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フィットネス業界の「Apple」から感じる日本市場の未来(一度振られたら戻ってこない・・・)

はじめに

こんにちわ。前回初めて書いた記事が、多くの方に観ていただけたのがとても嬉しくて次の投稿を書いてみました。今回は自分の気になってるテーマについて自分なりにまとめてみました。

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この記事について

真面目に読むと10分以上かかります。大切な時間をありがとうございます✨でも、何か思考の発見や刺激に繋がると嬉しいです!

今回は、アメリカのあるサービス事例を発端に、コロナの影響を契機にフィットネス業界がどうなっていくのかについて考えを書いてみたものです。フィットネス業界以外の方にも応用して役立つように普遍的に記載しました。そのため、

・BtoCのビジネスをやっている人
・中でも、マーケティングってどういう風に考えるのかを知りたい人
・もちろんフィットネス系にかかわる人は必読!
・エンタメ業界の人も関わりあるかも。

にぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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1 フィットネス業界のApple

みなさんは運動は好きですか?
さて、この画像、なんのサービスかご存知でしょうか?

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「Peloton(ペロトン)」です。

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アメリカ、ニューヨーク発。フィットネス業界のappleと呼ばれるている企業です。カタカナで書くと発音は難しいです。

Pelotonとは・・マラソン・自転車競技などの走者の一団、集団、グループの意味。(日本ではプロトンとかと書かれる場合も)

この企業がどんな事業をしているのかは、PelotonのCEOであるJohn Foleyが語る14分ほどの動画で紹介されています。

長い!ので、もしこの文章に興味を持ったらみてみてください。

この動画の中で様々なことを話されているのですが、要は「僕は、Appleと同じようなビジネスをしているんだ!」と言っています。

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Appleをバカにするな!と、Apple好きの人は思うと思います。僕もMacユーザーなので最初思いました。

Pelotonの主な事業内容は「自宅でできるオンラインのバイクエクササイズの提供」です(実際はバイク以外もあります・・・)。
日本円換算で、大体20−22万円のバイクを購入し、月額4-5,000円でレッスンを受け放題?という購入+サブスクリプションシステムです。いわゆる「SaaS + a Box」モデルと言われています
(ゲーム機買って、オンラインゲームやる感じでしょうか)。

個人的にはバイクの価格は高いと思うのですが、2019年3月時点で累計40万人がバイクを購入し、2019年8月時点で登録会員数は140万人を超えました(引用)。2020年3月からは無料会員体験キャンペーンを実施し、さらに爆増しています。

では、なぜPelotonを取り上げたかというと、ご存知の通りコロナの影響もあり自宅でのエクササイズを行う人が増えてます。普通自宅でのエクササイズと聞くと、ヨガとかピラティスとか、筋トレとかを思いつくかと思います。おそらくYouTubeでもそんな動画があふれていたと思います。
それが、アメリカではもうバイクエクササイズまで来てしまったということ・・。普通バイクエクササイズなんて、よほどのフィットネス好きじゃないかぎり自宅にないですよね? ジムに行ってやりますよね? 僕は衝撃を受けました。「すごい!やってみたい・・と」

ちなみに・・・バイクエクササイズのブームとなったのがアメリカ、ニューヨーク発祥のSoulcycle(https://soul-cycle.com/)です。

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ハリウッドの映画業界で働いてた人が、スピニングヨガを組み合わせたら面白そうだなと始まったジム(2006年創業)です。たまーに、ハリウッドの映画(ニューヨーク舞台)とか観てると暗闇でバイクエクササイズをしているのをみる事がありますブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期とか。日本だとFeelCycle(2012年創業)が有名です。

Peltonは、Soulcycleからはや6年後の2012年にニューヨークで創業されました。そして、創業者もSoulcycleと同じ映像業界で働いていた人です。フィットネスも大きなカテゴリーで考えるとエンタメなので納得です。

