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1万日生きた私が、PM歴888日目に考えるプロダクトマネジャー

1995/9/11に生まれ、2023/1/27に人生1万日を達成しました。
2020/8/26にプロダクトマネジャー(PM)を任命され、インプットとアウトプットを始めてから本日で888日目になります。
これまでピボット、0→1、0→1→10と3プロダクトを担当してきました。

注意

このnoteはあくまで個人的な思考を垂れ流しており、何かしらの論証を行うものではないことをご了承ください。

はじめに

プロダクトマネジャー(PM)とは?

PerplexityAIさんに聞いてみると、「製品や機能が満たすべき顧客のニーズとより大きなビジネス目標を特定する役割」らしい。
個人的には特に違和感はありませんが、そのために何をするの?っていう内容を以下で書いていきます。

ついでに、MBTIでいうとENTJが最もPMに向いているらしいです。
私はENTPなので、イノベーティブなプロダクトにおいてはPMに向いているようですw

PMのお悩みごと

プロダクト筋トレ(通称:プロ筋)という現在3700名ほどが参加しているコミュニティで運営をしているのですが、PMやPM志望の方からお悩み相談を受けることがよくあります。
また、プロ筋では定期的にそのような悩み事を相談する場や、意見やアドバイスを求めるチャンネルがあります。
興味のある方はぜひご参加ください!

PMのお悩みごとは以下のようなものが多い印象です…

  • 経営層との方針の握り

  • ロードマップの作り方・使い方

  • バックログ管理

  • ユーザーインタビュー

  • プロジェクト進捗管理

などなど…幅広い…。
しかし、「製品や機能が満たすべき顧客のニーズとより大きなビジネス目標を特定する役割」における最優先事項はそれらを得ることでしょうか?
もちろんそれらの知識は重要ですし、あって損はしません。
ただ、本当に必要な考え方を身に着けた上で使えるものかと思います。

プロダクトマネジメントとは?

「プロダクトの成功」を目指す

プロダクトマネジメントは「プロダクトの成功」を目指した行為です。それはつまり、ビジョン実現のための様々な行動を支えることだと思います。
戦略立案や営業活動、コーディングやデザイン制作などプロダクトづくりには様々な行動が含まれますが、これらは「プロダクトの成功」に向かっていなければ意味をなしません。

ビジョン実現のための戦略に基づいたプロダクトマネジメントによって、各行動はプロダクトの成功に向かったものになっていますか?
本当にプロダクトづくりをしていますか?

プロダクトづくりとは?

私は、プロダクトづくりの主要素を以下のように階層的に捉えています

  1. ビジョン:どんな世界にしたいか?

  2. ビジョン実現のための戦略

    • ユーザー価値:誰をどんな状態にするか?

    • 事業収益:どの市場に何を売るか?

  3. 戦略実現のためのプロダクトマネジメント

    • 以下の様々な行動を戦略に則った形にする

  4. プロダクトをつくる様々な行動

    • ユーザー:ユーザーを理解し、価値を届ける

    • ビジネス:市場を理解し、売る

    • テクノロジー:提供する価値・売る価値を実現する

先述の通り、PMがよく頭を悩ますのは、具体的に何をすべきかです。
ネットや本を探せば、セオリー的なものは大量に見つかります。
一方で、あなたのプロダクトと同じビジョンで同じ戦略で同じプロダクトマネジメントの形を持った事例は存在するのでしょうか?
如何に優れたセオリーであっても、その行動をそのままに適用できることはほとんどありえないと思います。

ある会社の事例からプロジェクト管理を学び、そっくりそのまま適用しようとしてうまくいかないなんて話をよく聞きます…
それはあなたの戦略、組織体制やチームメンバーに適していますか…?

他にも、テック大好きなエンジニアが最新技術を学び、時間を費やした開発の結果、全く売れないプロダクトが生まれるなんてことも…
それはビジョンや戦略を実現するテクノロジーですか…?

プロダクトづくりの諸要素

プロダクトをつくる様々な行動を分類してみました。
これがプロダクトづくりの全てだ!MECEだ!と言いたいわけではありません。あくまでイメージを持ちやすくするための図として考えてください。

繰り返しにはなりますが、これらの諸要素が、プロダクトの成功に向かっていなければ、それはプロダクトづくりではありません。

私は、プロダクトマネジメントとは、この諸要素とビジョンおよびその実現に向けた戦略とを結びつけ、更には各要素が連関するような仕組みそのものだと考えています。

コミュニケーション

会社や組織には、共通の目的としてのビジョンがあり、各々が協働して成果を出していく、そのためにコミュニケーションが重要になる。
それと同じように、プロダクトマネジメントもまた、共通目的としてのビジョンがあり、諸要素同士が協働することが成果に繋がり、そのビジョンに向かう協働を成り立たせるための仕組みが必要です。

それ故にプロダクトマネジメントのキモはコミュニケーションにあります。このコミュニケーションは「共通認識化」と訳せます。
また、プロダクトマネジメントそのものをコミュニケーションと捉えることも出来ると思います。

PMの役割は?

