見出し画像

信頼と安心の熟成を生む「パートナー取材」とは?

夫に(妻に)なにを言っても変わらない。

どれだけこちらの気持ちを伝えても変わらない。

パートナーと分かり合えないのは辛いですよね。

もし、あなたもそう感じているなら、あなたに必要なことは「話すこと」ではなく「聞くこと」なのかもしれません。

そして、あなたのパートナーに必要なことは、あなたの話を「聞くこと」ではなく、自分の思いを「話すこと」なのかもしれません。

取材ライターの野内菜々さんが、夫婦関係に関する意外な視点を記事にされていました。

今日はこの記事からの気づきを書きたいと思います。

野内さんは夫の矛盾する言動が理解できず困り果てていたのですが、仕事でつちかった「取材テクニック」で乗り切ります。

端的に説明すると、まずパートナーを観察。それから言動の奥底にある気持ちの理解に徹しました。そして彼がすんなり納得できる言葉に変換し、伝え方を工夫したのです。ただこれだけです。

すると彼は、一方的に価値観を押し付けることが少なくなりました。妻であるわたしの伝える内容を自分ごととして理解できるので、今までの矛盾した言動を反省するようになりました。

野内奈々さんのnote

すごいことがサラッとと書いてあるんですが、野内さんは接客業や営業職が仕事で使うテクニックを、夫婦のコミュニケーションに応用されているんです。(野内さんの場合は取材テクニック)

夫が言っていることを受け止められない。

夫の行動が理解できない。

そういうことって、たくさんあると思うんですね。

自分勝手な発言や行動に見えてしまったり、言っていることとやっていることが矛盾していたり。

(お前はなにを言っているんだ……)

と思ってしまうことってありますよね。

仕事でもお客さんの言っていることの真意がわからないことってあると思うんです。

ぼくも呉服販売員をしていた頃、お客さまが望んでいることを理解するのにかなり時間がかかりました。

(高額商品を売りつけられるかも)とおびえられているときもあるので、なかなか本心を言ってくれません。

どうでもいい世間話で終わってしまい、肝心の商品のクロージングができず、何度も先輩に怒られたことがあります。

お客様が少しずつ心を開いてくれるようになっても、自分の気持ちをうまく伝えられる人はそうそういなくて、こちらがお客様の言葉を解読しながら、気持ちを推測することが多かったんです。

うまく解読ができ、お客様の言語(思考のクセ)でコミュニケーションが取れるようになると、一気に距離が縮まりました。

夫婦関係に悩む方のお話からも「夫(妻)の気持ちがさっぱりわからない」「まったく気持ちを話してくれない」「言っていることを受け止められない」といった言葉がよく出てきます。

こういったことがなぜ起こるかと言うと、人は自分が思っている以上に話がうまくないからだと思うんです。

誰かに自分の気持ちを伝えるためには、次の三つのステップが必要だとぼくは思っています。

①心の奥に眠る感情を言語化する
②相手に理解してもらうために、話の構造を論理的に整理する
③相手の心に届けるために、その人の心に響き、納得できる言葉を選ぶ

例えば、ぼくの妻はぼくにこう言ったことがあります。ぼくが社員旅行中に妻への連絡を忘れていたときのことです。

あっちゃんから連絡をもらえなくて、世界にわたしと子どもたちだけが取り残されてしまったような気持ちになったの。すごく寂しかった。

「寂しかった」という感情の言語化。

なぜ寂しかったのかという倫理的な説明(連絡をもらえないことで自分たちのことを忘れられていると感じた)。

ぼくの心に響く言葉の選択(世界にわたしと子どもたちだけが取り残されてしまったような気持ち)。

この三つがそろったから、ぼくの心が動き、二度と妻に寂しい思いはさせないと思えるようになったんです。

呉服販売でも、この3ステップがうまい人はやはり成績がよかったです。普段からのコミュニケーションも心地よかったです。

だけど、これはすべての人ができるわけじゃないんです。

まず、自分で自分の気持ちに気がつくこと自体が難しくて、自分と深く向き合うか、他者との対話の中でしか気づけないんですよね。

それに、相手に気持ちを伝えるには、お互いに対するリスペクトが必要なんです。

だからこそ、野内さんがやられている「パートナーへの取材」は効力を発揮するんです。

自分では気がつけない心の奥底にある感情を、パートナーが丁寧に拾い上げてくれる。これほど嬉しいことってないですよね。

「いや、なに言っているかわからないから」と切り捨てるのではなく、相手の言葉の背景を理解し、相手の言語で気持ちを言葉にしてくれる。

(あぁ、この人はぼくの話を聞いてくれている!理解してくれている!)

そんな気持ちになれるんですよね。ぼくだったらものすごく嬉しいです。

そして、こんなにも話を聞いてくれるから、親密感を今まで以上に感じて、もっと話を聞いてもらいたいと思うようになるんです。

これが続いていくと、パートナーが自分にとって唯一の理解者であるかのような気持ちになっていくんです。

(この人は自分のことをわかってくれている)

その思いが相手への愛着を強くさせ、この人を失いたくないという気持ちに変わっていくんです。

ぼくも、妻がぼくの話を聞いてくれている時に、ぼくのことを理解しようとする「意思」を感じる時があります。

それはとても嬉しいし、(この人をもっと大切にしないと)と思えるようになるんですよね。

すると、夫婦がなにかを決めるときにも、お互いの共通言語が作られているので、揉め事が少なくなるなって感じています。

パートナーへの取材は、話しやすい関係性を作り、お互いへのリスペクトを高め、それを繰り返すたびにふたりの絆が高まっていくという効果があるんだと思います。

なによりも「お互いへの信頼感と安心感の熟成」が大きい気がしています。

ぼくも妻とのコミュニケーションで「取材」を意識してみようと思います。

もし、あなたもパートナーとのコミュニケーションで困っているなら、試す価値はあるかもしれませんね。

ぜひ、野内さんの記事も読まれてみてください。きっとヒントが見つかると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?