では、Peloton何がすごいかって、この2つの動画から僕の感じたところを説明します。

1つ目の動画(as ist Peloton | Peloton Bike Commercial 30'' DE)/30秒

ドイツでのプロモーション映像。オンラインでレッスンをやっています。そして最後に子供が登場し、一瞬にして日常の風景に変わります。つまり自宅で気軽にできるのです。そもそもこのサービスをやり始めたきっかけが、「愛する妻が子育てで自宅を出れないから、彼女が気軽に運動できる環境を作りたいから始めたんだ」というようなことをCEOの人が言ってました。きっとSoulCycleをやっていたんだと思います(僕もいつもSoulCycleのロウソク吹きたいなと思ってます)。

→つまり、「自宅で気軽に非日常のエンタメ体験」を先行して導入することにより、「子供の子育て層や介護などで時間の制限のある/家から離れれない人たち」というパイを取り込みました。
ちなみに、Soulcycleは、ちょっとリッチで時間に自由な人/都心で働くビジネスマンが楽しめるエンタメ(1レッスン3,000円以上するので)であり、ターゲットセグメントが異なりますので、今まではあまり被りませんでした。

2つ目の動画(Together We Go Far)/2分

この映像をみてわかることは、このPelotonという企業(https://www.onepeloton.com/)、ただのフィットネス会社じゃないんです。フィットネス運営はもちろん、IT(テクノロジー)、物流(ロジスティック)、ショップ経営まで全てを一貫して1つの企業でやっています。
そして、彼らは自らを宗教みたいなものだと言っています。「昔日曜日はみんな礼拝に言ってたよね?」そういう心の集う場所にしたい、と。

→つまり、ブランドに関わる全てのものを自社でコントロールすることにより圧倒的なブロンドロイヤリティを顧客に提供しているのです。そしてロイヤリティが高くなればなるほど顧客はそれを崇拝していく。

だからこそ、彼らは「我々は、Appleだ」と豪語できるのです。

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IT技術とFitnessを掛け合わせるとここまで行ってしまうのかと驚愕です・・・。そして、おそらく数年以内には日本に上陸するのではないかと思います(シッピング/輸送システムが難しいようです)。
まさにゴールドジムエニタイムフィットネスに続く黒船登場です。だって、日本ほどアメリカの次にバイクエクササイズ流行っている国はないと思います。そして、Co-founderは日本人(linkedin情報)のようです。

なお、上記2つのジムはフランチャイズ経営ですが、Netflixのように本社経営でくるのではと勝手に思ってます。

細かいPelotonのサービス情報・体験談はこの方が説明していただいているので、こちらをご覧ください。

【ハマっていることー2019年夏】家にいながらインストラクターと一緒にバイクができる  https://happyneco-nyc.com/pelotonbike/

こちらを読むかぎり、Pelotonのマシンは、ホテルなどにも置かれており、出張が多いビジネスマンでもできます。そして、ニューヨークにある実際のスタジオは聖地化状態・・。

と、コロナもありオンラインレッスンを調べながら、ただでさえ大変なフィットネス業界にこんなのまで来てしまったら、完全にフィットネス市場に改革が起こってしまうなと思ったのです。

僕の周りにもそういう仕事をしている人も多いので、これは気が気じゃない。新しいことを考えるきっかけになったら良いなと思い、今回色々考えを整理してみました。オンラインレッスンは始まりに過ぎないなと・・。さらに進化が起こるなと。

なおアメリカでは、他の最新フィットネスには「Mirror」や「Pivot」というのもあるようです(情報はこちらから)。

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2 コロナが起こした創造的破壊

まずは、表題である日本のフォットネス業界について俯瞰していきたいと思います。

日本のフィットネス業界というのは、市場がぐんぐん伸びてました。大手スポーツクラブは平衡をたどる中、新興の企業がタケノコのようにどんどん生えてきて、今まで運動をしていなかった人が参加して伸びてきました。さらに、SNSの利用率の増加により個人ブランディングが可能になったことにより、個人ジムやパーソナルトレーニングも伸びてきたのかなと思っています。

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(引用)https://www.sbbit.jp/article/cont1/35568

