見出し画像

ぐさりとくる教育論 -『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』

最近、一部の教師について、どうして子ども達にそんな接し方をするのか?と疑問に思うことが多いです。
管理主義、競争重視、過度な叱責、一方通行なコミュニケーション、個性の押さえつけ、精神論、などなど。
どういう理念を持っているのか、じっくりお話を聞いてみたいです。

『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』

そんなとき、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』という2冊を読みました。
アドラー心理学の入門書ですが、ちょっと興奮がおさまらないのでご紹介です。
先にあげたような教師の方々には、ぜひご一読いただいて、さらに議論してみたいところです。

対話からなるアドラー心理学の入門書

知りませんでしたが、世界累計で600万部も売れている大ベストセラーなんですね。
邦書ですが、日本よりも海外で圧倒的に売れているのもすごいです。
哲人と悩める青年のスリリングな対話のみで構成されているので、とても読みやすい。
さらに、こちらで疑問に思うことは青年が直球で哲人にぶつけてくれます。
そして、青年の斜に構えた姿勢と哲人への暴言がすごい。
読んでいてひやひやしますが、気が付けば自分の正直な気持ちを代弁してくれているのです。

『幸せになる勇気』は教育について

『嫌われる勇気』は対人関係について、『幸せになる勇気』は子どもへの教育について多く述べられている印象です。
また、『嫌われる勇気』はアドラー心理学の大きな概念を、『幸せになる勇気』はその実践を解説する位置づけのようです。

僕は子育てや教育に直結する大きな気づきを幾つももらいました。
正直、バイブルの一つになりそうです。
まだ完全には理解できていない部分もありますが...(例えば「ほめるな」という主張)

ここでは、「自立」、「尊敬」、「人生は点の連続」という3つについてだけ、僕なりの要約をしてみます。
どれも子育てや教育に重要な要素です。

「自立」を妨げる親や教師


教育の目標は「自立」に向けた援助である。
しかし、親も教師もあえて子どもの自立を妨げるような行動をしがちである。
つまり、自分の支配下に置き続けたがる。
それはなぜか?
子どもが失敗したとき、特に他者に迷惑をかけたときに、自分が責任を取らなければいけないからだ。
だから失敗しないように可能な限り自分のコントロール下に置きたがる。
これは子どもを心配してではない。
自身の保身のためだ。
だから、教育をする立場にある人間、親や教師、組織のリーダーは常に「自立」という目標を掲げておかなければいけない。
「それは自分で決めていいよ」と教え続けないといけない。

まずは他者への尊敬から

教育の入り口は子ども達への尊敬である。
尊敬とは、その人がその人らしく成長発展していけるよう気遣うこと。
目の前の他者を変えようとも操作しようともしない。
何かの条件をつけるのではなく、「ありのままのその人」を認めること。
そうすれば子どもは大きな勇気を得る。
だから、尊敬は勇気づけの原点になる。

人生は線ではなく連続する点

人生とは線ではなく連続する点である。
「いま、ここ」を精一杯生きればいい。
そして、ふと周りを見渡した時に「こんなところまで来たのか」と気づかされる。
でも、それを知らない大人たちは、若者に線の人生を押し付ける。
いい大学、いい仕事につながっているレール(線)を子ども達に押し付ける。

教師や親は変わる勇気を


人間は常に学び続けられる生き物であるはずなのに、
冒頭にあげたような教師は、どうしてそのような教育を続けているのでしょう?
それとも、学んでもなお自分のやり方を変えられないのでしょうか。
ぜひ、『幸せになる勇気』を読んで、変わる勇気をもっていただければと強く思います。
僕も含めて、親にも変わる勇気を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?