてみると、その料理に
   使われる食材が大量に購入されていた。その話題料理のコーナー化を
   決定!
 

(4)『スマホ位置情報』の活用で提携している通信会社と協働で、B店の
            近くにいるユーザー向けにその話題料理に関する
            情報やクーポンを流してみる。
 ⇩
(4’)ある程度の反響があり、特に嬉しかったのは、あのヘビーユーザー
   2人が店に戻ってきてくれたこと。2人にとってB店は、商品Cさえ
   あれば使い勝手の良い店舗だったのである。店の担当者は、安易に
   商品Cをアイテムカットした事を深く反省したのであった
。   



 こうしてみると、少ないデータ、中途半端なデータでは、消費者の実像に迫れず、そればかりか、実際の消費行動を読み間違えて、誤った施策に飛び付いてしまうリスクさえあります。
 データの掛け算、多角的なデータ活用によって、ようやく実際の消費行動が見えてくる、そして、消費者の実像⇨消費者のインサイト⇨消費者自身が気付いていないニーズ⇨ビジネスチャンスに迫ることが出来る、と言えそうです。



▶少ないデータ
データA

消費行動の一部しか見えない。

消費者の実像が不明。

正しい施策は打てない!



▶データの掛け算
データA✖データB✖データC✖・・・・・・

消費行動の全体像が見えてくる。

消費者の実像に高い精度で迫れる。

精度の高い施策が打てる!



#COMEMO #NIKKEI

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