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『天使の翼』第12章(42)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 暗い。
 また、鼻息。
 音のした方に瞳を凝らす――起きてすぐ目を見開いたりすると目が痛い……
 「あっ!」
 わたしは、小さく声をあげてしまった。
 わたしの背の高さぐらいの位置で、丸いものが二つ白く光ったのだ。その『丸』は、とても大きい。……見えなくなった。すぐに光る…………瞬きしてるんだ!
 その生き物は、昨夜は確かにいなかった。
 わたしが寝ている間に入ってきたのだ……あるいは、奥から出てきた……
 ――そして、今、それは、わたしを意識している……
 そう思った瞬間、それは、まるで人懐っこいペットのように悲しげにうなった……まるで、わたしにかまってもらいたいみたいに……

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