夫に気持ちを伝えられないあなたへ
「妻が話し合いを避けるんです。まるで夫婦仲の修復を避けるかのように……。」
夫婦関係に悩む男性の話を聞いていると、こういった話を何度も耳にします。
妻を責めているわけでもないのに、まるで責められたかのように怒り出す。
夫婦関係の修復が、まるで自我の崩壊であるかのように怒り出す。
怒ることで夫を遠ざけ、さらに状況を悪化させる。
誰も不幸にしたくないのに、気がつけば自分も子どもも幸せとは言えない状態になっている。
パートナーと向き合うことは、なんでこんなに辛いんだろう……。
あなたも、そう感じたことはないでしょうか?
夫と向き合うことができない。夫に心の中をさらけ出すことができない。思っていることを伝えられない。
この記事がそんなあなたの参考に少しでもなれば嬉しいです。
◇
夫に嫌悪感を感じていますか?
話しかけないで欲しい。同じ空間にいたくない。
そう感じたことはありますか?
もしそうならば、そうなってしまった理由があると思うんですね。
子育てが大変な時期に助けてくれなかった。辛い気持ちを伝えても寄り添ってくれなかった。
そんな体験が積み重なり、(この人は信じられない)と思ってしまうのも仕方ないと思うんです。
夫を避けることが、「自分と子どもたちが生き残るための手段である」とあなたは学習し、その結果として夫を嫌悪するようになったんですから。
あなたが望んでそうなったというより、あなたの体が「夫に頼れないという現状」に適応した結果、「夫を嫌悪するという現象」が起こったんです。
夫のことを嫌いたくて嫌っているわけじゃなくて、なぜかわからないけど夫と距離を取りたいと感じてしまうんですよね。
自分でもわからないですよね。なぜ、こんなにも夫を嫌悪するのか。
とにかく、この人が近くにいなければいい。私から距離を取ってくれればそれでいいと思ってしまいますよね。
「夫と同じ空間にいること」を、安全だとは感じられないですよね。
この人さえいなければうまくいくのに。この人が私の目の前からいなくなればそれでいいのに。そう思ってしまいますよね。
でも、今の夫は以前とは違っていますよね。あなたの助けになりたいと、支えたいと言っていますよね。
それでも夫を避けてしまうのは、それは「夫が悪者だからではなく、体が勝手に夫を避けてしまうから」ではないでしょうか?
「夫に頼れない環境」に適応した結果、「夫を嫌悪する」という現象が発生した。
ということは、夫は別に悪者ではないですよね?
あなたがどうしても感じてしまう「嫌悪感」に焦点を当てた方がいいと思うんです。
自分を見つめることは辛いことなので、あなたはもうこの記事を読むことをやめてしまうかもしれない。
だけど、どうかもう少しだけお付き合いください。あなたを傷つけることは言わないですから。
◇
夫が悪者ではないのに嫌悪してしまうというのは、物事の捉え方の問題だと思うんです。
過去の体験をもとに、あなたの体は夫を避けるようになってしまった。だけど、今の夫はかつての夫とは違いますよね。
受け入れづらいかもしれませんが、過去の夫と今の夫は違うんです。
もしそうならば、今の夫に対する自分の捉え方や感じ方を変えていくことはできると思うんです。
時間はかかると思うし、過去の恨みがフラッシュバックすることもあるかもしれません。
だけど、恨みを消そうと頑張らなくてもいいんです。どうせ消えないですから。でも薄めることはできるんです。
夫への恨みを無理に消そうとせず、心に留めたままでかまいませんから、今一度、あなたの「夫への嫌悪感」に焦点をあてていきましょう。
もしかしたら、あなたは「夫に変わって欲しくない」と思っていませんか?
いい夫になんてならなくていい。私を支えてなんかくれなくていい。あなたは悪い夫のままでいい。
むしろ、あなたは悪い夫のままであるべきなのだ。
そう感じていないでしょうか?
