見出し画像

「わたし、結婚に向いてないから」は本当か?

「わたし、そもそも結婚に向いてないから。あなたとうまくやっていくことできないの」

妻にそう言われ困っているという話をある男性から聞きました。

妻は、話し合いになると黙り込むか、泣き叫ぶように反発する。

とてもじゃないがまともな会話なんてできない。

やっと口をきいてくれたと思ったら「わたし、結婚に向いていないから」と言う。

本当に結婚に向いていない人がいるのでしょうか。

確かにそういう人も中にはいるのかもしれません。

ですが、ぼくは多くの場合そうではないのではと思っています。

みんな、ただ知らないだけなんだと思います。

夫婦のリレーションシップの作り方を。

結婚する以前の恋愛関係はとてもシンプルでした。

好きだから付き合う。

好きだから一緒にいる。

相手の嫌なところが見えても、そこまで気にならないですよね。

好きな気持ちが大きいのでネガティブな面は見えなくなり、感情を言葉にしなくても分かり合えている実感を感じられます。

結婚するとこの感覚がなくなり、相手のことをもう好きではなくなったと感じるようになります。

好きではないから結婚生活は続けられない。

わたしは結婚に向いていないんだ。

だけど、実は誰もが同じことを感じているんです。

人が恋に落ちるのはフェニルエチルアミン(通称PEA)という神経伝達物質の効果です。

PEAは3〜4年で効果が切れます。

恋愛感情も大体それぐらいで切れますよね?

同じ人と付き合っていても、なんだかマンネリしたなと感じるのはPEAの効果が切れたからです。

好きな気持ちがなくなってしまうのは結婚に向いていないからではなく、単にホルモンの効果切れなんです。

そして、これはすべての人間に起こります。

では、ずっと仲のいい夫婦とそうでない夫婦の違いはなんなのか?

それは、「愛着関係」を築けているかどうかです。

恋人と夫婦では、絆の構成要素が異なるんです。

恋人は「恋愛感情」、夫婦は「愛着感情」をお互いに感じ合えているかどうかが大切になるんです。

昔の夫や妻が、何も言わなくても気持ちをわかってくれていた(と感じられた)のは、PEAによって二人の絆がガッチリと固められていたからです。

夫婦となった今、そう感じられないのは愛着関係を築けていないからだけなんです。

では、どうすれば愛着関係を築くことができるのか?

そのためには、パートナーと情緒的な部分でつながる必要があります。

口を開けば喧嘩になってしまうことってありますよね。

言うつもりがなかったことや、それを言ったら関係性が終わってしまうことをつい言ってしまう。

とてもじゃないけど、自分の素直な気持ちを伝えることなんてできない。

そう思うこともあると思います。

なぜ、心の奥にある柔らかな感情を夫や妻に伝えられないのか?

怖いからです。

素直な気持ちをさらけ出し、否定されること。

自分の柔らかで繊細な心を相手に否定されると、裏切られたような苦しみを感じますよね。

心をナイフでえぐられたように傷つき、二度とこの人には心を開かないと思うはずです。

怖いですよね。

自分にとって大切な存在であるべき人に裏切られるのは。

うまくいっている夫婦もいるのに。お互いに言いたいことを素直に言い合えている夫婦もいるのに。

自分たちがうまくいかないのは、わたしが「結婚に向いていないから」だ。

そう思ってしまいますよね。

だけど、みんな言わないだけで同じような苦しみを感じた経験があるはずです。

うまくいっているように見える夫婦が、お互いに気持ちをシェアし合えているのは、相手に対する信頼があるからです。

ぼくら夫婦はこの信頼を作るのに6年かかりました。きっと他の人も時間をかけていると思います。

信頼されている。愛されている。

そう感じられるから気持ちを伝えられるんです。

情緒的な部分でつながることが怖いのは、相手からの信頼や愛情を感じられないからです。

そして、相手からの信頼や愛情を感じられるためには、情緒的につながる必要があるんです。

まず、情緒的につながる。

それによって心理的安全性が構築され、信頼や愛情を伝え合い、お互いに感じられる好循環が発生する。

その好循環によって、その夫婦はお互いの気持ちを自然とシェアできるようになる。

何気なくうまくいっているように見える夫婦であっても、まず情緒的につながるというファーストステップがあるんです。

では、どうすれば夫婦は情緒的につながることができるのでしょうか?

以前書いたように、「お互いへの期待をすり合わせる」、「映画のような丁寧な心理描写」、「期待値を下げる」ことが効果的なんじゃないのかなと、今のぼくは考えています。

相手が気がついていない「わたしの悩み」をわかってもらえるという期待を捨て、丁寧な心理描写で相手の自分の感情を体感させ、お互いに対する期待を認識することで、つながりやすくなるんじゃないかと。

あと、真剣に何度も伝えることや、最悪別れるという覚悟も大切だと思います。こちらのKさんの記事のように。

夫婦のリレーションシップ構築方法は学校や会社では教えてもらえませんよね。

友だちとはグチを言い合うことはあっても、有益なアドバイスをもらうことは少ないです。

夫婦のリレーションシップに関する知識へのアクセスが限られているからこそ、多くの人は諦めてしまうんだと思います。

私には結婚は向いていないと。

だけど、向いていないんじゃなくて、知らないだけなんです。

知ることができ、実践することができ、自分たち夫婦にとってのベストな距離感を掴むことができれば、きっと結婚生活は楽しいものに変わるはずです。

「わたしは結婚に向いていない」と感じる方の参考に少しでもなれば幸いです。

(参考になった、面白かったと感じられたら、いいねやシェアやフォローをしていただけると嬉しいです!)

ーーーーー

記事のご感想をいただけると執筆の参考になるのでとっても嬉しいです!

コメント欄に書くのはちょっと恥ずかしいという方は、下リンク先のご感想フォームをお使いください。これはぼく以外には見れないので安心してください。

▶︎noteご感想フォーム


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?