見出し画像

『例外』の効用

 少し前の日経電子版の記事【オンワード社長「ZOZOと根本の考え違う」 出品停止】です。


 オンワードがゾゾタウンへの出品停止をしたというもので、一読した第一印象は、考え方に鋭い対立、反発があったのかな……いずれにしても、悩ましい決断だったんだろうな、というものでした。

 ZOZOの会員制新サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」は、単にゾゾタウンでの買物が常時割引価格になるというものではなく、「割引価格の一部または全額を、ゾゾが指定する支援団体に寄付したり、購入先ブランドに還元したりできるという」(2018年12月25日付の日経電子版の記事より)仕組みで、ESGへの取り組みという側面もあり、ZOZOのサイトでは、これを「ファッションを楽しみながら社会貢献もできる新しい仕組み」と謳っています。

 このような『新しい社会貢献型サービス』と自社の『ブランド価値』、自社の『ネット通販への影響』を秤にかけた時どっちへ傾くかという問題は、そう簡単ではない決断であったに違いありません。新しい時代、IT時代に新しく出てくるサービスと旧来の考え方との対立は、今後様々な場面で表面化してくると思われます。


 そんなことを考えている時、ふと思い出したのは、時々スーパーなどで見かける「〇〇〇を〇〇%引き」というセールです。例えば「ワインを10%引き」などですが、そんな時売場に行くと、必ず「対象外」の商品があることに気付きます。「対象外」の札を見て思うのは、「何でだ!」という反発もあるかも知れませんが、「もともと安くなっているんだろう」とか、「安くする必要がないほどの価値があるんだろう」とも思ったりします。

 記事からは詳しい契約内容は分からないので、これはあくまで一般論ですが、どんなシステムも、対象外、但し書き、『例外』を緩衝材として設定できるようにしておけば、対立を並立に、そして、将来的には並立を融和へと持っていく効用があるのではないか、そんなことを考えたのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?