もしかしたらあなたは否定するかもしれませんね。いや、そんなことはないと。そいういうことではないんだと。
だけど、心の奥の声に耳をかたむけて欲しいんです。
あなたは最近の夫の言動をどう感じていますか?
いまさらいい夫になっても遅いのよ。こうなってしまったのはあなたのせいなのよ。あなたが私をこうしたのよ。今さら私と距離を縮めようとしたって遅いのよ。今さら私を支えたいと言っても、私は求めていないのよ。
お願いだから、今さらいい夫になんてならないでよ。
お願いだから、今さらいい父親になんてならないでよ。
そんなことされたら、私はどうしたらいいのかわからないじゃない。
まるで、あなたの声に耳をかたむけない私が悪者みたいじゃない。
そう感じてはいませんか?
もしかしたら、あなたは「夫を恨み続けることが生きる原動力」になっていませんか?
子どもを起こし、ご飯を食べさせ、学校に送り、早く帰るために時間ギリギリまで仕事をし、家に帰れば子どもの宿題のチェックをし、料理をし、お風呂に入れ、汚れたダイニングとキッチンを片付け、風呂掃除をし、ほんの少しの自分時間ののちにやっと眠りにつく。
そして、朝起きればまた同じ日がやってくる。
そんな日々を一人で生き抜くために、あなたは「夫を恨み続けること」を原動力にしていないでしょうか?
夫がいい夫やいい父親になってしまうと、あなたの生きる原動力がなくなってしまう。さらに言うなら、あなたのアイデンティティが崩壊してしまう。
そのような恐怖感を心の奥で感じていないでしょうか?
でも、だからといってあなたが悪いわけじゃないんです。
それは物事の捉え方の問題だからです。
自分を見つめ直すことって、とてつもなく辛いですよね。
ぼくも妻からなにか言われると、たとえそれがポジティブな指摘であっても、自分を否定されたように感じることがあります。
これは学校教育の問題(減点式の教育をぼくらは受けてきた)や、生まれ育った家庭の影響が強いと思うんです。
だから、あなたが自分を見つめ直すことがとてつもなく辛くて、そこから逃げ出したくなっても仕方ないと思うんです。
辛いですよね。自分を見つめ、自分を縛り付ける呪いをまざまざと見せつけられるのは。
でも、大丈夫です。それはあなたという人間を否定するものではないですから。あなたの人間性を否定するものなんかじゃないんです。
むしろ、あなたをさらに素敵な人間にするためのきっかけになると思うんです。
自己を見つめ、他者を受け入れ、自分の意見も他者の意見も同じように大切に扱えるようになる。
それって、素敵なことですよね。
あなたのお子さんも、そんなおふたりの様子からパートナーシップとは何か?人と人との結びつきとは何かを、きっと学ぶのだと思います。
どうでしょう。
勇気を出して、ほんの少しだけ心のガードを下げてみませんか?
もし、夫の言葉がトゲのように刺さるなら、言葉に出して伝えてみましょう。
「そう言われると辛いの。傷つくの」
「こういう風にあなたには言って欲しいの」
お互いの柔らかな気持ちを共有し合えるようになると、あなたの体は新しい環境に適応し始めるはずです。
「夫に心を開く」という行動に違和感を感じることも減ってくるはずです。
新しい環境での最適な行動は「お互いに心を開き合うこと」になるはずです。
なぜなら、それが二人にとってもっとも生きやすい選択であると、あなたが学習するようになるからです。
あなたと夫、そしてお子さんの幸せを心から祈っています。
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ーお知らせー
夫に心を開けず、気持ちを伝えることができない。夫はこちらのことを考えて、行動を変えようとしているが、どうしても心を開けない。
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普段は男性からのお悩み相談が多いのですが、女性側の心理をもっと知ることで、夫婦関係の改善方法を磨きたいと思っています。
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