プロダクトマネジメントは誰が行う?

プロダクトマネジメントはビジョンという共通目的に向かい、その実現に向けた様々な行動を結びつけることであり、コミュニケーションであるとしました。
そのようなプロダクトマネジメントは誰が行うのでしょうか?
私は、プロダクトづくりに関わる全てのステークホルダーが行うべきことだと考えています。

実際に、私が現在PMをしているチームでは、エンジニアやデザイナーもプロダクトマネジメントをしていると各々が認知しています。
また、会社の組織体制上部署は別れてしまっていますが、営業・納品を行うチームもプロダクトマネジメントをしています。
それはつまり、プロダクトづくりがビジョンの実現に向かい続けられるようなコミュニケーションを行っているということです。

PMが本当にすべきこと

プロダクトマネジメントは全員でやることと考えている私ですが、PMとして何をやっているか?

主にやっていること
※あくまで私の組織・チームに合わせた役割であることにご注意を

  • プロダクトビジョンの浸透

  • プロダクトビジョンに向かっているかの観点での意思決定

  • プロダクトマネジメントの文化づくり

  • プロダクトマネジメントの仕組みづくり

    • ロードマップの決め方やバックログの扱い方などのルール整備など

  • プロダクトマネジメントが機能するためのチームビルディング

  • 全ステークホルダーの認識統一のためのビジュアライズ

    • 言語化、構造化、図示など

つまり、プロダクトマネジメントが機能するためにプロダクトマネジメントそのものをマネジメントしているイメージです。
「プロダクトマネジメントマネジャー」が正しいかもしれませんw

もちろん、0→1のフェーズなどでは営業や納品を実際に行うこともありましたし、ローンチ前はPjMの如く進捗管理の鬼になってたこともありました。
しかし、それらはあくまでビジョンに向けたプロダクトマネジメントを行うためにそのタイミングでとった戦術であり、PMの役割ではないと思います。

不足した要素があるなら補うことはPMとしてやれるに越したことはありませんが、それはあくまで打ち手の一つでしかありません。
まずはビジョン実現に必要な要素が不足しないようにプロダクトマネジメント全体を見て、機能するように必要な手を打つことが重要かと思います。

今日からできること

ここまで読んでいただいた方には本当に申し訳ないのですが、私の考えるプロダクトマネジメントおよびPMのあり方は、実際は多くの日本企業では難しいかと思います。
それは、プロダクトマネジメントという考え方がまだまだ浸透しておらず、そして考え方は持っていても会社の経営方法からそこに合わせられている企業はごく僅かだからです。

一方で、PMとして、もしくはプロダクトマネジメントに関わるものとして、今日から出来ることがあります。

あなたのプロダクトのビジョン、プロダクトマネジメント、そしてプロダクトに関わるステークホルダーを見つめ直してください。

  1. あなたのプロダクトは、どんな世界を目指していますか?(ビジョン)

  2. そのビジョンは、全ての主要なステークホルダーの共通認識ですか?

  3. そのビジョンを実現するために、誰をどんな状態にしますか?(戦略)

  4. そのビジョンを実現するために、どの市場に何を売りますか?(戦略)

  5. 戦略実現のために、どのような要素が必要ですか?
    (ユーザー、ビジネス、テクノロジー…)

  6. どんなステークホルダーが関わっていますか?

  7. 諸要素とステークホルダーは、ビジョン実現に向かえていますか?

  8. ビジョン実現に向かうために、何ができそうですか?

おわりに

まず、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
今回書いた内容は、平たく言えば「プロダクトマネジメントは、ビジョン実現を目指すプロダクトづくりにおける諸要素を繋げる行為であり、PMはそのプロダクトマネジメントが機能し続けるように手を打とう」です。
もしよろしければ、Twitterでの拡散や意見・感想をいただけると幸いです。

個人的な考えを展開しているため、さらにわかりにくくなると思い言及を避けましたが、私はプロダクトに関わるステークホルダーをまとめて一種の生態系と捉えており、プロダクトマネジメントは生態系の保持に他ならないと思っています。生態系の話は、組織論的な話とも絡めたく、かなり複雑になると思いますのでそのうち別で書きたいと思います。

PMはもちろんエンジニアやデザイナー、経営層や営業がプロダクトマネジメントに関心を寄せ、皆でビジョン実現に向けてプロダクトづくりを行う。
そのような生態系を、理想的なプロダクトチームを創れるように、精進していきます。

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