加えて、その内訳は下記の矢野経済研究所のレポートから見ることができます。

総合型のフィットネス施設は、他の特化型業態(小規模型・24時間型・ヨガ型)に既存会員を奪われ、施設あたりの売上高が低下するなど、苦しい状況に立たされており、成熟期から衰退期へ移行しつつある。
過去10年程度、フィットネス市場の拡大を牽引していた小規模型の新規出店が鈍化しており、成長期から成熟期へ移行したとみられる。これは、女性専用のカーブスがターゲット層の拡大を図って「メンズ・カーブス」を始めた点からも窺え、シニア女性という特定のターゲットに限定した現行のモデルでは、規模の拡大が限界に近づいていると言えよう。
その一方で、24時間型、ヨガ型の業態は成長期にあり、この2業態の出店が新規施設全体の60%を占めている。総合型に比べて施設規模が小さくイニシャルコストも軽いため、出店速度が早い。当面、この2業態は着実に増加していくことになると考える。
(引用)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2360

つまり、現在はもう飽和状態。
初期コストが低いジムは開店して運営できるけど、
高コストをかけて開店するジムは高い顧客上昇(多数のサブスクリプション契約)が見込めないのでそろそろ限界に近づいている・・という状況だったのです。

そして、それは、コロナで一気に崩壊し、破壊されました。

オーストリア人の経済学者で、イノベーションの父と呼ばれるシュンペーターが、イノベーションについて下記のようなことを言っていました。

「当時の(古典的)経済学で取り扱っていた最適配分や均衡よりも、企業家によるイノベーションがもたらす動的な不均衡こそ経済の正常な姿であり、経済理論と経済活動の中心に位置付けるべき現実である」

今回のコロナは、(強制的に市場を変えて)「スーパーイノベーター」だったのかもしれません。加えて、シュンベーターはイノベーションには下記の要素があると述べていました。ほぼ当てはまる・・。

①新しい生産物の創出(プロダクト・イノベーション)
②新しい生産方法の導入(プロセス・イノベーション)
③新しい市場の開拓(マーケット・イノベーション)
④新しい資源の獲得(サプライチェーン・イノベーション)
⑤新しい組織の実現(組織イノベーション)

(引用)https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1105/27/news009.html

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3 可処分所得の熾烈な争い

でも、

「みんな自宅で運動しているよね?トレーニングしているよね?何がそんなに危機なの?」

と思う人は多いと思います。おっしゃる通りです。おそらくトレーニングしている時間はコロナ前とコロナ後でも変わらないと思います。運動は健康に必要なものですし。


コロナ以前の世界(2010年代)は、フィットネスのバリエーション化が起こっていました。僕は勝手に「フィットネスエンタメ化時代」と呼んでいます。

フィットネスエンタメ化時代とは・・・暗闇フィットネス(Feelcycleから始まる、b-monsterのようなボクシング、jumponeのトランポリン)の登場やVRフィットネス、そして最近では、オレンジセオリーのような新しいワークアウトやクロスフィット、ファンクショナルトレーニング、そして、PLAYGROUNDのようなレジャートレーニングなどが浸透したことをさします。(僕も網羅できてないです)。

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お金を払って、払う分だけ楽しい・良いトレーニングをしたい。それ自体がおしゃれであり、ステータス。「かっこいい運動したいよね!」というイメージの元、消費者は財布が緩んでいき、気づかぬうちに家計における可処分所得の割合が増加していきました。


しかし、コロナ以降は、キュッ!と締まるのではないかと思います。

「オンラインでこんなにできるのに、月に1万円以上払う価値あったっけ?なんで払ってたんだっけ?」

つまり、家計内の可処分所得の割合が減少が始まるのです。もちろん正確なアンケートなどを取っているわけではないですが、何割かは減るのではないかなと思います。今まで1万円でやっていたところが、5-6000円で同様のサービスをオンラインで始めたりしています。
そのトレンドに乗り、どんどん安価で良質なサービスは何かと消費者は探し出していく傾向になるのではないかと思います。

可処分所得って実はとても大事な考え方で、人の所得には限りがあります。サービス業は、常にそれを奪い合っています。

例えば、可処分という考え方でわかりやすいのがアプリサービス業界。こちらは「可処分時間」という概念が重要になります。通勤時間や隙間時間にどれだけそのアプリをやってもらうか/思い出してもらえるかということがとても大事にされていました。
アプリのライバルは、他社のアプリゲームであったり、TikTokのようなSNSであったり、Kindleのような読書アプリであり、Spotifyのような音楽アプリだったり、新聞だったり本だったりしました。
そのためにTVCMやWeb広告をガンガン打って、とにかく自社ゲームの可処分時間を拡大し、減らないようにしてました。実はライバルは、アプリをする時間だけではないのです。

