情緒と身体のつながりが夫婦を満たしていく。
「身体のつながりがないから、妻を愛せない」
「浮気をした夫が許せない」
性にまつわる問題は夫婦の心をかき乱しますよね。
ぼくが相談に乗る夫婦関係のお話も、８割は性の問題が絡んでいます。
夫がしてくれない。妻がしてくれない。
夫が浮気した。妻が浮気した。
夫が誰かとこっそり連絡を取っている。
妻に好きな男ができたようだ。
実際の浮気もあれば未遂もありますし、オンラインだけのやり取りもあります。問題が発覚したことで縁を切る人もいれば、絆を取り戻そうとする人もいます。
色々なケースがありますが、そこに共通していることは、性の問題の発覚によって、二人の間にすでに存在していた課題が露呈するということです。
その課題とはいったいなんなのか？
どうやって向き合ったらいいのでしょうか？
ぼくはその答えはとてもシンプルなものだと思っています。
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実は問題は最初から存在していたんです。
浮気をしたから問題なのではなく、こっそりオンラインでやり取りをしたことが問題なのではなく、好きな人ができたことが問題なのではなく、すでに二人の間には問題が存在していたということです。
性問題によって、以前からあった二人の課題が炙り出されただけなんです。
確かにパートナーの浮気は心に大きなダメージを与えます。
妻に浮気をされた男性から何度も相談を受けましたが、みなさん口を揃えて「死にたい」とおっしゃいます。
妻が他の男とそういった行為をしていることを想像しただけで頭がおかしくなると言います。
そのため、どうしても浮気という問題にフォーカスしがちです。
ですが、女性視点に立ってみると、夫としたくないという女性の多くはその理由を「安心を感じられないから」と言います。
心を許すことができないから、夫としたくない。
もう恋愛感情がないとかそういう話じゃないんです。
信用できないんです。安心できないんです。
心を許せない人の前で服を脱ぐことはできないですよね。女性の性問題に関しては心理的な問題が中心にあるんです。
なぜ、心を許せないのか？
多くの女性は過去の夫とのやり取りの中に原因があると言います。
自分と子どもたちが大変な時に助けてくれなかった。
辛いという気持ちを受け止めてくれなかった。
そういった裏切られた感覚が降り積もり、結晶化し、恨みへと形を変えていきます。
ぼくもですが、多くの男性は妻から恨みを抱かれているとは思いもしません。
女性としてはなぜ？という気持ちだと思いますが、本当にみんな気がついていないんです。
妻から泣かれたり、別居や離婚を切り出されたり、大きな出来事が起こって初めて恨みを抱かれていることを知り、自分を振り返ることができた人は、恨みの原因まで辿り着くことができます。
ですが、多くの人はなぜ恨まれているのかわからない。もしくは原因がわかっても納得できてないことが多い。
自分と妻の間にすでに存在していた課題。
それは多くの場合、「裏切られた体験」です。
妻が夫に不満を抱く時は「切り離されたような寂しさ」を感じる時です。
頼りたかったのに断られた。優しくして欲しかったのに冷たくされた。助けて欲しい時に見捨てられた。
いろんな方とお話ししましたが、根っこはとてもシンプルです。
「切り離された寂しさ」は「裏切られた感覚」となり、無意識の恨みを心の奥に根付かせ、時間をかけて成長していきます。
「情緒の断絶」が心を閉ざさせ、身体も閉じさせるんです。
とても排他的で影響力の強い夫婦という存在にとって、身体的なつながりは「情緒的なつながり」が構築されないと生まれないんです。
心のつながりがあるからこそ、身体のつながりが可能になるんです。
そして、身体のつながりがあるからこそ、心のつながりも強化されていきます。
ポッドキャストでは、臨床歴２５年の臨床心理士である上遠文恵さんと、夫婦の性問題についてじっくりとお話しました。
この記事に書かれていないことの方が多いので、ぜひポッドキャストも合わせてお聴きください。
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■アツの夫婦関係学ラジオ
#474 語られない夫婦の性問題。情緒と身体のつながりが夫婦を満たしていく。【ゲスト回：臨床心理士 上遠文恵さん】
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