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おいしい広告の方程式 #1

見た瞬間に「食べてみたい!」と思わせる「おいしい広告」には、ある特定の方程式が存在します。私たちの食欲を掻き立てる仕掛けを解明してみたいなと思います。
全部で4回。CMとグラフィックコピーの事例をバーっと見せていく回と、そのルールを紹介していく回で構成していく予定です。

#1  おいしいCMの事例集(←今回がコレ)
#2  おいしいCMの方程式(おいしさ表現の分解)
#3
 おいしいコピーの事例集
#4  おいしいコピーの方程式(おいしさ演出の分解)

味の素/ザ★ チャーハン

《解説》「おいしい広告の四天王」が存在ならば、そこに君臨するのは味の素。一般大衆が、どんなものを美味しいと思うのかを細かく分析して、映像に昇華しているのだろうと思います。
焼売の場合は、メーカーが伝えたい過度な情報の見せ方が秀逸だし、オンザライス焼売という行動をとってみたくなる演出が最高。

Bake/チーズケーキタルト

《解説》スイーツ業界の眠れる獅子「Bake」はCMをはじめWebサイト、SNSのコミュニケーションも素敵。トロッ&カリッのチーズケーキタルトをつい頭の中で過大に想像してしまう仕掛けがたくさん詰まっているCMになっています。
若年層を想定した商品の演出が他社のCMとどのように違いのか研究してみると、ターゲットの「差」が炙り出せるかも。


モスバーガー/モスバーガー・テリヤキバーガー

《解説》ハンバーガーは肉汁やテリとかあるので、おいしそうに見せやすい食べ物のひとつだと思いますが、モスバーガーは王道の見せ方ながら、鮮度や食材へのこだわりも同時に表現できているように思います。
商品のアップ画像と引き画像のバランスが良くてしつこくなく、素直にヨダレが溢れるCMに仕上がっています。

味の素/丸鶏がらスープ

《解説》おいしそうなスープの見せ方はもちろんのこと、商品の使い方とか、背景に見える「時短料理感」の表現も上手だなって思います。
もやしではなくて、豆苗を使って料理しているところも、リアルな家庭実態をきちんと反映しているのだろうなと思います。

セブン-イレブン

《解説》コンビニ各社の中で、一番おいしそうなCMはやっぱりセブン-イレブン。Bakeとは対極的に、老若男女がおいしそうと一瞬で認識できるシズルの見せ方。ある意味保守的だけど、コミュニケーションロスを生まない設計だなぁと思います。

スターバックス

《解説》スターバックスに行く時って、商品だけでなく、店舗の雰囲気や「購入する自分のスタイリッシュさ」を求めて、ということもありませんか? 商品だけでなく、その体験にお金を払う感覚。
だからCMも「食品のCM」というよりは、まるで「アパレルのような、ファッショナブルなCM」。
「飲んでみたい」という気持ち以上に「商品を持って出歩きたい」という気持ちを醸成しているのではないでしょうか?

アヲハタ

《解説》消費者に媚びていなく、まるで映画のような作品を見ているような感覚。ジャムの色の美しさ、生活の中にあるときの幸福感の見せ方が上手なんだろうなと思います。ただし、全体的に既視感があって、発見をプラスできれば、もっと心が動くのだろうとか思ったり。。


パスコ/超熟

《解説》人は溶ける存在(今回はバター)を見ると、どうしてヨダレが出てくるのだろう。食の原体験として、それが美味しい!と知っているからかもしれないですね。毎日の暮らしの中にある食パンの指名買いを促すって、本当大変な努力が必要だと思います。

ハーゲンダッツ

《解説》たかがアイスクリーム、されどアイスクリーム…。
少し溶けたアイスの上質なしっとり感と、女優の唇。ワンランク上のアイスクリームを表現するコピーの総力戦として「ハーゲンダッツ感」がまとめられています。他のアイス類と一線を画す画面上下の帯の幅も、きっと研究されているのだろうなぁ。

ニッスイ/おさかなソーセージ

《解説》なかなかシズりにくい「魚肉ソーセージ」でよくここまでできたなぁ!と感心してしまった一本。ソーセージの切り方や、焦げ目でシズルをプラスする工夫をしたところに、努力を感じます。みんなが大好きな屋台の焼きそばをセレクトしたところもセンス良いなぁ。


紹介したおいしそうなCMの共通点とは何か?
次回紹介していきます。
(※CM動画は各メーカーさんのYouTubeより貼り付けてます)



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