身体とファッションの関係

思春期を迎えた頃から自分の身体のかたちがとても嫌いでした。一般的にいう下半身デブです。第二次性徴の始まり、胸が大きくなるのと同時に下半身も大きくなっていき、でも上半身は変わらず小さいままだったので、何ともアンバランスな体型に。

どっかで見たことのあるような足の形だなぁと思っていたら、自分の母親と父方の祖母を足して二で割ったような、何とも遺伝の恐ろしさをひしひしと実感したものです。それ以来、もう28歳になりますが、足の形が変わったことはありません。

中学高校時代はとにかく足の形を見せたくなかったのと、京阪神(特に大阪)で制服のスカートを極限までずらして履くというよくわからないファッション(古着系?)が流行っていたので、そのファッションを好んでしていました。その頃は心の底から、ミニスカートよりそっちの方が好きだと思ってたけど、正直自分の身体のかたちの呪縛を知らぬうちに受けていたようにも思います。

大学生になって、みんなと同じ制服を着る必要がなくなっても、基本的にロングスカートか幅の広いパンツを履き続けました。必要に応じてピタッとするジーンズやスーツを着なければならない時は憂鬱でした。

ずっと短いスカートを履きたいとか、スキニーデニムを履きたいと思ったことはなかったのです。死ぬ気でダイエットもしたこともありません。でも私の醜い足を人様の前に晒すなんて恥ずかしい、申し訳ないという気持ちがずっとありました。なので、私の足を隠すことで社会から許されているかなと思っていました。

今、私はヨーロッパに住み始めて二年目。いろんな人種、民族、身体、ファッションを見てきてようやく、自分が囚われていた女性の身体のあるべき姿に気づき始めました。体型によってファッションが制限される必要なんてない。当たり前すぎて、自分もどこかで聞いたことがある言葉だけど改めて、自分で自分に偏見をもって、いかに色んな可能性を見過ごしてきたか思い返します。

四月から、ブダペストでレトロデザインの膝上丈のワンピースをいくつか手に入れて最近着ています。ここ数年、必要がない限り新しい服を買っていなかったので、久しぶりのファッションのための買い物。何か大きな出来事があったわけじゃないけど、ちょっとこころの持ちようが変わったような。

そして改めて自分の足を街の中で見て、思ったより別に太くないなとか、全体の形というよりは膝の上の肉が嫌なんだなとか、より自分の足に対するより具体的な感想が湧いてきて、結果継続的にダイエットする(というか生活習慣を変える)ようにもなりました。

自由なファッション、それだけで私の内面も変えてくれるような。春の気持ちいお日様下で、ワンピースをさらりと一枚。とても清々しく、気持ちがいい。

この格好を日本に帰ったときにできるといいんだけどな。それはまた次の試練。