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「男女で見えている世界が違う」は本当か?

男と女は見ている世界が違うという。

男は男の目線で世界を眺め、男の価値基準をもとに社会や家庭を定義づける。

女は女の目線で世界を眺め、女の価値基準をもとに社会や家庭を定義づける。

ふたりがお互いの世界から抜け出すことはなく、永遠にすれ違い続ける。

男女の意見が異なるとき、必ずと言っていいほどこの言葉が使われる。

哀しさに満ちたあきらめの言葉として。

対立を煽るアジテーションとして。

だけど、本当にそうなのだろうか?

ぼくらは永遠に分かりあえることのない、手の届かない世界に暮らしているのだろうか?

ぼくらの間にはガラスの壁でもあるのだろうか?

ぼくはそう思わない。

ぼくらに足りないのは、パートナーと心を通わせる勇気と覚悟なのだと思う。

もっと具体的に言うならば、この家庭はふたりで回しているのだという共通認識を、お互いが持つよう努力することなのだと思う。

自分たちはチームなのだという認識を、ふたりが待つこと。

だけど、多くの夫婦はそれができない。

多くの女性は夫にこういった話をすることに躊躇する。

なぜなのか?

変わらない夫の相手をするのに疲れてしまったから?

自分が我慢すれば家庭がうまく回るから?

確かにそうでしょう。

何人もの女性のお話を聞いてきましたが、「変わらない夫に変化を促すことに疲れた」という女性がたくさんいらっしゃいました。

夫に何を言っても変わらない。真面目に取り合ってくれない。こちらの気持ちをわかろうとも思ってくれない。

しまいには「どこもこうなんだから頑張れよ。お前の頑張りが足りないんじゃないのか?」と言われる始末。

まったく変わろうとしない夫の相手をしていると力が抜けてしまい、なんだかバカらしく思えてしまいますよね。

(もういい、夫はいないものと思おう。ワンオペ筋を鍛えてなんとかする。夫には頼らない)

そう思ってしまうのも自然なことだと思います。

ですが、その先に何があるんでしょうか?

いろんな年代やケースの女性のお話を聞いて分かったことは、そのままだと夫への恨みが自分でも知らない間に降り積もり、二人の間には決定的な溝が生まれ、年老いたときに我慢し続けてきたあなたが認知症になる(可能性が高くなる)ということです。

あなたが我慢をするということは、家庭の中のバランスが崩れていることを意味します。

そのバランスの悪さはあなたの心に決していい影響を与えません。

夫には頼らないと言いつつも、こちらの気持ちを理解しようとしない夫への不満は溜まり続けます。

そのうち顔を見るのも嫌になってきます。同じ空間にいることすら嫌悪感を抱くようになっていきます。

あなたがそう望まなくても、あなたの体が生理的にそうなっていくんです。

(なんでだか分からないけど、夫が嫌い)

いつかあなたはそう思うようになります。

でも、勇気を出して「ふたりの生活」を「ふたり」が納得できる形にすることができれば、あなたの人生を大きく変えることができるんです。

時にそれは、夫の心に刻まれた男性特有の価値観と戦うことを意味するかもしれません。

変わろうとしない夫に対峙し続けるにはエネルギーが必要ですよね。疲れてしまうことも多いと思います。

ですが、妻との関係に悩む男性のお話を聞いていると、「このままだと妻から捨てられるから自分を変えたい」という方が多いんです。

妻から離婚を切り出された。別居して欲しいと言われた。好きな人ができたと言われた。

どうしようもない状態に置かれた時、やっと男性は本気で変わろうと決意します。

「あなたに変わるつもりがないなら、私はいつでも別れる覚悟を持っている」

あなたの覚悟が決まれば、きっと夫は変わるはずです。

オランダ在住の元高等学校教諭の三島奈央さんは、記事の中でこう書かれています。

私たち女性には「自分さえ我慢すれば」という思いが簡単に巡る時があります。でも、そこで必要になるのは「我慢」ではなくて、「チームとして合意形成を得る」という一歩先を行く考え方なのだと気付かされました。

「チームとして合意形成を得る」とは、「この家族は私だけが引っ張るのではなく、あなたと私のふたりで動かしていくのよ。そうでしょう?」と、夫と妻が同じチームであることを認識し、チームとして家事育児にあたるということです。

家庭に対して夫も妻も同じ責任を背負っている。それを二人が認識するということです。

三島さんはさらにこう続けます。

「私(女性)にはパワーがない」
「私たち(女性)は男性に従うしかない」

仮にそういった考え方を社会が女性に植え付けていたとしても、私たちは無力ではありません。ひょっとしたら微力かもしれませんが、無力ではないと思います。

「夫や旦那がそう言うから仕方ない」

社会が、男性が、歴史や慣習が女性にそう思わせていた(る)としても、家庭内で「女性から合意形成をもちかけること」は出来るのではないか…周囲のパパママから夫婦関係についていろんな話を聞いてきた今、私はそう思います。私たち女性は自分を犠牲にすることで首を縦に振ることに"NO"を突きつけ、賢く合意形成を促すくらい強く生きることで自分たちが本当に得たい納得を得られるのかもしれません。

ぼくは女性からの合意形成に強く賛成です。

さらに言うなら、先ほどのように強い覚悟を持った合意形成に賛成です。

なぜなら、多くの男性は自分が生まれ育った価値観が邪魔をして、なかなか妻の話を素直に聞くことができないからです。

人によっては、日本全体に戦いを挑むように感じる方もいるかもしれません。

ですが、女性からの「覚悟を持った合意形成の提案」は、男性の心に強く響くものがあるんです。

おそらく男性は危機的な状況の対処が得意なんだと思います。命の危険がある時には力が湧き出てきます。

別居されるかもしれない。離婚されるかもしれない。妻に好きな男ができるかもしれない。

そんな危機感を夫が感じることができれば、きっとあなたの言葉は届くはずです。そして、あなたの大切さを再認識するはずです。

女性からの覚悟を持った合意形成には勇気が要ると思います。

(なんで私だけが頑張らないといけないの……。)と思うかもしれません。

ですが、変わらない夫を放置することで、夫に真剣に向き合わないことで、夫は(自分はやっぱりこのままでいいんだ)という勘違いを肥大化させていくのです。

そんな男性をたくさん見てきました。

男と女は見ている世界が違うという。

男女は自分たちの目線で世界を眺め、自分たちの価値基準で相手を判断する。

ぼくらが理解し合える日は、永遠にやってこない。

本当にそうだろうか?

ぼくはそう思わない。

ぼくらがともに勇気と覚悟を持ち、相手の世界に恐る恐る足を踏み入れ、その大地を踏み締め、その一歩を一緒に歩き始めるとき、ぼくらの世界はひとつになるんだと思う。

完璧なひとつの世界なんて存在しないだろう。

だけど、ぼくと妻が、あなたとあなたの夫が、何気ない日常を幸せと感じられる世界は、きっとあるはずだ。

自分たちだけでも、同じ世界を見ることは、きっとできるはずだ。

ぼくはそう信じています。

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