リーダーシップって、どうすればいいの? を子ども達と話しました
- 鬼滅の刃の炭治郎は、弱さを見せるリーダー
- 鬼舞辻無惨は、絶対的な力で押さえつけ、反対意見は許さないリーダー
- 呪術廻戦の五条悟先生は、圧倒的に強いけど、気さくで話しやすいリーダー
- ワンピースのルフィは、とにかく仲間を信じて任せるリーダー
- スラムダンクの赤木キャプテンは、熱いけど乱暴でちょっと話しづらいリーダー
ドラえもんのジャイアンは、いつもは乱暴だけど、いざというときは仲間思いで頼れるリーダー
- ハイキューの澤村大地キャプテンは、厳しいけれどみんなから信頼されているリーダー
- 進撃の巨人のリヴァイ兵長は、強くて頭がいいけど、無口で話しづらいリーダー
リーダーと言ってもいろんなタイプがありますね~
そんな導入から始まるお話を子ども達としました。
題して『リーダーシップってどうすればいいの?』
3回開催して計15人が参加してくれました。
大人が悩むリーダーシップ
本屋にはリーダーシップに関する本が溢れています。
それだけ大人たちは、リーダーシップに関してもがいているのだと思います。
なんでそんなに悩むの?
そもそもリーダーシップってなに?
それって必要?
そんなことを子ども達と考えて、みんなの意見を聞いてみる。
もちろん、答えなんて出ません。
大人でも悩んでいる難問です。
でも、そんな考え方があるんだ、という事は感じられると思います。
リーダーシップに向き合うきっかけにする。
そんな目的の会です。
リーダーとリーダーシップ
ここではリーダーシップを
「目的に向かって人々を動かす力」
と定義します。
「力」の部分を、「方法」や「考え方」に置き換えると、わかりやすいかもしれません。
では、リーダーシップとリーダーは何が違うのでしょう?
リーダーはチームの中に一人です。
一方リーダーシップは、チームメンバーの誰もが持っていてもいいものです。
むしろ、もっていた方がいいものです。
その理由は、あとで出てきます。
カリスマとリーダーシップ
ヒトラー、毛沢東、スターリン、織田信長、鬼舞辻無惨
彼らは(たまたま全員男性ですが)、リーダーであり、カリスマがありました。
そして、多くの悲劇を生みました。
カリスマとは、人を惹き付ける力です。
多くが才能だと思います。
カリスマは悪いことではありません。
でも、カリスマだけを持っていて、リーダーシップを持っていないリーダーは、先の人物たちのように悲劇を生みます。
カリスマがあってもリーダーシップのない人には気をつけろ。
その見極めのためにも、リーダーでない人がリーダーシップを考えることは大切だと思うのです。
どっちのリーダーがいい?
「ついてこい!と引っ張ってくれるリーダーがいい?
それとも、一緒に協力して進もうというリーダーがいい?」
「強いリーダーがいい?
それとも、弱みを見せてくれるリーダーがいい?」
「細かく指示を出してくれるリーダーがいい?
それとも、メンバーのやり方を尊重してくれるリーダーがいい?」
「厳しくして伸ばしてくれるリーダーがいい?
それとも、誉めて伸ばしてくれるリーダーがいい?」
「大事な判断をびしっと決めてくれるリーダーがいい?
それとも、みんなで話し合って決めるリーダーがいい?」
「楽観的でアクセルを踏むリーダーがいい?
それとも、慎重派でブレーキを踏むリーダーがいい?」
「チームが失敗した時に、メンバーを叱るリーダーがいい?
それとも、自分の責任だと言うリーダーがいい?」
いろいろな観点で、リーダーシップについてみんなの意見とその理由を聞いてみました。
そして、多くの場合でみんなの意見が割れました。
僕ならこうだけど、と思っていたところでも、逆を選択する子が多くいました。
人によって求めるリーダー像は十人十色。
それを感じるための話し合いでした。
名コーチは、選手によって接し方を変えると言います。
リーダーシップに答えがなく、悩ましい所以ですね。
目的はなにか?なぜそれをするのか?
「細かく指示を出すリーダーよりも、自分のやり方を尊重してくれるリーダーがいい」
これについては、多くの子が賛同していました。
確かに、そちらの方がやる気が出そうですよね。
でも、メンバーのやり方を尊重した結果、メンバーが全然違うことをやっていたら...
例えば、100m x 4 リレーで勝つのが目的なのに、メンバーが5000mの距離を練習していたら...
