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かけっこ練習ノート - 本物と偽物の前傾

6月30日(木)
 
今日は6年生が修学旅行です。
ですので、今日の参加者は4年生以下の4人だけ。
今の6年生達がいかに太尾ランナーズの大きな部分を作り上げているかがわかります。
一方で、今日の4人だとまた違った色を出せることもわかりました。

崩れた体勢からのスタート


 この人数ではいつものドロケイはできないので、いつもとは違ったアップをしてみました。
自分を中心に左右5歩くらいのところにミニハードルを置いて、僕の右か左の合図で素早くミニハードルをさわるというゲームです。
重心の高さや足の動かし方など、いろいろな工夫ができます。
横への動きや、崩れた体勢から走り始められる動きも大切ですね。

偽物の前傾

今日は前回に引き続き、スタートの前傾動作を練習しました。
本物の前傾姿勢と偽物の前傾姿勢を実感できるトレーニングです。
 
まず、本物と偽物の前傾についてです。
簡単なイメージとしては、「気を付け、礼!」の時のお辞儀。
これは偽物の前傾です。
自分では体が前に傾いているように思っていても、お尻を後ろに突き出すことで体はしっかりバランスをとっています。
スタートの時は前傾だよ!というと、意外とこのバランスをとった前傾で走る子が多くいます。
こちらの方が安定していて安心だからです。
でも、この偽物の前傾姿勢では、逆に遅くなってしまいます。

本物の前傾


 では、本物の前傾姿勢とはどんなでしょう?
試しに選手の両肩を僕が支えながら、どんどん前に傾けていきました。
腰は曲げず、体はまっすぐです。
もし、このとき僕が手を離したら、みんなは地面に顔をぶつけるでしょう。
それがわかっているので、前傾しているときみんなは怖いと感じたと思います。
そうです、本物の前傾は怖いのです。
 
怖いのはバランスを崩しているからです。
人間はバランスが崩れていると、そのままでは倒れてしまうので、恐怖を感じます。
なので、「前傾をしよう」と言ってまず最初にするのは、バランスをとった偽物の前傾なのです。
逆に言うと、本物の前傾(バランスを崩した前傾)は、勇気を出して、意識しないとできません。
そして、このバランスを崩している状態こそが、人間が思い切り加速できる体勢なのです。

成功体験をつかむために

 本物と偽物の前傾がわかったところで、次は後ろ向きに座った状態から、合図と同時に20m先のゴールに走っていくトレーニングをしました。
本物の前傾ができれば速くなるという成功体験を得るための練習です。
 
例えば、スタートと同時に完全に立ってしまうと、速く加速ができません。
また、後ろ向きから前向きになる流れで前傾姿勢をつくれると、スムーズに加速ができます。
これが簡単なようで、やってみると難しいです。
それでも、繰り返すうちに流れるような動きで加速ができるようになってきました。
 
頭では加速には前傾が必要と分かっていても、試合などで緊張していたり、いろいろな事を考えているときには、ついいつもの走りに戻ってしまいがちです。
なので日ごろから、ゆっくり走る時でも、走り初めは少し前傾を意識すると体にいい動きを定着させられると思います。

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