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パートナーにセックスも家事も育児も求めるのは間違っているのか?

「パートナーに、セックスも家事も育児も、すべて求めるのは間違っていると思うんです。恋愛と家族は別物ですし、性的な部分で折り合いがつかないなら、他のパートナーを探してもいいんじゃないかな?」

最近、そんな記事を見かけるようになり、ちょっとモヤモヤしていたんです。

なんでモヤモヤするのかちょっとだけわかったので、今日はそのことについて書こうと思います。

ぼくは、多くの人は夫婦の性について軽く考えすぎなんじゃないかと思っています。

自分はしたいのに相手が応えてくれなかったり、適当にはぐらかされると辛い気持ちになりますよね。

特に子作りにパートナーが協力的じゃないと、同じ目線に立ててくれていない寂しさを感じるし、自分の意見を尊重してくれていない疎外感を強く感じてしまいますよね。

同じ家の中で暮らしているのに、夫婦のはずなのに、パートナーがまるで他人のように感じる。

どんどん自分から遠く離れていくように感じる。

初めはそういった寂しさを強く感じますが、自分でも気がつかないうちにパートナーに対して恨みが生まれ、それは時間をかけて肥大化していきます。

目に見えない時限爆弾のように。

性の問題のはずだったのに、相手のすべてが嫌になるようにもなりますよね。

なんでこんなにも、性の問題は夫婦をややこしくさせるんでしょうか?

自分はしたい、相手はしたくない。ならば、自分はよそでしてきてもいいのか?

自分はしたくない、相手はしたい。ならば、相手はよそでしてきてもいいのか?

仮面夫婦として、性の問題は他にパートナーを作ればいいのか?

実際に、妻からそういった相談を受け、妻がセックスパートナーを作ることを承諾した方がいますが、めちゃくちゃ後悔していました。

また、夫からの誘いが多すぎてうんざりしていた女性が、風俗にでも行ってきてよと言い、実際に風俗に行かれたらさらにに夫のことが嫌いになったという方もいました。

自分がしたくないので断っていたら夫が浮気をしていて、PTSDレベルのトラウマを負った女性もいます。

セックスとパートナーシップが別物ならば、こんな問題が起こるわけがないですよね。

みんな、性の問題は夫婦の問題と別だと思っていたんです。

だから、妻や夫に恋人ができても、定期的にセックスする相手ができても、風俗に行かれても、問題ないと思っていたんです。

だけど実際にそうなってみると何が起こるか?

みんな戸惑うんです。

心が大きく揺れるんです。

性の問題って、ニーズと供給がマッチしているところで済ませればいい話じゃないんです。

ハンバーガーが好きじゃないから、定食屋でご飯食べますという話じゃないんです。

人間の脳の一番奥には「脳幹部」というものがあって、そのまわりに「辺縁系」というものがあります。

脳幹部は生命維持に関わっていて、辺縁系は恐怖などの生物的な感情に関わっています。

このふたつは無意識で動いているので、意識して動かせません。

そして、セックスは脳幹部と辺縁系に関わってます。

理性でどうこうできるものじゃなくて、本能に関わっているんです。

人が理性で動かせるのは、辺縁系のまわりにある皮質だけなんです。

多分ですが、性の問題が起こった時に、「よそで済ましてきてよ」とか「他に恋人作ったら」と言ってしまうのは皮質の仕業なんです。

私はできない。あなたはしたい。外にはあなたのニーズを満たしてくれる人がいる。ならば、外でしてください。

そうやって理性的に判断しているんです。

だけど、実際にことが起こると戸惑ってしまうのは、脳幹部と辺縁系が恐怖を感じているからなんです。

捨てられる!遠くへ行かれてしまう!

なぜ、そう感じるのか?

あんなにも距離を置きたがっていたはずなのに、なぜパートナーが遠くへ行ってしまうと恐怖を感じるのか?

それが、あなたがパートナーとの間に”愛着”を感じているからなんです。

夫や妻に本気で嫌悪感を抱いていたら、(よそでしてくれてスッキリした。これでうるさいことを言われなくても済む)と思うでしょう。

だけど、そうじゃないのなら、パートナーに対して夫婦関係の土台となる愛着を、かすかにでも抱いているということなんです。

セックスと愛着(≒パートナーシップ)は別物なんかじゃないんです。

このふたつは深く密接につながっているんです。

ただ、多くの人が自分の愛着に気がついていないだけなんです。

夫に抱いている愛着。

妻に抱いている愛着。

誰も彼もが忙しい毎日を送るなかで、そんなことを感じ取る余裕をなくしているんです。

夫に抱いている気持ち、妻に抱いている気持ちが誰にもあると思うんです。

それは、こうあるべきとか、こうすべきとか理性で語られる言葉じゃなくて、こうして欲しいという本能の言葉で表現するものなんです。

脳の表面で考えるんじゃなくて、奥深いところで感じ取るんです。

自分の心はなにを感じているのか、心で感じるんです。

ぼくのポッドキャストにたまに出演してくださる臨床心理士さんの上遠文恵さんは、以前こんなことを言っていました。

「気持ちって、首から下で感じるんです」

心の奥に眠っている気持ちを掘り起こし、それを言語化し、パートナーに受け止めてもらえたとき、きっとそこには大きな変化が生まれるはずです。

セックスと愛着がつながっていることにも、きっと気づけるようになるはずです。

それは、単に性欲を満たすための物欲的な行為ではなく、愛されていることを実感する行為であり、不完全な自分を受け止めてもらえる行為であり、生きている実感を強く感じられる行為だからです。

そして、それに気がつくことができれば、セックス以外の方法でもそれらを満たすことができることに気がつくはずです。

夫婦のセックスの問題を軽く考えてはいけないんじゃないのかなって、ぼくは思っています。

女性向けに無料で夫婦関係相談(ZOOM)に載っています。

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