そして、フィットネスに関しては、前述のように、可処分所得が下がる可能性が大いにあると考えます。今まで100万円を、単価が1万円×「100人」で稼いでいた人は、単価5,000円で「200人」で稼がなければならなくなりました。

さらに、フィットネス業界は、フィットネスだけではなく関連サービス/商品市場と密接に関わり合っていると思います。以下に関連高そうな4つの市場の状況をみていこうと思います。

 ① 化粧品市場
 ② アパレル市場
 ③ 健康食品市場
 ④ エステティックサロン市場


資料1:化粧品市場

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市場規模と言ったら矢野経済研究所。
市場をみると右肩上がりですね!!(2019年予想:2兆7,200億円)

1000億円規模で成長しています。フィットネス業界の20%ぐらい分が成長。
特に最近よく聞くのが、スキンケアです。多くの人が自分自身を動画で発信(YouTube,Instgram,TikTok)したり、ビデオ会議をしたりするので顔周りのスキンケアはとても高い関心ごとになっていますです。
最近だと、木村拓哉さんがでたCMで話題になった「BULK HOMME(バルクオム)」はご存知でしょうか?

それでこそ美容に関心のあるメンズは知っていましたが、今まで1,000円くらいの洗顔で住んでいたメンズに対しスキンケアはこうあるべきと、急に3,000円の洗顔、3,000円の化粧水、3,000円の保湿液(乳液)を買うことを突きつけられたのですw(クオリティは高いです!)
別の言い方をすれば、彼らはイノベーター理論でいうキャズムにきたと感じたのです。
あと、N. (エヌドット)も注目です。

資料2:アパレル市場

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矢野経さすが。ここは市場としては横ばいでしょうか。

資料3:健康食品市場

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若年層から高齢層まで、トレーニングや運動を日常生活に取り入れる動きが活発化し、スポーツサプリメントの販売を強化するフィットネスジム、健康体操教室などの流通チャネルも拡大した。
2019年度は2,382億円(同6.3%増)を見込む。特にサプリメント分野での伸びが大きく、生活習慣病予防関連において大型ヒット商品が見られるほか、睡眠などの特定保健用食品では見られない機能などにおいて積極的な商品投入が見られ、市場規模の拡大に繋がっている。
【プロテイン】2018年度市場規模:643億円(メーカー出荷金額ベース)/前年度比5.2%増
【コラーゲン】2018年度市場規模:504億7,000万円(メーカー出荷金額ベース)/前年度比1.0%増
【マルチビタミン】2018年度市場規模:492億7,000万円(メーカー出荷金額ベース)/前年度比1.1%増

矢野経、神か!わかりやすい。ここも伸びていますね。
そして、プロテイン市場が600億超えてるってのが新発見すぎて驚きでした。ほんとみんなプロテイン好きなんですねww

資料4エステティックサロン市場

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矢野経ありがとうございます。微増。

周辺美容サービスや一般流通のセルフ化粧品市場との競合激化、次世代の顧客層となりうる若年女性層開拓の不調や集客の伸び悩み。

おそらく、市場単価は同じなんですが、この業界はユーザーが増えつつも単価が下がってきているのではないかなと思います。最近はセルフエステも流行っていて、とうとうメンズまで進出したのが話題です。

