駅弁の再定義~100年以上の老舗が約5割の駅弁業界~
日経電子版の記事【老舗駅弁、旅に出る 淡路屋・まねき食品が都心部へ】では、老舗比率がきわめて高い駅弁業界が、駅弁需要の落ち込みに立ち向かっていく姿がリポートされています。
まず、駅弁需要落ち込みの背景を記事などから整理してみると――
▶駅弁需要落ち込みの背景
① 駅ナカの充実。
② 鉄道の高速化(車中で駅弁を食べる時間の減少)。
③ 人口減少。
④ コンビニ等との競争。
⑤ 航空機との競争。
⑥ リニア中央新幹線の開業という逆風。 など
こうしてみると、駅弁需要の落ち込みには、そもそも人口が減少しつつあることに加えて――
(1)鉄道自体の高速化という逆風。
(2)駅施設の充実による競争激化。
(3)鉄道以外の交通手段との競争。
――という3つの大きな壁が立ちはだかっていることが分かります。
そして、この逆境に対して老舗が打ち出した施策は――
▶逆境の駅弁に対する施策
① 地域の名物、という位置付けから脱却して、都内に工場を新設するなど
新商圏・広域商圏を目指す。
② 今までなかった土地に工場新設で、トラック輸送と比べ、鮮度の良い
駅弁の提供が可能に。
③ 自社の知名度を生かして、高級仕出し弁当事業に進出・拡大。
④ 人気アニメとのコラボ駅弁などユニークなアイデアへのチャレンジ。
⑤ 海外発信。
⑥ 外食への参入。
駅弁=特定の駅だけで売っているお弁当、という既成概念を打ち破り、飛び出して、①様々な場所で作りたてを購入できるようになったり、②駅弁の知名度を生かして仕出し弁当・コラボ弁当・外食に進出したりと、駅弁そのものを再定義しようという積極的な取り組みからは目が離せません。
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