それは極端な例ですが、「メンバーのやり方を尊重する」ための前提として、大切なことがあります。
「目的はなにか?なぜそれをするのか?」
これを何度も繰り返し、チームの中で共有することです。
「あれしろ、これしろ」
を繰り返し言うのではなく、
「目的はなにか?なぜそれをするのか?」
リーダーシップのかなりの部分は、これに尽きるんじゃないかなと、僕は思っています。
心理的安全性が半分
「強いリーダーがいい?それとも、弱みをみせるリーダーがいい?」
この答えは、分かれました。
でも、強すぎるリーダーは、メンバーによっては話しかけづらい、という側面もあります。
「旅客機が故障したとき、強すぎる機長の判断ミスを副操縦士が指摘できず、結果として墜落してしまった」
という事例を紹介しました。
ここから学べるのは、リーダーがどれだけ強くて優秀でも(もちろん、その逆でも)、チームメンバーがリーダーに意見を言える雰囲気を作っておくことこです。
これを「心理的安全性」と言います。
先にあげた悲劇を生んだリーダーたち、
ヒトラーも、スターリンも、毛沢東も、織田信長も、鬼舞辻無惨も、
心理的安全性を確保できていたら、歴史の悲劇は避けられていたかもしれません。
心理的安全性は、悲劇を防ぐだけではありません。
「リーダーが自分の意見を聞いてくれる」
「自分の意見がチームに反映される」
そう思えることが、チームメンバーのやる気にもつながってきます。
心理的安全性を確保すること、これがリーダーシップの半分を占めると思っています。
悪口をいったら、すべてが崩れる
「チームメンバーの悪口を言わない」
意外と見落とされがちですが、心理的安全性を確保するのに重要な点です。
リーダーが、そこにいないチームメンバーの悪口を言ったします。
「あいつ、下手なんだよなー」
あなたならどう思いますか?
「自分も同じようなことを言われているんだろうな」
あるいは、
「自分もいつか同じようなことを言われそうで、怖いな」
そう思いませんか?
どんなに優秀で、話しやすくて、慕われているリーダーでも、メンバーの悪口を言った途端、これまで築き上げてきた信頼は一瞬で崩れてしまうと思います。
それくらい、チームメンバーに対する悪口はご法度です。
逆に、リーダーがチームメンバーの自慢を外部にすることは、やってやりすぎることはないと思います。
このリーダーは、
自分を見てくれている、
評価してくれている、
信頼してくれている。
そう感じれば感じるほど、メンバーはリーダーを信頼し、やる気も大きくなってくるでしょう。
自分の自慢はできるだけしない。
でも、チームメンバーの自慢はたくさんする。
テクニックのようですが、意識するのとしないのとでは、チームの士気が大きく変わってくると思います。
リーダーシップは難しいか?
最後に、これまでの議論を踏まえて、どんなリーダーが自分のチームにいてほしいかを聞きました。
- 自分の自慢をしない
- 意見を聞いてくれる
- 独占しない
- 自己中心的じゃない
- 全員を平等に扱ってくれる
- 仲間を責めない
- 嘘を言わない
- やさしい
等等
なるほど、どれもリーダーシップとして必要なことですね。
それでは、もし自分がリーダーになったとき、これらのことはできそうですか?
多くの場合、意識すればできそうかな、という感じでした。
そう、それが重要なのだと思います。
リーダーシップは意識するかしないか、なのです。
最初に確認した通り、リーダーシップとは「考え方」です。
知っているか、知らないか。
意識するか、意識しないか。
カリスマ性のような「特別な能力」が必要なわけではないのです。
リーダーシップの土台
最初に話したように、リーダーにはたくさんのタイプがあります。
炭治郎タイプ、赤木タイプ、ルフィタイプ...
大人たちも、自分なりのリーダーシップを試行錯誤して、勉強しています。
今日みんなで確認したことは、リーダーシップの土台だと思います。
- 目的を共有する、
- 心理的安全性を確保する、
- カリスマ性だけでは危ない、
- 人によって求めるリーダー像はいろいろある
- リーダーシップに特殊な能力はいらない、
等等
これらの土台を元にして、それぞれ好きなようにリーダーシップの枝葉を伸ばしていけばいいのです。
いろいろ試したり、観察したり、経験したりして、自分なりのリーダーシップを考えていってほしいと思います。
最後に、これからのヒントを一つ。
物語や歴史や実生活の中でリーダーを見つけたら、
「このリーダーはどんな考えのリーダーシップだろう?」
と観察してみるといいと思います。
いろいろなリーダーを観察して、これはいいやり方だ、自分だったらこうするのに、みたいに考え続けていれば、自分オリジナルのリーダーシップがどんどん成長していくと思います。
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