といこうことで、熾烈な可処分所得争いが起こっています。
特に化粧品や健康食品といった体に関する市場は目を話せないなと思いました。

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4 一度振られてしまった人は戻ってこない

もちろん、コロナも落ち着いたら戻ってくるという考えもありますが、以下の考え方で全ては戻らないと思っています。

「一度振られてしまったら元に戻すことは難しい」

読んでいる方は経験ありますでしょうか?僕もあります。一度振られてしまい心が離れてしまうと戻ってくる可能性は相当低いと思います。

「いつだって、なかなか既読にならない、未読のままのラインが不安で」by reGretGirl(リグレットガール)です。

すいません、言いたいだけですw
でも高校生はだいたいこのバンド知ってますから(ってレーベルの人が言ってた)。

つまりこういうことです。

フィットネスはオシャレや健康だと思ってやっていた。

けど、コロナでいくべきじゃないというマインドになった。

行くと変な目で見られるし。それにオンラインもそれなりに楽しいしな。

一度落としてしまったフィットネス固定費はあげたくないな。

まぁ、オンラインでできるし、もうやめよう(さよなら)。

コミュニティが機能しているフィットネスやパーソナルは「体を動かすことだけが目的じゃない」ので大丈夫かなと思います。でも、もしきちんとしたコミュニティが成り立ってなく、このままコロナを過ごした所は、「reGretGirl状態」です。

この大きな要因は、常日頃のコミュニケーションのあり方です。いかにユーザー目線でやってきていたか、、そこが大きく問われました。サービス事業との関係値は日々のロイヤリティー貢献度によって変わってきます
(参考に最後にSoulcycleについて述べているのでそこをご参照ください)。

なので、「reGretGirl状態」のサービスは、密な状況を改善するのはもちろんですが、「明らかに変わった」と言われるようにならないと元の状況には戻らないと思います。

じゃあ、「変わったと思われる」ためにはどうするか。それは自分自身、詰まることサービスが成長することです。だからこそ、今までできなかったことにとにかくチャレンジしていく。けど失敗すると思います(だって前例がないことだから)。当たり前で恐縮ですが、失敗を続けてもちゃんと次に活かしていければ、きっと成功につながる。だからこそ、安心感に囚われずに、色々試してみることが大事なのかと思います。
あの、ダイソンも5,127台のプロトタイプを作ったのです。僕はそんなに失敗するのは嫌ですが。

最後は、ここからできるマーケティングについての考え方を述べます。

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5 まとめ(成長と未来)

つまり今まで述べてきたことは下記のようなことです。

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外でできていたことは自宅でできるようになる。のでこのような形になっていくのではないかと思います。

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周囲の人が同様にオンラインレッスンを初めています。そのため、フィットネスの選択肢が増えて、全体としての価格のデフレ化が進んでいくと思います。

試しにgoogleトレンドで下記3ワードを入れてみました。
「フィットネス」「筋トレ」「トレーニング」です。青い線がフィットネスで、4月8日の伸びは、緊急事態宣言でエニタイムフィットネスが休館を決めたからだと思います。それ以降では、「筋トレ」と「トレーニング」が右肩上がりで上がってきています。

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何が具体的に変わっていくか。ポイントは2つです。

① 想定しうるライバルの増加

YouTubeのようなオンラインが主戦場になってくると今度はYouTuberのようなインフルエンサーが筋トレを始めるので、今までジムという形で境界があったのにアマチュアとプロの境界線がどんどん無くなります。

<1週間で腹筋を割ったで有名なのがちゃんねる>

さらに言えば、筋トレってトレーニングの工夫内容に限界があります。物も施設も使えないので。そうして、同じオンラインでも選択肢の増加が起こり、色々な競合が登場します。
フィットネスのエンタメ化時代の到来により、楽しく痩せる/健康でいられるであればそれが一番いいです。ので、TikTokでダンスしながら筋トレとかもあると思います。エアロビチャレンジが良い事例です(前記事でも述べましたが。。。)。

② Pelotonのような企業の登場

先ほどの表の右上に「???」というのがあります。そうです。これが最初の章で長々と取り上げた「Peloton」のようなサービスなのです。こうした企業が日本の市場に参入することにより、市場は変わっていきます。

ということで、サービス事業者がどの領域にチャレンジしていくのか、十分に見定めながら展開していく必要があるかなと思います。

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ということで最後に動き方としていくつか考えられうるポイントを述べさせていただきます。

■「セグメンテーションの見直し」

これから色々流動的に変わっていくので定期的に顧客層をセグメンテーションをし直した方がいいと思います(ロイヤルカスタマーなど)。今までは、来場頻度や利用金額で設定していることが多いような気がしましたが、もっと色々な軸を用意した方が良いと思います。

