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ちょうどいいレベルの修羅場の体験が、夫婦を”チーム”にするという話

「子どもが小さい時から家族みんなで海外で暮らすっていうのはね、みんなが団結しないとやっていけないんだよ。」

8年間香港に海外赴任をしていた先輩のお子さんと会う機会があったのですが、高校生なのに父親と仲が良くてすごくいい子だったんですね。

なんでそんなに親子仲がいいんですか?と聞いたら、先輩はそんなことをしみじみと言っていたんです。

夫婦仲もすごく良くて、その秘訣も「慣れない海外生活を夫婦で一緒に切り抜けてきたから」なんだそうです。

林伸治さんもnoteで家族について「死ぬ前ずっと一緒にやっていくチーム」と書かれています。

この”チームとしての認識””チームとしての絆”が夫婦関係に大きく影響しているんだろうなって思うんです。

だけど、多くの夫婦ではチームとしての絆を育み機会がないまま、恋人から夫婦へと一気にステージが変わっちゃうんじゃないのかなって思うんです。

ぼく自身が妻とチームとしての意識を強く持てたきっかけは偶然生まれた三男のおかげでした。

育休の最初の1週間は、ぼくと長男次男(当時4歳)だけの3人の生活でしたが、そこで(妻がいない生活ってこんなに大変なのか…。)と思い知ったんですね。

育休中だから働いているわけではないんですが、それなのにこれだけ大変ってどういうことなんだと思うくらい大変な日々だったんです。

長男次男は双子なので、彼らが生まれたばかりの頃の方が体力的にきつかったですが、その時にぼくに生まれたのは”父親としての意識”だけで、妻とのチームとしての絆や”夫婦の絆”までは生まれてなかったんじゃないかと思うんです。

まだぼくは、妻に対して”恋人”のような意識をかすかに抱いていたんだと思うんです。

過酷過ぎる双子育児の負担の多くを妻が担うことによって、ぼくらのお互いに対する認識は少しづつ変わっていったんです。

妻は当時を振り返って、ぼくらの関係のことを「シフト制の双子お世話人」と表現していたんです。

昼間は妻が子どもの面倒を見て、仕事から帰ってきたぼくが深夜から朝方まで面倒を見ていたので、シフト制の仕事のような感じだったんです。

でも、長男次男が7歳になり、三男がもうすぐ4歳になる今、妻はぼくらの関係を「運命共同体」と呼んでいたんです。

「なくてはならない存在で、まるでもう1人の自分のような感じ」

と言っていたんです。

妻がそう思ってくれるようになった理由は、たぶんぼくらが三兄弟の育児を通してチームビルディングができたからだと思うんです。

三男が生まれなかったら、きっと妻はぼくらのことを「運命共同体」とは呼ばずに、「三兄弟お世話人」とか「同居型シッター」とかそんな表現をしたんじゃないのかなって思うんです。

この違いってなにかというと、ぼくらがお互いのことをケアしあっているかどうかだと思うんです。

なんでぼくらがお互いを気にかけ合っていられるかというと、ぼくが三男の育休中に妻と同じ目線で物事を見られるようになったからだと思うんです。

そして、それはぼくらにとってチームビルディングをするにあたって、ちょうどいいレベルの修羅場だったんだと思うんです。

長男次男の双子育児の時は、あまりに過酷すぎてぼくも逃げ出したくなっていましたが(長期の育休を取らなかったことも原因だと思います)、三男が生まれた時は長期間の育休を取って仕事を休んでいたので、経済的なプレッシャーや仕事の疲れもなく、家事育児に集中できたんだと思うんです。

こういう長期の育休や、家族と一緒の海外赴任といった、頑張れば乗り越えられるレベルの修羅場が夫婦の絆を強めてくれる”チームビルディング”になるんだと思うんです。

夫婦関係が「シフト制の子どもお世話人」から「運命共同体」へと変わるためには、適度なレベル設定の修羅場の経験が必要なのかもしれないなって思うんです。

突然やってくる出来事に対して、ゲームのように難易度設定はなかなかできないと思うけど、「妻と一緒に乗り越える」という”意識”や「長期の育休」という”制度”を利用すれば、ある程度のレベル設定はできるのかもしれないですね。

難しすぎる難易度だと妻も自分も疲弊してしまって、お互いにいがみ合ってしまうけど、二人が協力すれば乗り越えられるレベルならば、夫婦の関係性を「チーム」へと変えてくれる力があるんだと思うんです。

これからもぼくら家族には何かしら変化が降りかかってくることがあると思うけど、夫婦のチームビルディングのいい機会だと思って乗り越えていこうと思います。

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