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【物書き部企画】ワクワクの先に光るもの 二期生のりぴ~

物書き部 〜第二章〜 Presents
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちのインタビュー記事
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちとは?

自分の事務所兼住居を、自身でDIY・リノベーションしてしまった人がいる。
二期生、のりぴ~さんだ。代々木公園からほど近くにある彼の建築設計事務所『ゼロワンデザインベース』にお邪魔して話を伺った。

 「壁は妻と一緒に塗って。そこにあるローテーブルは、テーブルの余った材料を使ってます。そうですね、あそこにある棚も作って。土間はひび割れが恰好悪かったんで金継ぎしました。いずれ照明も自分で作りたいですね」
 さらさら~っと言われたが、「えっ? スキルヤバくないですか」と僕は驚きを隠せない。

 多彩な人である。建築から入った彼のキャリアは、カメラ、リノベーション、家具作り、アートプロダクト、コミュニティの価値再考などと広がりをみせる。

 直近ではファイナンシャルプランナーの資格を取り、次は電気工事の試験に臨むそうだ。(後日無事に第二種電気工事士取得)
 建築のデザインだけをずっとやり続けることもできるはずなのに、何がのりぴ~さんをそこまで動かすのだろう。
 のりぴ~さんは穏やかな笑顔を浮かべこう言った。
 「自分がワクワクすることを一番大事にしてきました」

 中高生の時期バスケにのめり込んだのりぴ~さんは、バスケで食べていきたいという思いを先生にそれは無理だからと一蹴される。
 自分は将来何がしたいのか自問する日々。そんな中、ある日視たテレビに映る『サグラダファミリア』(アントニオ・ガウディ設計スペイン)に心を打たれた。
 「形に残るモノ、地図に残るモノを作りたいって思いましたね」
 その後の詳しい略歴は公式HPに譲るとして、彼の人生において一つの分岐点になったのは『世界一周、建築を巡る旅』だろう。約九か月、彼は世界の建築に触れ見聞を広めた。
 その経験がモノ作りに活かされているかと聞くと、正直謎ですねと笑ったが好奇心の赴くままに行動するフットワークの軽さが仕事の仕方にもつながっているのは間違いない。

 「誰でもできること、っていうのはワクワクしませんね。建売りの住宅を設計してくださいってだけだと、それは自分じゃなくてもいいよなって」
 住む人に寄り添う、住む人がどう住みたいかをベースにのりぴ~さんの設計は始まる。
 例えばキッチンは、きっと奥さんがこう動くから、じゃあこのほうが動きやすいか、そうしたらこういう設計の方がいいよな、という感じ。住む人の為のデザインがしたいと思い続けた結果、自分で工事もするようになった。そこに置く家具まで作ってしまうようになった。
 「リノベーションの案件だと、一緒にDIYするんですよ。だってそのほうが住む家に愛着がわくから。家のメンテナンスだって昔の人は普通にしていましたし、家を大切にしますよ。住む人が自分で家に手を入れたら」

 モノ作りが本当に好きなんだな、のりぴ~さんと話していると確かに感じる。
 たむ小では、異業種の人とコラボレーションがしたいと話す。その顔もまた楽しそうだ。
 「実際に使える小学校とか、作ってみたいですね。カフェもやってみたい」

 会話の中で「自然に勝る建築物はない」とのりぴ~さんは仰っていた。
 曲線ひとつとってもそうですよね、と。
芸術、サウナ、旅。会話は色んな方向へドライブした。ただどれもが有機的につながっていて、自然なことなのだろう。
 たむ小の場で、のりぴ~さんのワクワクが加速することを願っている。


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↑のりぴ~が解体からセルフリノベーションしたアトリエ兼住居。


「インタビューを受けた人」
2期生 のりぴ~(大山友紀) 形に残るモノをデザインするお仕事。
2017年〈01 DESIGN BASE一級建築士事務所〉設立。http://www.01designbase.com/

「2021年5月現在」

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