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『天使の翼』第12章(12)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 空と遠くの山々に視線をやった。陽の光が弱ってきている……
 ――このまま無為に過ごしていては、この文字通り人里離れた僻地で、無防備に夜を迎えることになる。
 わたしは、何か大きな手でぐいと現実に引き戻された。
 ――陽が落ちると相当に冷え込むのではないか?
 ――いくら乾きやすいハイテク繊維だとはいえ、このまま濡れていては……
 ――今夜、どこで寝る?
 ――食べ物は?……水は!
 まず、シャルルを探すことが先決では――
 わたしは、まだ用心しながら、岩を迂回して、登りやすそうな所から岸に上がった。
 (一体どこへ行っちゃったの!『今戻ったよ』なんて、にこにこして戻ってきても、絶対許してあげない……)

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