■「(ブランド/サービスへの)モチベーションの高い人の育成」

離れない優良な(優良な!)顧客はとても大事です。上記で改めて見直した顧客に、こちらからコミュニケーションを計っていくのが良いかなと思いました。大変ですが、数万人しろという話ではないと思うので、やればできるかなと思います。オンラインだけでなく、たまにはハガキみたいな物を送るというのも良いかもしれません。

■「オンラインでできる高付加価値のサービスへのチャレンジ

高価格帯の領域にチャレンジできている所は少ないかなと思います。「在宅のエンタメ空間化!」これが次なキーワードな気がします。そのために大事なのは、ただのオンライントレーニングではなくプロだから/企業だからできる「+α」を考えること。

例えば、ゲーム型のトレーニングをしても良いかもしれませんし、特別なプロテインを送っても良いです。
はたまた、今までは来てもらっていたパーソナルトレーニングが、器具を持っていく「往訪型のトレーニング」が流行るかもしれません。

(企業の営業のあり方も変わっています・・)

■「トレーナーのコミュニケーション能力の向上」

あとは、一番大事なのは、トレーナーが一番成長/ブランド化することです。これはありきたりですみません(これが一番大変><)。

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ということで、色々書いたので要点まとめるとこんな感じです。

① きたぞオンライン時代!ここの波に乗り遅れるな。どんどん客は離れていく。
② オンラインだから価格下げるのはナンセンス!それに見合う付加価値をプラスせよ!
③ コロナで事業のポジショニングと提供価値は変わっているので改めて俯瞰的に整理することって大事!新たなチャンスゾーンができてるかも!
④ トレーニングを提供するだけではなく、その周囲のサービスにも着目してみよう!

そして、pelotonやってみたい🚴‍♂️

Soulcycleもバイクを売り始めていました。Soulcycleはコロナで休止になった際に経緯とかを時系列で事細かくユーザーに説明していました。そして、オンラインのradioまで始めてます。企業姿勢凄すぎます。見習いたいです。

In light of the ongoing Coronavirus (COVID-19) developments and government mandates, keeping our riders, instructors, and staff safe is our absolute top priority.(Soulcycle)


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以降は、余談。最近「カンブリア宮殿」でこんな特集がありました。

美味しいご飯を食べてもらうために、全国のお米から特別配合して提供するサービスです。一流料亭も使ってます。

例えば、プロテイン市場が600億円と伸びていることを踏まえ、上記と同じようにプロテインの配合ビジネス?とかはあるのかなと。その人にあった特別プロテインを提供するとか。。僕は飲まないけどw

「あなたの飲んでるプロテインは本当に正しい?あなたの筋肉組成状況を最新の機器で測定し、栄養学のプロと10,000人を教えてきたパーソナルトレーナーがあなたにあった正しいプロテインの飲み方をレクチャーします。トレーニング時期によって飲むものは違います!」

とか。面白そうw、あとは、プロテイン研究YouTuberとか面白そうですね。

こうしたように、ニーズを顕在化させていくのが、新しいサービスの作り方だと思います。ので、この文章が皆様の新しいクリエイティビティのきっかけになれば嬉しいです。

最後にヨガのマインドフルネスという考え方を少し。

ヨガでは過去の後悔に振り回されず、未来の不安にかられないで、今を見なさいと教わります。
今に集中していれば、これからの未来はいくらでも変えていける。
苦しむのも苦しまないのもあなた次第
変わらないのも変わるのもあなた次第
(勝手に引用。すみません。)https://www.instagram.com/p/CAFAsVthAqi/

これ読んで心が元気になりました。
ぜひフィットネスの新しいエンタメをみてみたいです。未来が楽しみです。


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この文章、まとめようと思ってはじめてかなり時間かかりました。考えているうちに色々な感情移入が、自分が現場の人間だったらどうするみたいなことを考えていました。そして、ふとゴールを間違えてるかもと思い修正を繰り返していました。でも、これがマーケティング考えるってことですね。新情報が入れば常に修正していく。

内容が面白かったら、いいねボタンを押していただけると嬉しいです。もうこんな長いの書けません!

では、さようなら!

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